第333話 ドMのMは、もっと・まだ・むりぃぃぃ!のMなの

「ち、、ちろる…。」チイセェ・・・


 お風呂から出たら、由奈さんからのバレンタインチョコがある!初めて好きな人からもらうバレンタイン。そんなスパイシーなソルト強めのサプライズに興奮せずにはいられなかったぴよりは、眼の前の光景を受け止めきれなかったんだ。だって…テーブルの上には一口サイズのチョコが一粒しかなかったんだ。信じられっか!!


「あ、これはただ置いてあるだけか。ビックリした。。テーブルの上に置いたって聞き間違えたかしんない。えへへ。あーびっくりした。」ハテ?


 とりあえず、チロルをペリッと包装剥がしてポイッとお口に放り込んだぴより。


「あむあむ。。まいうーでござる。じゃ、冷蔵庫かな?」


 ひよりは恐る恐る、冷蔵庫を開けた。そして今までにないほど頭を中に入れてチョコレートを探した。まよねいずさん、こんにちは。おじゃましてます、お味噌さん。わさびさんは、また今度ね。


「おかしい…。ないよ??これ?あ、これはカレールゥだった。あはは…。」


「あ、ひより。もう食べちゃったの?チョコ。」


「あ、由奈しゃん、。んーん。みっかんないの。どこに隠した??」


「テーブルの上にあったでしょ??」


「え…チロルしかなかったよ?ひより、パクってしたよ?」


 駄目だ。これ以上聞いてはいけないとひよりは思った。現実を受け入れたくない。ちょうど冷蔵庫の中になぜか2つあった山伏茸を、両耳にあてた。ヘッドフォン!!ソウチャクッ!


 由奈は笑いをこらえながら、優しくひよりの山伏茸を取り上げると、冷蔵庫にしまう。これは明日のお吸い物に入れようね。

 そして、わらび餅ほっぺたをぷにゅっと指でおすと、、(ノ)ω(ヾ)モチモチ…


「ひよりの願いを叶えるには…あと6つのチロルを集めないといけないんだ。」


「しぇ…しぇんろん…しぇんろんなのね?」


「うん。チロルにヒントは隠されている。じゃ、シェンロンはドライヤーかけてるから頑張って探してね。」


「!?…わ、わかった!がんばる!!」ムンッ


 お風呂上がりの由奈氏は、ゆったりと腰を掛けてドライヤーをかけた。だって由奈はチロルの包み紙を開けるとヒントが現れるとってもわかりやすい仕組みをしていたんだ。ひよりは一人で謎を解かなければならない!迷探偵ピヨンの迷推理の始まりだ!


「早くっ!謎を解かなければ!!エッチする時間がなくなったう。エッチしたい!えーと、テーブルの上にはチロルが一つおいてあった。ちっちゃいチョコ・・・あ、これをひよりのちっぱいだとすると、あと一つは近くにあるはず!」*残念すぎるエッチのことばかり考えた末の邪推理


 ひよりはテーブルの裏を見た。やっぱり!テーブルの裏に一つ貼り付けてあった!*たまたま見つけた野生のぴより。


「あっ!あった!!あったよ!由奈さん!!!!」


「お、すごいじゃん。あと5つ。がんばれー。」ブォー


「わかった!ひよりのちっぱいがヒントなんだね!!」*違います。そしてドライヤー中の由奈には聞こえていなかった。


 ひよりは勢いよく寝室へ。そしてタンスの引き出しを開けた。ひよりの下着入れだ。Aカップのかわいいブラと一緒にチョコがあるはずだ!!


「ここだぁ!!…あれ?ない?」


 おかしいなぁ?と思いながら、引き出しをもとに戻すと、その勢いでタンスの上から3つ目のチョコがコロコロっと落ちてきた。


「見つけた!!!!なんて手が込んでるんだ!インディー・ジョーンズみたいだ!うぉぉ!興奮が止まらないぜ!!」


 もう、ひよりはすべての謎が解けた気がしていた。ひよりがちっぱいを育てるために毎日飲んでいる牛乳が怪しい!走ってキッチンに行くと、また冷蔵庫を開けた。


「きっと、牛乳パックの下だね!だからさっきは見つかんなかったんだ!!」


 ガバっと牛乳パックを持ち上げて、下を見た。しかし無い。パックに貼り付けてあるか見ても無い。ついに迷宮入りかと思ったその時。興奮して喉が渇いたぴよりは牛乳を飲むべくコップを取りに行った。すると!


「あっ!見つけた!!食器棚のコップの中にあった!なんて難しい謎解きなんだ!!ひよりじゃなきゃ解けないよ!!」*純粋無垢


 あと4つだ。ひよりは牛乳をぐびっとキメると、ニヤッと笑った。


「しゃん、、ぴよりはもうわかっちゃったよ…。2つでセットなんだ。」パイトパイ・・・


 ひよりは食器棚に必ずもう一つあると疑わなかった。一つずつ、お茶碗やコップの中を調べるぴより。


「ない…ここにもない…。ないよ!ないよないよないよ!!」*うるせぇ


 見かねた由奈は、ドライヤーを止めて、ひよりに声をかけた。


「ひより!そこにはもうないよ!ていうか、ヒントわかってる?簡単でしょ?」


「謎は解けてる!!でもここにはないんだね!?やるね、由奈さん!!」*解けてないんだけどな。


 こ、こいつ…絶対にヒントを見てないな、と由奈はやっと気づいた。だが、たまにはのんびりと自分のメンテナンスをしたい。ひよりを放し飼いにしたまま、由奈はひよりに無駄遣いをされないように隠していた、高級ヘアパックを持ってきて髪につけると、丁寧に髪を揉んだ。


