第392話 パンのPR大使で良くない??
「おーっ!ピーナツバターパン、最高〜!ひよりこれ毎日でもいーなぁ!♡」
「そうかぁ♡あと30本あるから全部食べていーよ!なんつってなー!」
「店長、パン焼くの上手〜!ウケる〜!」
「おいおーい!やめろよぉ〜!てか店長じゃなくてもはやパパって呼べよ、ぴよちゃん!」
「えー、キモい〜!冗談は焼き色つけるときだけにしてぇ~!上段ってなぁ!」ゲラゲラゲラヒャハハハハ
ひよりと笑美がパン屋に着いて、およそ20分が経とうとしていた。パンは人と人を結ぶのだろうか…。いや、ただ単にひよりはパンを食べさせてもらえて上機嫌に。そしてオーナーは単にひよりを子ども扱いしているのだろう。しかし、笑美は思った。
(こいつら、酒でも飲んでいるのか??もしくは前世から知り合い??)
普段からテンションが一定の笑美には、理解しがたい光景。そして、気になるのはここに小麦ちゃんがいないことだ。
「あ、あの、ところで今日は小麦さんは…?」
「あ、娘?あの子、ああ見えて受験生だからね。」
「あー、3年なんですか?塾ですか?」
「うん。リフレッシュのために犬の散歩に行ってるよ!終わったら来るよ!」
「あ、勉強じゃなくて…。」ン?
とそんなことを言っていると、ちょうどひよりがピーナツバターパンとジャムパンを食べ終わり、牛乳を飲み干した。この子はお腹がいっぱいになると眠くなります。トロンとした目でゆらゆらしだした奇跡の自由児を見て、履歴書を置いて帰ろうと笑美が言いかけたその時、、
「はっ!?イッヌだと!?何犬ですか!?ピヨリワンコダイチュチ!!」*突然の開眼。
「うそっ、起きた!?」
「聞いて驚くなよ!?小麦が飼ってるから名前が蕎麦子なんだ!!」
「えーっ!どっひゃぁぁ!そりゃセンスの塊だぁぁ!しょぇぇぇぇ!」*うるさ
「だっろー?しかもグレーなんだぜ?」
「何犬か答えてないしー!笑」ダーッハッハッ
どっかーん!と笑いが起きてしまったのだった。言えねぇ。もう帰りますとは言えねぇ。だって笑美はそんなに内臓タフじゃないもの…。底なしに笑美だけが困っていると、ついに小麦の声がしたんだ。
「ただいま〜。蕎麦子、家に置いてきたよ〜。」
「おうー、ごくろーさん!」
「あ、来てたんですね。こんにちは。」
ペコリと頭を下げて、小麦は笑美に挨拶をした。仕事前だからか、メイクはしていない。しかも一度家で着替えたらしく、黒いジャージに上は大きめのパーカーを着ていた。萌え袖バンザイ。
笑美、イキます!
な、なんということ…。コックコートでカッコよさを見せつけて…、女子の制服で可愛さを見せつけたというのに、、さらには普段の気を緩めた格好までっ!!と、尊っ!!
なんということだ!ダルそうな感じがたまらないっ!!それにっ、犬好きなんて!!私っ、犬飼ってるし!共通点あるし!!デート散歩で間違いないしっ!!!!!!
くっ、意識したら顔が見れないっ、、いや、こんなんじゃバイトなんてできないだろ!笑美っ、しっかりしろ!由奈さんの教えを思い出せっ!!ちら。あ〜、やっぱり好みかも〜!!!!!
笑美「こ、こんに、ちは…。り、履歴書を…」
ひより「こんにちは!ひよりです!一番好きなパンはパン・オ・ヴィオニエです!♡」
小麦「え、マニアック!良く知ってますね!ていうか可愛らしい!笑美さんの妹さん?」
オーナー「バイト希望の友達だって。ヴィオニエはさっき教えた。」
小麦「は?じゃあ大学生ですか!?」
ぴより「ほわ〜!ねぇ、笑美ちん!この人、言ってた通りイケメンだね!塩パンみたい♡」
笑美「キャアーーー!!何言ってるの!ひより!!」
ぴより「ん?イケメンで塩パン風味…。あ、これ言っちゃだめだった?」メンゴ?
笑美「違います!私じゃなくて!その、仁映がっ、その…」
オーナー「ぴより。塩パンもあるよ。食べる?」*もう呼び捨て。
ぴより「え、食べるー!♡」*もうタメ口。
笑美「え、まだ食べるの?本気でお腹痛くするよ??あとさすがに太るんじゃ、」
ぴより「うぅ…がまん、しよっかな…(´ . .̫ . `)」ナイチャオッカナ
オーナー「食べろよぉー!よく食べる子がモテるんだぜ!?」
ぴより「ほ、ほんと…?じゃ、食べよっかな??」イーノ?
オーナー「足りなかったら焼くからっ!お願いだから泣かないで!!」
小麦「すみません、笑美さん。この人は本当に同級生で…?」
笑美「あ、はい。すみません。」
小麦「バイトは…ちょっと難しいんじゃ…。」
ぴより「え?」モグモ…グ?
小麦「すみませんけど、夜のシフトに入れたらうちの店が警察につかまりそうで…」
ぴより「19歳ですが。もぐもぐ。パン美味しいですよ?」
小麦「うーん………。いや、どーしよっかな。実を言うと、3人雇ったらさすがにシフトがいっぱいだから、やってくれる人がいれば私の家庭教師を頼もうかとも考えていたんですよ。」
笑美「えっ!か、家庭教師っ!(2人きり!?やりたいでもむりでもやりたいむりむりたい!)」
ぴより「カテキョ?ひよりやってもいーですが?」
笑美「ひより!待てっ!ハウス!!」
ぴより「わう!!??」
笑美(ここは私に譲るべきだろ??)目配せ
ぴより(トイレ行きたいの?行ってきな?)うんうん
笑美(ありがとう。私頑張る!)にっこり
ぴより(ひよりもトイレ行きたいから早くね?)にっこりんちょ
笑美「わかった、頑張るね。」ガッツ
ぴより「え、便秘!?」驚き
笑美「うん、元気!」ファイテン!
ぴより「お腹さする???」大驚き
笑美「え、なんで?????」大驚き・改
小麦「何この人たち…。」
噛み合わせわっる…。笑
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます