第396話 いつまでこの甘やかしが続くかちまたでは賭けが。
ひよりが大学に入学してから、なんやかんやと1ヶ月が過ぎていた。
新しく出来たひよりの友人、振り切り女の仁映と振り切れない女の笑美。この2人の恋のお陰で、騒がしくも脇役に徹していたドライな塩ポテト美人の由奈氏。1番美人なのに扱われ方が雑なのはなぜだろう?
だが…実はそんな残念な由奈にとって、4月はぴよりの大学入学よりも大事なイベントがあったんだ。それは…ぴよりの19歳の誕生日だ。
ひよりが話す?あ、バウムクーヘンの皮を1枚ずつ剥がして食べてるのね?それ忙しいね!かわいーねぇ!ゆっくり食べてね♡チビチビモグモグウン…
じゃ、由奈氏が話すけど…、すごく大変だったらしいよ。
由奈、いきます…。ゲッソリンチョ
アレは…ひよりが大学に通い始めてすぐだった。まだ桜も咲いていたっけな…。
「さん、にー、いち、ぜろ!誕生日おめでとう!ひより!じゃじゃーん!」
「わぁい!由奈さんの手作りケーキだ!♡ごいごいすーだ!♡」ドッタンバッタン
「こら、飛び跳ねるのやめて。この前も下の部屋からクレーム来たんだからね。」
「ごめんちゃい!だって、嬉しいんだもの!!」ジャ、コロガリュー!ゴロゴロゴロゴロゴロ
「あはは…。ま、約束だからね。」コロガルナ!
ひよりの10代最後のバースデーだもん。ばっちりお祝いするつもりだったよ。
まぁ?大学生になったことだし、プレゼントは服とバッグとアクセサリーで決まりだったね。これでまた、私好みの良い女になったと思う。幼いとエロいのダブルパンチだ。*甘やかし過ぎ疑惑。あとちょっと変態。
ひよりのリクエストは、2人だけでお祝いすること。かわいっ♡言うことがマジかわいい♡
それと、私の手作りケーキだった。何味でもいーよ!チーズケーキが好きだけどね!とか言って、ちゃっかり指定されたけど、それもまたかわいい。あーかわいい♡
日付が変わるとともに、ベッドで抱きしめながら、おめでとうと言うつもりだった。宇宙に飛ばしまくって2、3日はそれしか考えられないくらいには快楽をプレゼントして。それで当日の夜にパーティーをしようと思っていた。しかし…困ったことにひよりは言ったんだ。
「ぴより、生まれた時間にお祝いしてもらったことないから由奈さんとお祝いしたい!」
「え?良いけど、何時に生まれたの?」
仕事のできる人間として、ありえないミスをしてしまったんだ。これがビジネスじゃなくて本当に良かったと、胸をなでおろしたよね。。
何時に生まれたのか先に聞くべきだった。それから返事をするべきだった。なんなら、ご両親にリサーチしておくべきだった…。
「ふふふ〜!良くぞ聞いて下さいました♡奇跡の天使ちゃんぴよりが生まれたのはー!なんと!」
4月4日、4時44分だったんだ…。
「あ、明け方じゃん。。。。」
「早くねんねして早く起きたらへーきだよ!」
そりゃお前、、いつも朝はアラームなしでも起きられる元気児童だから言えるんだよ。。私は朝が弱いんだ。っていうかよく考えてみろよ。その時間にお祝いするってことはもっと早く起きて準備しなきゃ、、って言ってもひよりは正論で納得するタイプじゃない。だから考えたよね。寝ないで起きていれば良いんだって。
「わかった。じゃあ、前日は早く寝るんだよ?」
「あいっ!エッチしないで寝まっす!!」
これで私のスケジュールはほとんど変更になったよね。ていうか平日だったんだよ。しかも誕生日の前日が水曜日。知ってる?水曜日って前回のお休みで貯めた体力が減ってきて、次回のお休みまでまだ2日も働かなくちゃいけない一番だるい曜日なんだよ。
寝ないで挑んでも、早起きしたとしても、あと二日働くなんて考えただけでゾッとしたね。で、有給取ろうと思ったよ。だけど有給とって休んだとしても、寝不足は解消できない。なぜなら、絶対にひよりが一日中付き纏ってくるし、エッチの回数記録更新とか言い始めるからだ。あの子の一族は体力が化け物だからね。
だから私は考えたんだ。前日は、ひよりが寝たら準備を始める。22時くらいに寝かしつけ(エッチ)して、23時には寝かせた。それからすぐにケーキを焼いて、豪華な朝食を用意した。リビングには誕生日プレゼントを並べ、海外のクリスマスみたいに飾ったよね。
「ひより、起きて。」
「すぴごっっ!!?」
「あと5分で生まれた時間だよ。おいで、抱っこしてあげるから。」
私は寝起きのひよりを抱き上げると、大物が釣れた釣り好きが記念の写真を撮るように、ひよりを抱えてリビングまで運んだ。
「・・・ゆな、、しゃん、、ひよりまだミッキーと写真撮ってないよ、、」
「ランド行ってたんだね。さ、着いたよ。ここも夢の国だよ?」
夢を見ている途中で起こされたぴより。しばらくぼーっとしていたが、リビングのサプライズを見て覚醒した。*由奈に抱えられたままビチビチした。ビチビチビチビチ!
そして、4:44ジャスト、無事にお祝いできたというわけだ。。
「さぁ、久しぶりに腕を振るったよ。食べる?って…もう口の中になんか入ってる。笑」
「あーあげもぐ、ふまい〜ごくん。」
「ひよりの大好きなものばっかりだよ。唐揚げと卵焼き、エビまよとカルボナーラ。リクエストのチーズケーキといぶりがっこ・・・」
「ゴーイ!ゴイゴイがスーです!!今すぐお礼のキッスを!!」ンニュゥ
「唐揚げの油がべったりついてるからあとでね。」
「わざとですがなにか。」ブッチュウゥゥゥゥゥゥ!チュバッペロペロ
「うわ、やめろぉー!あはははは!」
と、こうしてまだ薄暗い明け方に、ひよりを満足させるためにギアをトップにいれて走り抜けたんだ…。全力ムツゴロウ。
「ふぅ。お腹いっぱーい!学校から帰ってきたらまたケーキ食べるから!取っておいてね!?」
「食べないって。私だって仕事行くし。」
「由奈さん、いつものお仕事行く時間過ぎてるけど、、大丈夫??」
「ああ、今日は会社に行く前に打ち合わせを入れたから。少しだけゆっくりなんだ。ひよりが学校行ったら私も行くよ。」
「一緒に駅まで行ける??」
「あ、ごめん。支社とテレビ会議してから行くんだった。いつ終わるかわからないから先に行って?」
「なんだぁ。一緒に歩きたかったな。ショボ━(´・ω・`)━ン」
「また夜にね。夜もパーティーだよ。」
「あいっ!わかった。いってきまっちょ୧(⑉•̀ㅁ•́⑉)૭✧」
やっと、、居なくなった。。*ひどい。
やっとひよりが学校へ行った。な、長かった。。も、もう限界だ。昨日も仕事だったのに一睡もしていない。こんなんで仕事に行けるかっつーの。今日は有休使ったっつーの。でもひよりにないしょだっつーーーーーーーーの!!!コレもひよりのためだよ。
「さぁ、寝るか・・・。」フラフラ…
起きたら続きも話すね。グゥ…
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