第15話 夏の思い出

【るい、そろそろ出るよ】


【んー、眠たいなー、もう】


【早くしないと】


【解ったよー】


【ほら、布団から出て!】


るいの布団を取り上げた。るい、寝ぼけてる。

ぼーっとしてる。


今日は海に。夏の楽しみ=海。


【涼ちゃん、水着がみたいんでしょ!】


【違うって、海が好きなんだ。夏の海がさ】


【違うって否定されるのもなー、何かヤダ!】


もう、面倒だな。るいも楽しみにしてたじゃん。


【とにかく出発、急げー!】


電車に乗り、とにかく早く着きたい。

少しでも長く海にいたい。


到着したら、もう大混雑。

とりあえず、着替えも一苦労。海の家大混雑。


【だから早くって…るい、遅いから】


【私のせい?】


【まぁ、とにかく海の家並ぼう、仕方ない】


【私は先に行ってるね~】


おい、水着にならないつもりか?そりゃないぞ。

えっ、いきなり👕脱ぐな~~!!


【るい、ちょっと待て!】


俺が慌ててタオルを出して、るいを、間に合わない!

何考えてんだ!るいーーーーー!

あっ、水着。着てきたの!あー、びっくりした。


【涼ちゃん、急いで!】


俺も着てくればよかった。とりあえず並んで着替えるしかないな。少し時間かかるな。


着替えて、るいと合流。るい、目立つな。


【大丈夫だった?男、声かけに来なかった?】


【来たよ、断った。主人がいまーすって、

人妻でーすって】


その言い方もなんかなー、るいは童顔だし、

男ウケいいんだよな、これも、悩み。

本人は何にも気にしてないけど。


【涼ちゃん、朝食べてないからお腹空いたね】


【なんか買いに行こう!一緒に。るい一人に出来ないからさ。心配で心配で、とりあえず👕来て】


【涼ちゃんー、いつも心配してくれるの嬉しい♥】


焼きそば、とうもろこし、イカ焼き、飲み物などなどたくさん買って、戻り二人でがっつく。


【何のために海に来たんだろうね?食べに来た?】


るいには、言ってないけど、そろそろかな?

もう来るとは思うけど…

おっ、きたきた。るいびっくりするかな?


【アチッ、涼ちゃん取って取って!】


るいの太ももに、イカ焼きが…るい。両手にとうもろこしとイカ焼き持ってる!そりゃ、取れないね。

少し太ったかな?るい。


【ドジだなー】


るいの太ももにちょっとドキッ!水着だし。


【くすぐったい、あっ!もー、涼ちゃんーー!】


るいの太ももに触れてしまって、とうもろこしを落とした。俺まだ食べてないのに…


【なーに、イチャイチャしてるの、お二人さん】


さきが来た。事前に呼んでおいた。

俺は知っていたが、るいの手前、一応驚いた。

さきも、頼むよ、演技。 


【さきさんも来てたんですか?、るい、びっくりだね。こんな偶然…】


言い終わる前に、さきが、


【涼〜、何がさきさんだー、ゲップ!…】


うわ、酒クセー、こいつもう飲んでんのか?


【るいー、オイル塗った?足、焼けちゃうよ、

ゲフ!、ほら涼も、塗ってあげる、ゲップ!】


絡むな…、想像以上に面倒だ。さきの友達も何人かいるな。男もいるな。さきが連れてきたのか。

何人かと言ったけど、るいの水着見せたくないな。


【るいちゃんだ。おっ、旦那さん?初めまして】


なんか気さくに話しかけてきたぞ、この男。

職場の同僚か?


【涼、こいつ、るいに告った、新人、ゲーープ!】


何ー、こいつか!るいに!ふざけやがって!


