第18話 親子

現実に戻り、まだ夏なのに会社…

るいとの海、楽しかったな。


ユキをどうするかだけど、玲奈。

返事くれるかな、電話にするか。

話しづらい…


とりあえず電話!話すしかない!


【もしもし、玲奈…さん、久しぶり、元気かな?】


【涼、どうしたの、急用?】


【うん、ちょっとね、会ってもらいたい】


【何で、もしかして、るいと何かあった?】


【違う、ユキのこと】


【んー、普通は会わない関係だけどね、こっちも相談したいことあるから、会ってもいいよ】


おっ。玲奈会ってくれるぞ。良かった。

あと大事なことを玲奈に伝えないと、


【あとさ、同席させたい人いるんだけど、いい?とても大事な内容を話すから】


玲奈の反応は?


【誰?まぁ、二人で会うのも抵抗あるし、こっちにしても都合がいいかも】


【ありがとう、じゃ後で待ち合わせ連絡する】


ふー、話せた。良かった。他人行儀なのは仕方ない。さきにも同席してもらわないと説明出来ない。


【さき、玲奈と会えるから、頼む】


【解りました、後で詳細送ってください】


ん?そばにるいがいるな。隣の机か。

こちらも他人行儀。とりあえず二人に連絡して、

今週末でいいかな。

るいに、バレないように気をつけないと。


週末…玲奈、さき、と俺の三人で会う。

緊張するよ〜、これ。不思議な三人。

前にさきと来た喫茶店、早めに着いちゃった。


さきが、入ってきた。


【涼さん、お久しぶりです】


【涼でいいよ、気軽に話そう。俺もさきって

呼ぶよ。そうしたほうが話し早いでしょ】


【解った。この前はごめんね。今酒断ってるの】


【そんなにもう、気にせずに】


玲奈だ。随分おしゃれな…変わったな。


【涼、久しぶりだね。えーと、さきさん?】


【初めまして、さきです。今日はよろしくお願いします】


【お願いね、ところで、涼、なんでこうも涼の周りには…しょうがないね、そういう引力あるのかな】


【玲奈…さん、さきから説明があるから】


【玲奈でいい。それよりも、さき?そう呼んでるの?どういう関係?】


【あっ、私はるいさんと同じ職場で…涼さんはるいからいろいろ聞いて…】


【涼〜!あんたさー、るいの同僚と関係持って…】


玲奈、急かすなよ~、頼むからさ。


【違う!、とりあえず話を!重要だから!】


【解った、とりあえず重要なんでしょ、話】


ユキとるい、それにさきも元の世界に帰ること。

それについて同意出来るかどうか…

ユキは本来、この世界で生まれた訳でないこと…


パラレルワールド、タイムパラドックス、

時空の狭間、全てを順序立てて、さきは丁寧に。

ずっと黙っていた玲奈が口を開いた。


【涼&るいコンビの説明よりずっと解りやすい。

さきさん、あなたはプレゼン凄くむいてるね、

ユキだけど、任せるわけにはいかない】


俺は想定していた。だから、ここで、伝えておく。


【解るよ、玲奈。でもユキの記憶もし戻ったら?】


玲奈は深刻な表情で


【涼、本当のことだったとしてもね、私の妹が託してくれた娘だよ、さきって人信用出来るとは思うけど、もう娘と思ってここまで…やっぱり無理!】


さきは、


【涼さん、ユキのこと、玲奈さんに任せよう】


玲奈は立ち上がり、


【ちょっと待って、ユキ連れてくる】


玲奈に連れられて、ユキが、


【お父…さん?お父さんだよね!会いたかった!】


玲奈が飛びついてきた。思わず受け止めて、

あの時は結婚する予定だったから、お父さんって

呼ばれてたけど、今呼ばれると…切ない…


【ユキ、元気だった?会いたかったよ!】


ユキが膝の上に乗り、嬉しそうにしてる。ユキに

クリームソーダを頼んだ。やっぱ可愛いな。

もちろん子供として。


それを見た玲奈は、


【相変わらず涼に懐いてるね〜、ユキ、お父さんのこと好き?お父さんと一緒にいたい?】


【うん、お父さん大好き!、一緒にいたいよ、ねー、涼さん…あれっ?お父さん?涼…さん?】 


ユキ、どうした?錯乱してるのか。


それを見たさきが慌てて、


【ユキちゃん、なんで涼さんって言ったの?、何か思い出したことある?なんでもいいから、昔のこと何でも】


ユキはクリームソーダを食べながら、


【解んない、涼さんて?なに?、昔のこと?

