第34話 過去

俺達はバルコニーに。るいはすぐに、


【過去に戻ったらね。このバルコニーの下にペンダントをおこう】


ここならね。風や雨も凌げる。

過去に戻り、駅での出来事をなかったことに…

このペンダントをおけばいい。


【涼ちゃん、ここでさよならだよ…】


何いってんだ!るい。まだ時間あるだろ?

さきは調整とか何か言っていたけど。


【るい、聞いてる話と違う。まだだいぶ先のことのような。なんの準備もしてないでしょ】


【涼ちゃん、キスして…】


いや、それは、嬉しいけど…でも、話の途中…


おいおい、急に、どうした、るい?

積極的すぎるぞ。


まぁ、悪くないよね、こういうのも。

話の途中が気になるが…


俺は暫くるいと…数十秒くらい。


すると、るいの後ろに、これは…

時空の狭間か。見慣れたもんだけどね。

とりあえず離れておこう。


【るい。ちょっと待って!後ろに】


【知ってる…】


るいが離れない。距離あるけど、ちょっと…


【じゃ、離れておこうよ。念のため】


るい、離れようって!ほら、近づいてきてる。

ちょっと!聞いてるか?


【涼ちゃん、さきと私しか知らないの。この時空の狭間で過去に帰って!さきが言ってた。あまりにも時間無いと。早くしないと次のダークホールが…】


急ぐったってさ、るい。これっきりだぞ。

もう会えないかも知れないんだ。こんな急に!


【ちょっと、俺、まだるいと話していたい。突然過ぎて。せめてあと数日は】


【涼ちゃん!ありがとう!今まで。本当に大好きだたたよ。ずっと覚えてる。玲奈と幸せになってね】


俺はるいに突き飛ばされ、時空の狭間に。


何でだよ!るい!何も伝えてないよ。

勝手だよ!どれほど好きだったと思ってるんだよ!


※涼ちゃん、きこえるかな?※


【どこ?なんでここで、るい?姿が見えない】


※時空の狭間にいる間声が聞こえるように、さきに操作してもらったの。ある程度の能力無いと無理だけど※


【ユキのこともあるけど、あの時に、るいと触れなれけばいいんだよな?だったら、声かけるだけならさ…】


※会ったら駄目なんだよ。あの時に会わなければ私から涼ちゃん探すことはない。涼ちゃん、辛いけど頑張って!ユキだけでなく、未来を守って!※


【るいは平気なの?】


※平気なわけないじゃん!苦しいよ。だからあの時に会わないでくれたら、この辛さもない※


【俺はずっと辛いよ…】


※涼ちゃん、記憶残っていなければ…大丈夫…※


【何記憶って?何で残ってないと思うの?】


※解らないけど、何となく…※


【何か隠してるな!るい】


※…何も…※


【るい、記憶残らないんだな!俺は!】


※…うん…私とあの時に会わないで済めば…記憶も…たぶん連続して時空の狭間に…そこで玲奈とね。それでコンプリート!…※


【るい、それが望む世界?】


※望むしかないもん※


【俺は嫌だ!これも何もかも何故起きたんだ!】


※涼ちゃん、落ち着いて!※


【大切な人に会うだけなのに…好きな人に会うだけなのに。どうしてこんな…これは間違いだ!】


その瞬間、突如、

何だよ、これ?時空の狭間のなかに、時空の狭間が、無数に現れて、これは何だ!


※涼ちゃん、何が起きたの?※


【そっちに異常ないか?ここは無数に、時空の狭間が現れて集まって、凄いエネルギーが作り上げられていく】


※涼ちゃん、それに触れないで!※


【これ、時空の狭間じゃない!無数のダークホールだ!】


※待ってて、さきに確認する※


【解った!ちょっとこれはヤバいけどな】


それから連絡を待つ間、俺はダークホールを、

何かこれを変えられる方法ないか?考えてる。


※涼ちゃん、もうすぐ着くからダークホール、絶対に触らないで、あとは全て予定通りに、みんなのこと守って!お願い!※


明るくなった。着いたんだ。


懐かしい…この駅、この自転車置き場。


ありえないことが、ここで起きてる。

ドッペルゲンガー、ないはずだよな?

さき、そう言っていたよな?


目の前に俺がいるぞ。中学生の俺が。

マズい、るいの方向に向かってく。

何とか止めないと…どうやって?


さき、ドッペルゲンガーのこともっと教えてくれよ。対処解らないよ。


こうなったら、もうやけくそだ!


とりあえずるいのそばに、まだ中学生か。

怪しいよな、大人の俺。

じゃ、中学生の俺のそばにっていうか、

自転車出すの俺がすればいいじゃん!


とりあえず会話を聞こう。


中学生のるい【こんにちは、元気だった?】


中学生の俺【おはよう、女子校生活どう?】


中学生のるい【楽しいよ、普通に、そっちは?】


中学生の俺【つまらん、共学が良かった】


中学生のるい【なにその判断基準、文化祭に期待だね】


なんだこのありきたりな会話…ハズい。

中学生の俺、ハズいぞ。緊張し過ぎ!

その帰り方もぎごちない…カッコつけすぎだ。


中学生のるい【自転車出せないー!】


ここだ!冷静に焦らずに!スピーディに!

中学生の俺は躊躇してるはずだ。照れてるからね。


【お嬢さん、大変でしょ?俺が出すから、ちょっと離れていてね】


中学生のるい【ありがとうございます】


【自転車倒れると危ないから離れていてね】


中学生のるい【はい】


俺はスムーズに自転車を出して、


中学生のるい【ありがとうございました。毎回これ出すの大変なんですよ】


【この時の女性は大変だよね。珍しいよ、こんな重なり合って】


中学生のるい【珍しい…ですか?】


あっ、ヤベ。余計なこと…


【…あっ、普通だね。それじゃ】


中学生のるい【あっ、お兄さん、待って、忘れ物!】


ん、なんだ?ペンダントか!


中学生のるい【はい、凄い素敵なペンダント!】


【気に入ったの?】


中学生のるい【彼女さん、羨ましいです。こんな素敵なペンダントを、あっ、ごめんなさい。勝手にいろいろと、はい】


【嬉しいよ、褒めてくれて、ありがとう】


って、しまった!~~~~~~~~~~~~~😱

結局俺が触れてしまった!

ペンダントー、しかも落としてしまった。


中学生のるい【お兄さん?大丈夫ですか?ペンダント私が拾います…って、えっ、なにこれ?真っ暗な、怖い!】


俺は慣れてるけど、るいはこの頃は怖かったよね。

可哀想に…


【大丈夫だよ、離れていてね】


中学生のるい【はい、ほんとに大丈夫ですか?】


【早く離れて!そうしないと巻き込まれるよ】


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


これで良かったんだ。この時空の狭間に包まれて…

暫く暗闇が続くんだ…もう慣れっこ。


しまった!ペンダント受け取ってないし、バルコニーの下に置いてないし…


ってかさ、ホテルのバルコニーの下に置くって

無理じゃん😡こんな短時間に!移動は出来っこない!


とりあえず…考えても仕方ない。

疲れた!もう寝る!


次目覚めたら、玲奈との新婚生活から、十数年ってとこか。


るいのことも、忘れちゃうのかな?

ユキのとこも…それも寂しいね。








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