第32話 守るために

なにが起きたのか、解らないけど、

とりあえず世界は救われた。


全ての科学者が多方面から調査している。

ダークホールと命名…さきが言ってるけど、

ブラックホールは存在するのでややこしいので

ダークホールみたい。何でもいいけど。


問題は予測できないらしい、規模も場所も。

それに触れたものは戻らない。

ビルも触れた場所はすっぽり消えている。


これから先は対応に追われるだろう。

とにかく発生を防ぐことが最優先。

現れたらいかなる規模でも対処出来ないから。


もう一つ気になることが。

俺の記憶が戻ったとのことだが、ユキに触れた、

そのユキが間違いなく一気に成長したこと。


見た目は大学生?20歳?それくらいだろうか?

着ていた服が急にというか、完全に着れなくなり、さきが、玲奈が、急に慌てて上着をかけた。


【涼ちゃん、今はなんともない?痛みやなにか気になることはなに?】


【心配かけたね、るい。なんともない】


俺はるいの膝に寝かされている。るいは俺を包んでくれている。恥ずかしいが、心地いい。

暫くはこのままでいる。


さき、玲奈が戻ってきた。

あと、レイジ?だったかな?チャラ男の。

他に数人、ホテルスタッフかな?


玲奈が、


【涼、ユキのこと、前に話してくれたこと、信じるね。もう信じない訳にはいかないから。こんなこと、ありえない。でも現実にユキは…ね、今来ると思うから】


玲奈、俺も最初は信じなかったよ。

ありえないこと、何度も見てきたからね。

それで信じるようになった。


さきが、


【涼さん、助けてくれて、本当にありがとう】


【さき、覚えてる限りだけど、無事で良かった】


るいは、


【涼ちゃん、無茶もうしないでね】


【うん】


暫くして、ユキがここに…

なんて、なんて、素敵な女性に…

こんなにも、未来でみた時よりもだいぶ若いけど…


同じだよ。こんなに綺麗だったのか!

玲奈が自慢気に、


【涼、びっくりでしょ、ユキ、こんなに素敵な…】


るいが、膝で俺を寝かせてくれているるいが、


【涼ちゃん、好みなの解ってる。でもちょっと、 露骨に見すぎ!】


るい、ごめんね。目が離せない…


ちょっと、ちょっと、ユキ近づきすぎ…

俺汗かいて、さらに緊張で汗が…


【涼さん、無事で良かった。クンクン!】


うわー、嗅がれたよ。こんなに汗だくなのに…

引かれるよな、臭いよな~


【うん!涼さんの匂い!いい匂い。クンクン!】


【ちょっと、ユキ。涼ちゃんに近づきすぎ!それに匂い匂いって、そういいながら、涼ちゃんに触れてない?】


【るいちゃん、ヤキモチかなー、涼さんチュ😚】


あー、ユキ!よりによって、汗だくの俺に…


るい😡


【ユキ、なにしてんの!涼ちゃんに!】


俺は慌てて、


【るい、怒らないで。ユキ子供だから】


【もう立派な大人じゃん!ユキ、涼ちゃんに前のように接しちゃ駄目!】


【もう、るいちゃん、かまったのだけなのにー】


さきが、


【ちょっと二人うるさい。涼さんとユキの関係性について気になることがあるから。黙って聞いて!】


さきが続ける。


【涼さんにダークホールに対する何かの力はあるかも知れない。あと、記憶が消失、その後にユキに、触れて記憶が戻る。ユキが成長する】


さらにさきが、


【①ダークホールを封じる涼さんの能力→

 代償:記憶消失

 ②涼さんがユキに触れて→記憶回復

 ③涼さんの記憶回復→代償:ユキの寿命を使う


これはね、この二人がダークホールを封じる能力を持っている、そして、言い換えればユキは寿命を使って涼さんを回復させている】


何だよ、それ。ユキの寿命?

そんなことヤバいだろ!