解んない。ただ…暗くなると何か怖い…どっかに

行っちゃいそうで…】


さきは、玲奈に


【ユキちゃん、この事を言うのは初めてですか?】


玲奈はため息ついて、


【ここのところ、暗闇をユキが急に怖がるように、それ以来、部屋を明るくしてないと寝ないの】


さきは、慌てて、


【玲奈さん、ユキちゃん記憶戻りつつ…。もし戻ったら冷静に受け止めて。何かあったら涼さんに連絡してください、涼さん、この症例についてTAで至急調べてみます。前例も含めて】


さきは帰ろうと立ち上がった。


【さき、よろしく頼む】


玲奈は、表情を変えず、


【解った、さきさん、説明してくれてありがとう】


さきは帰った。残った俺達は、


【玲奈、少し考えてみようよ、今後のこと】


玲奈もうなずく。


【私の知らないところで、何もかも、なんか置いてきぼりだね】


【俺も同じ、とにかく何が幸せなのか、そのために、るいも帰るように説得することに】


【涼、るいさんも…そうなんだ。強くなったね、さすが元旦那!惚れ直しちゃうかも〜ねっ、嬉しい?】


【何いってんだよ、るいのことしか考えてないよ】


玲奈はつついてきて、笑って、


【冗談!本気にしないの。ユキのこと、考えてみる。もしもさ、ユキに記憶戻ったら、私一人じゃ無理!そうなったら、力貸して、涼。お願い】


【もちろん、玲奈】


【じゃ帰るね、ユキ、行くよ】


【まだお父さんといる!帰んない!】


【玲奈、良かったら一日預かっていい?明日休みだから送っていく。どうかな?】


【ユキ、今日、お父さんといる〜!】


【解った。涼よろしくね、ユキ、いい子でね】


ユキはクリームソーダを食べてる。気に入ったんだね。もぐもぐ…とにかく可愛いんだな、食べてるとこ。子供出来たらこんな日常なんだな。


【涼さん。あっ、お父さん…遊園地行きたい!】


そうだなー、休みだからね。そろそろ、るいに連絡したほうがいいか。それにしても、涼さんって、

思い出すよ、あの頃のユキ。


【もしもし、るい?これから出れる?】


【涼ちゃん、もう何処にいるの?何の用事なの?】


とにかく、るいを呼び、三人で遊園地に。

るいの質問攻めは大変だった。何とか誤魔化した。

遊園地についたら、ユキは大喜び!るいも同じく。


【ユキちゃん、何から乗る?】


【コーヒーカップ!】


俺それ無理だ!回転系無理ー


【じゃ、るいとだけ乗ろう!ユキちゃん】


二人が楽しそうに、回す回す、これ、乗らずに良かった。吐く、絶対に吐く!


こうしていると、家族。

こんなこと経験出来るとはね。


間違ってないよな?二人を元の世界に戻すこと。

それとも、この世界で最後まで…


何をどうすれば、るいも納得出来るだろう…

タイミング見て話さないと、とても難しい…


【お父さん、ただいまー】


【涼ちゃ、ん、ただいま………】


二人とも可愛い!こんな母と娘がいたら、

もう自慢ばかり。


るい、どうしたの?寄りかかってきて、

るいも、そんなに甘えたいのか?可愛いな。

ユキが見てるぞ。珍しいけどな、こんな、るい。


【涼…ちゃ…ん〜】


おいおい…なんだよ、るい。俺がユキのこと可愛がるからヤキモチか?


【涼…ウェ、ゲー………!!!!!】🤮


あちゃー、俺の服に…最近こんなのばっか…


近くにシャワーない、まいったなー。






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