第31話 代償
【ありがとう、涼、もう大丈夫!】
玲奈が自分から離れた。
【無理していたんだね、玲奈】
【……無理してないよ、ちょっと寂しかった…】
俺のせいだ。
自分の情けなさ、傷つけてしまうこと、
もう嫌になる。
俺は空を見上げて…見上げて…なんだ!!!
なんだ!この空。ありえないぞ!!!
何を見ている?何が起きてる?
星1つ無い。月も。晴れてるよな?
雲無かったはず。それなのに、何だよ、これ?
突然、るいの叫び声が響き渡る!
【涼ちゃん、無事?玲奈達も早く戻って!】
何かとんでもないことが…直感を信じて、
るいを信じてユキを抱きかかえホテル内に。
玲奈が、るいに、
【どうしたの?何が起きたの?】
【ブラックホールもどき…ダークホールが空に】
玲奈???
【とにかく詳しく説明するから、ロビーに来て!】
ホテルスタッフが、慌ただしく、遊園地のスタッフを避難してきてる。あっ、るいが迷惑かけた人達、
【あの時はすみません】
俺が挨拶、るいは、
【それどころじゃない!急いでロビーに!】
それは失礼だろ〜るい。何をそんなに。
※館内のお客様、スタッフ、全員ロビー至急お集まりください※
さきが指揮を取っている。
【今、何が起きてるか、説明します、お静かに】
慌ただしく騒がしかった人達も静かになり、
【空を見て確信しましたが、ダークホールと命名しましたが空に現れています。これは全てを飲み込む、全てを無にするものです。皆さんご存知の時空の狭間とは異なります。とりあえず絶対に外に出ないでください】
テレビで、緊急放送…
※今、世界中で星が見てなくなり、昼間も太陽が見えません。暗黒の世界が広がっています※
怯える人達、逆に興味がてら動画撮影する人達、
それぞれの反応…
※専門家の解説です。これは何が起きてのでしょうか?世界中で起きてるので、気象現象とは思えませんが※
※何も解りません。ただ相当のエネルギーが集結して吸い込もうとしています。間違っても外に出ないでください。この暗黒には触れないでください。暫くは個々の備蓄食料で凌いでください※
さきが、
【そんなのんびりしてる場合じゃない!何も解ってない。この人達本当に専門家?いずれ全てが飲み込まれてしまう。暗黒は広がり続けている。急いで、何とかしないと】
映像で暗黒がビルに触れて、消えてる!
ビルが消え始めてる!触れたものから消えるのか!
さきが、
【涼さん、ちょっと手伝って!レイジも】
レイジ?あの青年の名前か。
とりあえずさきを信じて、
先に言われた場所に、三人で、
【いい、これからテストする!このホースを持って!早く急いで!】
言われる通り、俺とレイジはホースを持ち、
【空に向けて!行くよ!】
さきが、開放。凄まじい水流が空に、
暗黒に触れたのか!ん?暗黒が消え始めて…
月が見えた!
【やった!成功!】
さきが騒ぎ出した。さきが俺達に、
【ダークホールは水で消滅する!質量あるんだ!とりあえず緊急の対策にはなる!ただあまりにも大きいので、一時しのぎ程度になってしまうけど】
質量について、さきはここまで調べていたんだ。
さすがだな。
【さきさん、流石っす!俺、ずっとついていきます】
【とりあえず、みんなのところに…】
【さき、危ない!】
俺はとっさにさきをかばった!
【涼さん、危ないっす!しゃがんで!】
直ぐ側に暗黒…とても無理だ。
さきを突き飛ばして、レイジに。
【さきを頼む!】
【涼さん、早く逃げてっす!】
くっ、!無理だ。これまでか!
暗黒がすぐ上に。
※腕を空にかざせ!代償は覚悟しろ!※
何の声だ!とりあえず俺は両手をかざして…
【涼さん、危ない!】
さき、来るなよ!早く行けって!
【レイジ、さきを連れて下へ!】
【解った、涼さんも】
とりあえずさき達は大丈夫!
何だ、この力?怒りか?
みんなを奪う、ダークホールに対する怒りか?
なんだ?変な感覚、前に感じたときと同じ。
両手から凄いエネルギーが…
その瞬間、あれ意識が遠のく!何も解らない…
何をしたんだ俺は?
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
※緊急放送です。世界中が包まれていた暗黒が突如消え、太陽、月、星が見え始めました※
【涼ちゃん!!!】
【涼!!!】
【涼さん!わーん😭】
何だよ、騒がしいな!誰だよ、涼って?
なんだ、なんだ、こんなに人が集まって。
おっ、可愛い人達多いな。美脚の美女、
そのミニスカートの娘、どストライク!
ベースボールキャップの小さな女の子、可愛いね。
何で、ここに?ここは、何処なんだ?
【あのー、すみません、ここは?】
【涼さん、よく無事っすね、良かった!】
誰だよ、このチャラ男!
【涼さん!かばってくれて、ほんとありがと!】
んー、こちらもなかなか素敵なお姉さん。
何か解らないけど、いい気分!
【さきー、テメー、涼ちゃん危険な目に合わさて!】
そちらのミニスカートの女性、俺と親しい人んですか?俺は涼なんですよね?とりあえず。
【涼、ユキも心配してたよ、良かった】
なんか、俺。よく解らないけど…何でもこんなに、
素敵な女性達に囲まれて。幸せです。
中でもそちらのミニスカートの女性、
凄くタイプです。ちょっと、強い口調だけど。
【涼ちゃん、なんかおかしくない?どこか怪我したの、ちょっと見せて】
いや、いや、照れるよ。よりによって、あなたは
どストライク!
【あの〜、ちょっと、恥ずかしいんですが、大丈夫です。怪我してませんから】
【涼ちゃん…なに?演技?それとも…】
【るい、ちょっとどいて!涼さん、私をかばったこと覚えてる?暗黒に触れたの?何か覚えてる?】
【ちょっと待ってください。何のことやら?俺に説明してください。みんな涼って読んでるけど、俺は涼って名前なんですか?あだ名なんですか?ここは?あと、あなた達の名前を教えてください】
なんですか?何でみなさん、無言なんですか?
【涼ちゃん、覚えてないの?いつからのこと?】
【いつ?覚えてるのは、えーと、駅で自転車を出せないで困っている女の子がいて、確か手伝って?そんなとこくらい?たぶん】
【やっぱ、そこだ!るい、そこなんだよ!あの時の分岐点が全てなんだよ。この記憶消失は暗黒に触れたのが原因だと思う。ごめんなさい。私をかばった…そのせいで、私が悪いの…ごめんなさい】
おい、おい、何も泣かなくても…
【さき、なんでよ!なんで涼ちゃんこんな目に合わせるの?どうにかしてよ!わーん😭】
ミニスカートの女性まで…
【涼さーん、涼さーん、わーん😭】
可愛い女の子が、大泣き!困ったな。
【ベースボールキャップ似合うね、ほら可愛いお顔泣くと台無しだよ。いい子だから、泣きやんでね】
いい子、いい子。俺は女の子の頭を撫でて、
一瞬、記憶が飛んた。電気が走ったような…
あっ、何か眠くなってきた!
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
ん?みんな、どうした?
【ユキ、なんで泣いてるの?】
【涼さーん、涼さーん、忘れちゃったの?😭】
【ユキ、どうしたの?ほら泣かないで!】
【涼ちゃん、大丈夫?】
【るい、何が?るいも、あれ、さきも泣いてる?どうしたのみんな?】
【涼、記憶戻ってる。ユキに触れて?】
何だよ、記憶って?
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