ユキは、お気楽に、


【涼さん、私に触れてくれるの。いいよ、いくらでも触れて触れて!涼さんなら大歓迎!クンクン】


るい😡


【ユキ、もう解ってやってるよね?絶対!涼ちゃん

誘惑してるよね?クンクンやめてよ!】


【るいちゃんもクンクンすれば?やみつきになるよ!クンクン】


【だからやめろって!そんなにいい匂い?クンクン、臭っ!なんで?臭っ!】


るいー、酷いよ。もう、臭って解るけどさ。


【ごめん、るい。俺、シャワー浴びてくる…】


【涼ちゃん、ごめん、そんな意味じゃないの】


【じゃあさ、ユキが連れていく。足元不安定だし、心配だし、はい、ユキにつかまって♥クンクン】


るい😡😡😡


【ちょっと、ユキ離れて!それになに♥って?】


さき🤔


【ちょっと、るい。二人にしてあげて。るいに重要な話がある】


【そんなこと出来るわけないでしょ!】


【重要だって!とにかく私を信じて!】


【………さき、どうしたの?】


さき、凄い!るいを黙らした。さきが、


【涼さん、シャワー浴びたらロビーに来て、ユキも。私はるいと玲奈に話があるから。ロビーに行ってる】


【ユキ、涼ちゃんにちょっかい出さないでよ】


【解りました。るいちゃん!】


とりあえず俺はユキにつかまり部屋に。

ユキには部屋まで行ったら先にロビーに行ってもらおう。誤解されないように。


ロビーにさき、るい、玲奈が集まって…

俺は後からこの話を聞くことになる。


※そのため発言の前に名前が出ます※


さき【るい、時空の狭間をコントロールして、涼さんを過去に戻す。駅の自転車置き場で涼とるいが出会うときに。そこで、涼さんがるいに出会わないようにする】


るい【さき、それなんの意味?】


さき【さっき記憶のことで覚えてるのは、涼さんその場所だったでしょ?そこで、涼さんとるい触れてしまったよね?そこで時空の狭間現れた!それも

最大規模。その過去を変える。時空の狭間を起きないように変えてしまう。そのための代償も大きなものになると思うけど…】


玲奈【代償って?】


さき【戻すの、元の世界に、元の未来に】


るい【それがなんの代償?】


さき【………】


るい【………そんなに…言えないこと?】


玲奈【さきさん、教えて!】


さき【るいも、ユキも、涼さんと未来で会えない】


るい、玲奈【それは…涼ちゃんと…これっきり…】


さき【次にダークホールが出て、涼さんに救ってもらったら?ユキに救ってもらったら?ユキの寿命尽きるよ、あと何回かで。もしかしたら次かも】


るい【ユキの寿命…】


さき【るい、何だかんだ言ってるけどさ、知ってるよ。二人がどれだけ仲いいか、どれほど大切に思ってるか。さっきのユキの成長見たでしょ?それに玲奈さん、涼さんのこと嫌いで別れたの?この先の未来で涼さんと一緒になって別れる不安ある?涼さんのこと嫌い?涼さんと屋上で何話していたの?】


玲奈【…言えない…】


るい【…玲奈、何?言えないって?】


玲奈【…ごめん、るい】


るい【うん、予想はつくけどね】


玲奈【…ごめんね、るい】


るい【あーあ、もう!何度もあったね。薄々気がついていたよ。そもそも間に入ってしまったのは私だね、………もう、いいや。こんなこと私も疲れる…さき、これでさ、間違いなくユキ救えるよね?】


さき【理論上だけど、それしか言えない】


るい【玲奈、涼ちゃんを幸せに出来る?】


玲奈【るい…】


るい【出来るって言え!この場だけでいいから!】


玲奈【るい、ごめん】


るい【ごめんなんて聞きたくない!何のために私やユキが涼ちゃんと離れるの!解って…るの…どれほどの…ことなのか…もう、わーん!😭】


玲奈【るい、解った!絶対、絶対!涼を…】


るい【涼をなに!はっきり言って…言ってよ…😭】


玲奈【涼を離さない!何があっても】


るい【よし、これで諦める!ユキは私が説得する、どんなことしても。玲奈、涼ちゃんと幸せに】


るいは玲奈に抱きついて…大泣き😭

玲奈も😭

それを見たさきも😭


るい【さき、なんであんたまで泣くの!】


さき【だって、るい、かっこいいから】


るい【さき…バカヤロー😭】


※ここから俺とユキが合流します※

※発言の表記をもとに戻します※


スッキリした、あれ?へんな空気に、泣いてる?


【あー、スッキリしたよ。ん?なんでみんな泣いてるの?】


ユキも、


【あー、スッキリ!どしたの、みんな?お母さんまで、変なの】


るいが、


【ユキ、まさかユキもシャワー浴びたの?】


ユキが、


【知りたいの?ねー、知りたいの?、るい】


るい😡😡😡


【ユキ、オマエー、さっきの説得の話は無し!】


さきが、


【るい、こら!ユキもふざけない!まったくもう、こいつら、ほんとに仲良かったのか?】


玲奈が、


【涼、るいとユキ、この二人に出会えて良かったね。素敵な二人に。幸せもんだね~あんたはさ】


玲奈、何いってんだよ。確かにそうだが。

おっ、レイジが…


【玲奈さんも素敵っす。何と言っても、それほどの美脚…美人さんなんですから】


さきが、


【お前はなんの役にも立たない!もう帰れ!】


玲奈が、


【確かにね、ちょっとかっこいいだけで、中身がねー】


ユキが、


【前にチュ😚ってしちゃったよー、返して!】


るいが、


【大人の女性ほど、あんたの軽さに気がつくね】


レイジは、


【そりゃ無いっすっ!酷すぎるー、涼さん何とか言って下さいよー】


俺は、クーポン片手に、


【じゃ。帰れ。ブュッフェ無料になったからこれいらない、返す】


レイジは、


【そりゃないっすよ、彼女に慰めてもらうからもういいっす。あれ、俺の彼女は?】


さきは、


【さっき、出ていったよ。あんたが玲奈さんに美脚、美脚って言ってるよって私が言ったら😡って】


レイジが、


【えー、何いってんスカ!さきさん!ヤバいっす】


騒がしいな、大慌てでレイジ帰った。

可哀想な気もするが…


さきが、


【涼さん。ここ無料って誰が言ったの?部屋付けにしておいたよ】


お前がるいに言っただろうが!この酒乱!

もう助けなきゃ良かった…さきなんて…


カード限度額大丈夫かな?








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