第431話 桃子曰く「言わないだけで皆百合♪(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」*桃子の主観です

 これから先、小麦に詳しく説明されずに話は進むが、小麦が真央に連れてこられた豪邸の主である梅沢桃子は、百合漫画界のカリスマと呼ばれる美人漫画家である。そしてあらゆる分野に広い知識を持つ、オールラウンダー(オタク)でもあった。好きこそものの上手なれ、桃子はやりたいことをやっていたら大金持ちになってしまった上に、最愛の彼女までも手に入れた大輪の百合なのだ。美しい顔立ち、凹凸のある素晴らしいスタイルに才能。誰もがうらやむであろう梅沢桃子は、ちょっと引くレベルで癖が強かった…


「小麦ちゃんってゆーんだ?かわゆいね。ねーねー、お肌ツルツルだね?触ってもいーい?(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)お金払うからほっぺすりすりしてみていーい?」


「え、嫌です。あの…その前に、、ここは一体なんなんですか?」


 大きなリビングのソファには、小麦の目の前に数人の女性が座っていた。どの女性も見目麗しいが、小麦を品定めし始めたのは2人組の外国人女性だった。


「ふーん、理由がわからないと納得しないタイプか。若いネ。」


「0か100かってタイプね。まだ青いネ。」


「はい?貴女達は一体…。」


「桃子が紹介するでござるよ!しゅべしゅべ!この2人はフランスから来た桃子の友人で、アシスタントしてくれてるの。マシュマロ!!(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」*承諾を得ずに小麦のほっぺたを触る桃子氏。


「アシスタント…?」サワラナイデ…


「うぬ。わいはこう見えて漫画家でござるよ!売れっ子ちゃんなの。ここには3人のアシスタントが一緒に住んでいるのだよ(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「そうなんですか。私も知ってる漫画ですか?」


「その感じだと知らないでござろーな!なにしろ拙者の漫画はぴゅあっぴゅあの百合でござるゆえ。(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」ムフーッ


「百合…。百合ってなに?真央ちゃん。」


「あーっと、百合というのはぁ〜、まぁこの部屋がまさに百合、かな?女の子と女の子の恋愛を描いた作品のことね。」


「むふ。この2人はカップルでござる。リアル百合でござるよ!(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「え!?付き合ってるんですか!?」


「いえーい、パリから来ました。カップル、デェース!ケスクセー!クロワッサーン!」*日本人を揶揄うときのマチルドさんの口癖。


 フランス人のマチルドとロクサーヌ。2人は日本の百合漫画に魅せられて来日したガッチガチの百合パショニ(愛好家)カップルなのだ。2人は自身の漫画を描きながら桃子のアシスタントをして生計を立てている。


「真央ちゃんと晴ちゃんも、カップルなんだよね?じゃ、じゃあ、桃子さんとその隣の女性は…」


 小麦はまだ一言も話さずにヘッドフォンで音楽を聴いている女性を見た。小麦がいてもまるで興味がなさそうな独特の雰囲気を醸し出している。もしかしてこの人は桃子さんの恋人なのか…?


「んにゃ。友美は桃子の彼女じゃないよ!アシスタント!友美には寿子って彼女がいるけど、今はラジオでDJの仕事してていない〜(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「桃子さん。聞こえてますよ。別に付き合ってません。仲は良いですけど。」


「いずれにしても…、皆さんがお付き合いしてるのは、、」


「うん、みーんな、女の子たんが好きなんだぉ♪桃子の奥さんもすぐ来るよ!ペットの散歩に行ってるから。そばにいるだけで関節が溶けたうくらいかわいこたんだよ!(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「奥さん!?」


「うん。ああ、桃子たちはね、海外で神前結婚してるから。人間に認めて貰う必要ないの。日本の法律はどうでも良いの。桃子が夕を奥さんだって言えば奥さんなんだ!夕も桃子のことを奥さんだと思ってるしね♡(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「なんだか、、よくわからないけど…。あ、皆さんがどうとかでなくて、、知らない世界すぎて頭が追いつきません。」


「わかるわかる。いーのよ。知らないことは今から知れば良いのでござる。ま、お茶でも飲んで落ち着きたまえ。ねぇ、ベビーオイル塗ってみてもいい?(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


 桃子がそういうと、家政婦らしき年配の女性が小麦の前に紅茶を出した。そして桃子にベビーオイルを渡した。おずおずとティーカップを手に取ると、小麦は熱い紅茶を少し啜る。*そして嫌がらせを受ける。ヌリヌリ


「うわ、おいしい…」ヤメテッテバ‼


「でっしょー?桃子さんは食べ物にはうるさいからね!真央わたしも晴もここでよくご飯食べさせてもらってるんだ!」


「へぇ、、あの、なぜここにはその…女性のカップルが集まって…」


「着眼点100点!おめめてんてーん!天ぷらうっドーン!!それはね!百合は百合畑に咲くものだからにきまっt、いてっ!」バコッ!


「何言ってんのよさっきから、初めて来た子に!」


「いてて、あ!夕〜♡おかおかー♡(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」


「少し前から居たわよ。ごめんね、変な人たちばっかりで。ここは私だけがまともだから私に聞いてね。」


「貴女が、桃子さんの、、」


「まぁ、恋人というか伴侶ね。夕です。真央のお友達かな?」


「はい、クラスメイトです。今日は無理矢理連れてこられてお邪魔してます。」


「なるほど。真央?なんで無理矢理連れてきたの?明らかに戸惑ってるよ?」


「だってぇ~。小麦ちゃんは学校で女の子にモテるの。だから、ここに来れば、」


「察した!きゅぴーんでござる!!真央氏は小麦氏におんなのこたんの素晴らしさを伝えたかったのだな?(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)」エライエライ


「桃子!あっち行ってなさい。」


「え~、やだ。もっと話した、いたい!わかりました行きますからほっぺつねらないで癖になるからああん!!夕のドS~!」ワァァァン


 この屋敷に来たことは、小麦にとって異次元でしかなかった。真央の思惑は逆効果に近かったが、桃子が退散したことによって革命が、、起こるのだろうか、、


 なんなら、ぴよりと仁映の恋愛を見ている方が、百合に対する印象もマシな気が…。ソウカ??


 続く。

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