【違うんです、ごめんなさい。旦那さんがいるって知らなくて。すみません、本当に】


まぁ、謝ってるからな。ほっておこう。


さき、るいに絡んでる。


【さき、お酒臭いー、どんだけ飲んだの?】


【るい、涼、飲もう、あっちにみんないるからさ。ほら、るいも行こう!酒たくさんあるよ】


【さきさん、酔いすぎで、海は危ないですよ】


【涼ーーーーー!何へんな話し方してんだ。ほら行くよ、さっさと来い!】


さき、最悪だ。とんでもねー酒乱。

この前の電車で会った人とは思えない。


ん、るい?どうした。少し怒ってる?むくれてる?


【涼ちゃん、さきと何でこんな仲なの?】


さきが、すかさず、


【だって。この前電車停まってねー。涼】


さき、しゃべるな!これ以上は…マズい!

とりあえずさきの口を手で塞いだ。


【涼ちゃん、何、電車って?聞いてないよ】


うわー、怒ってる!ヤバいなー、もう、さき!

何考えてるんだ!酒グセ悪すぎだ。

とりあえず返そう。駄目だ、こいついると。


【おい、そこのるいに告った青年!さきさんちょっと連れて行って、後で行くから】


【解りました、行きましょう、さきさん】


【おー。青年、よく見るといい男だねー、抱っこして連れてって!】


【無理ですよ、さきさん、しっかり歩いて!】


【涼も来いよー、るいちゃんもね!ゲボッ!】


うわ、大丈夫か?さき、吐きそうだ。

ゲボッって何だ?近寄れないな。


るい、怒ってる。どうしよう。


【さきさんって、酒グセ悪いんだね】


こっち見てくれない、るいー。


【知らない!涼ちゃんの馬鹿!女好き、最低人間!】


怒らしたよー、もう、さきのせいだ。

こんな予定では無かったのにな。


【ごめん、詳しく説明するから、聞いて】


【じゃ、簡単に言い訳して、言い訳聞くから!】


言い訳前提ですか…、まあ、いいや。


【さきさんと偶然、電車で会ってね、その時、あっちこっちで電車止まってさ。るいがミーティング遅刻したときのこと】


【だからさ〜なんでそれが涼って呼ばれる訳?】


【待って、これから説明するから。その時に喫茶店で話して…】


【さきと二人で!喫茶店?それおかしくない?】


【もう〜、仕方ないだろ、電車止まってるし、どうすることも出来ないんだからさ】


【どうすることも?何するつもりだったのかな?

さきと?】


駄目だ、何言っても…仕方ない。言うしかない…


【るい、TAの話だよ。時間軸調整課の】


るいがびっくりして、急にじっと見つめて…


【さきから何聞いたの?】


【るいの判断とか、今後とのこととか…】


まずいな、このタイミング。さて、どう凌ぐ?


【私はさきに言ってあるから。変わらない。涼ちゃん何聞いたら解らない、何を言われて、どんな説得されてても変わらない。以上です】


【うん。るいの判断に何も意見しないよ、るいのことだからね。だから、多角的に考えて決めて、それを尊重する】


【涼ちゃんといたいんだ、ずっと。お爺さんお婆さんになっても】


【俺もだよ、るい】


【だからね、さきが涼って呼んでいるのを見て

ムカついた。すっごくムカついた!でも涼ちゃん、浮気するタイプじゃないし、さきのことだから、涼ちゃんを信じる。これからはちゃんと話して】


【解った。必ず話す。ありがとう。るい、解ってくれて】


【さき、あの性格でしょ、職場でも勘違いする男多いんだよ。涼ちゃんは違うよね?】


【るい、俺がるい以外に誰か気にすると思う?、ある訳無いだろ!】


【うん…涼ちゃん、やっぱり大好き!】


うわっ、誰だ!?、重っ!


【おーい、なんで来ないんだ、ウゲッ~!】


吐いたぞ、こいつ、ついに。もう、絶対に誘わない。


【うわ!涼ちゃん、急いでシャワー!】


さき…お前ーーーーー!







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