「ああっ、髪がしっとりした。ついでに顔のマッサージもしておくかな。あ、高ヒアルロン酸のパックもらったんだった。」


 美意識の高い由奈氏。久しぶりに自分磨きに勤しむ大人時間。


「ない!ないよ!えーん!もうギブアップーっ!!」


「え?まじ?すごい簡単なヒントだったでしょ?」


「おっぱいに関わるものはすべて探した!!」


「は?何いってんの??」


「ていうかっ!由奈さんがツルピカっ!!!!なぜ!?なにその仕上がり方っ!えぐいっ!」


「あ、わかっちゃう?やっぱり自分磨きって大事だよね〜。」ウフフ


「よくわかんないけど、もーギブアップだもん!チョコちょーだい!」


「まぁ、いいけど。涙目でかわいいから。ベランダに隠しておいたんだ。行ってみて?」


「ベランダっ!盲点だった!!!!」トテテテテー!!


 ガラガラ。ベランダに続く窓をあけるぴより。冷たい空気がひよりの体を急激に冷やした。縮こまってかわいいの塊になったぴより。ベランダに顔を出してキョロキョロと見渡すと…そこにはついに、ラッピングをされたかわいい袋が置いてあったんだ。


「わぁ!なんだろ、、?やっと見つけた。。早く見たい!」


 ひよりはたまらず、部屋に入らずにベランダでラッピングを外し始めた。ガサゴソという音と、ひよりのかわいい独り言が、部屋に居る由奈に聞こえてきた。


「ぴよちゃん、寒いから部屋に入ってからにしなー?」

「やーだー!」ガサゴソ

「まったくもう。」


 ついに、袋の中を覗き込むぴより。しかし、中にあるのはなんと、板チョコが一枚。驚きすぎてお目々が飛び出しそうだったぴより。だけどもう、泣いたりはしないよ。


「しゃんっ!!もう騙されないからね!!これは、、わらしべ長者なんだね!!??」


「さぁね?パッケージを開けてみたら??」


「もう!Sなんだからぁー!困っちゃうなぁ!!もー!」


 ひよりは部屋に戻ると、つるぴかにメンテナンスされた由奈のお膝の上に座った。


「わ、冷たい。風邪引いちゃうよ。」


「板チョコ開けたらなにがでてくるのー?」


「なんだろうねー?」


「では、開けます。。えいっ!」


 ひよりはついに、手に入れたんだ。初めての・・・本命チョコをっ!!


「メッセージカードだ!!」


「ふふ。なにが書いてあるかな??」


「読んでみよう!!チョコ美味い。」バリボリバリボリ 


「ねぇ、今日甘い物食べ過ぎだよ。明日にしなよ。」


「えっと、ご招待券って書いてある!・・・スイーツ、、食べ放題!!??」


「あはは。ホテルのスイーツバイキングに行こう。ひより。」


「どっひゃぁぁぁぁ!うぉぉぉ!!ひぇあーーーー!やっふぅぅぅぅ!!」*まじうるせぇ


「嬉しい?」


「あいっ!ひより、由奈さんからチョコもらいたかったけど、、チロルと板チョコもらったからいーや。バイキング楽しみ~!!」


「そっか。じゃあ、これはあげるのやめよっかな??」


 皆さん。ドSのSは、塩のS。ソルトのS。そして、佐々木のSなんです。どこまでもSな佐々木由奈は、隠し持っていたチョコレートをついにひよりにちらつかせました。


「ええええっっ!!まだあったの!!?やだ、やだやだ!!ちょーだい!!」


「あはは、じゃああげるね。どうぞ!」


 包み紙を丁寧に剥がすぴより。ドキドキが抑えられない。ほっぺたを赤くして、ようやく中身を見ると、有名ショコラティエのカラフルなチョコレートアソートだった。


「しゃ、しゃ、しゃんぼーる・・・えばぁぁん!!高級チョコレートじゃないですか!!?」*ひよりには発音ができませんでした。


「あはは。だって、ひよりの初めての本命チョコだって楽しみにしてたでしょ?」


「ううっ、、嬉しい!!も、もったいなくて、、食べられないよ・・・。」*そして1つパクッといったかわいいの塊、ぴより。オイチイ‼


「さ。じゃあ、私もひよりも整ったことだし。そろそろ、、」


「もごもご、、ん?なぁに?って、ひょわっ!!???」


 ひより、イキます!!!!!!!!!


 え、ええ?由奈さん??ひより、まだお口の中に高級チョコが入ってるんですけれど??お姫様抱っこ、ありがとうございます!ちょっと、急だったんでびっくりしましたがぁぁぁぁぁ???あ、これ、ベッドに行く感じですね??


 っていうか、由奈さん最近腰が辛いって言ってたけど、、大丈夫そ??あ、またこれですか??結構上から落とされる感じですね??どっしーんってなるんでちょっとぴよりびっくり、、って、いきなり、、


「もまれーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!♡♡♡」


 ああんっ!!やっぱり今日はちっぱいがヒントだったんでしょぉぉぉ????!!!つよいつよいつよいっ!!ぁぁぁぁぁぁ・・・


「つままーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!♡♡♡」


 これはっ、いつもよりも回っております!!おーめーでーとーござい、、


「まーーーーーーーーーっっっっ!!それチョコじゃないからぁぁぁぁぁぁぁん!!!♡♡♡」


 ふごぉぉぉぉぉ!!!!???あ、もう、あ、もう、あ、もう、


「下降~~~~~~~っっっ!!!!!!!♡♡♡」ァァァァァァァァァン・・・



 うるせぇ。笑

 つか、良く抱けるな。このテンションで。


由奈「あ、はい。もう慣れました。。もはや面白いです。」

ひより「ハァァァァァァァァァァン・・・」



 続く。




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