第284話 ぴよりのカノはイヤイヤ言うだけっすよ!押せばなんとかなるっす。ってスタンスであとでめちゃくちゃ怒られる女

「あーいわなぁ~にゃにゃにゃー♪おーるうぇーいずにゃにゃにゃ~♪」クネクネチャチャチャ


「お、どうしたの?ご機嫌だね?いつもより腰が入ってるよ。」


 最近、英語に力を入れている歌姫ピヨンセ。*歌詞はほとんど覚える気がない。

 上機嫌で洗濯物を干していた。ちなみにひより用の踏み台に乗っている。トドイタッ‼


「うふふー!だってぇ、由奈さんの恋人に昇格してから初めてのクリスマスなんだもん!待ちきれないわ♡」


 ひよりは靴下を干していた。由奈は深読みした。これは、、朝起きたら大きな靴下にサンタさんからのプレゼントがあるのを心待ちにしているのだと。


「そうだ!勉強はちゃんとするから、実家から飾り付けを持ってきてもいい?」


「え、うん。クリスマスの飾り付けなら、うちにもしまってあるよ。」


「ほんと?見せて見せて??」トテテテテ、ダッコ‼


「大人になってから飾ってないからね、、たしかツリーはあったと思うよ。」ヨイショ


 ひよりを抱っこして、由奈は両親が使っていた部屋の押し入れに向かう。


「おお、初めてこの部屋入った。おじゃましまふ。」


「そうだったね。えっと、確かこの辺に、、あ、あった。」


「わいわい♪ひよりが持ってく♡」


 リビングで飾り付けを全て広げてみたひより。ツリーやそれにつける照明、飾り、、少なくともリビングを飾るには十分であった。


「ゆ、な、さん??ひより、今やりたいなぁ?終わったらすぐ勉強するから、、」


「ん、まぁいいよ。ストレス溜めすぎても良くないしね。じゃあ、一緒にやろっか。」


「いいの!?やーったぁ!!」クネクネ‼ヨロコビノダンス‼


「ひよりもまだ子どもっぽいね。クリスマスでそんなにはしゃぐなんて。笑」


「あ、ひどーい。女の子はいくつになってもクリスマスは楽しむのよ?100歳になっても一緒にパーティーしなきゃダメよ??」


「そっかぁ。じゃあ、今年はどんなクリスマスが良いの?」


「そうね、、イブは2人で、チキンとケーキと、、そしてシャンパンを、、見つめあい、グラスを傾けて愛を語り合うの♡」


「ああ、ひよりにはシャンメリーだね。わかった。」


「ええ、ひよりも本物飲みたい~。萠えドシャドン飲みたい〜!」


「なんだそれは。だーめ。シャンメリーだって、美味しいのあるよ?探しておくね。」


「ちぇ。ひよりは大人の味覚だかんね!?」


「てか、家ですごしたいの?どこかに行ったりは?」


「ううん。ひより、受験生だし。初めての由奈さんとのクリスマスだから、二人っきりでここで過ごしたい♡」


「わかった。じゃあ、二人っきりですごそう。」


「うん。あのね、特別なプレゼントもいらないからね?ひよりはまだお返しがあまりできないから。でもね、ケーキは美味しくて大きいのが良いな♡」


 ああ、なんて健気でかわいいんだ、ひより。もちろん、ひよりが気に入りそうなケーキを準備するさ。私だって、ひよりとの初めてのクリスマスは楽しみなんだから。それに、プレゼントだって、私がかっこつけたいからそれなりのものを贈るつもりだよ。


「そっか。苺がたくさん乗ってるやつにしようね。」


「うん♡ひよりはね、由奈さんがいて、一緒に美味しいご飯を食べるのがいっちばん幸せよ♡」


「ひより・・・」トゥンク・・・


「あ、由奈さん、、まだダメよ。飾り付けの途中だし、、勉強もしないと、、あん。」


 ムードばっちりでキスをかました由奈氏。唇を合わせながら、ひよりの上着の中に手を入れたが、、


「そっか。そうだね。よし、飾り付けしよ。」


「えっ!おかしいな!ここは無理矢理押し倒される寸法だったんだけどな!ダメよ~ダメダメからのぴより宇宙の旅だったんだけどな!?」


「だって、受験生だからね。ひよりが。」


「ええ・・・ぴより、その気だったのに。。この火照った体をどうするのよ!」アアン・・・


「早く飾り付けをして、勉強も終わったら考えなくもない。」


「え、じゃあがんばる。むんっ!」チョワー‼


 寝る前のエッチを鼻先にぶら下げた人参のようにして、ひよりは高速でクリスマスの飾り付けを始めた。ツリーを飾り、ライトを点灯させると、部屋中にキラキラしたモールを飾った。そして、最後に手元に残ったのは、、


「由奈さん、リースはどこに飾るでしょうか!??」

「そうね、、玄関じゃないかな。」

「ふっ、おやびん。侮ってもらっちゃこまりますぜ。。」

「ん?なんのこと??」

「ふふ、ここにあるリースは、、宿り木です!」

「詳しいね、すごい。」

「宿り木とは、恋人達がキスをする場所なのです。」

「ああ、宿り木の下でって話ね。」

「ひよりは今日、ベッドの上にこれを飾ります♡」

「ああ、そういうこと。天井に飾るの??」

「うん。だから背が届かないから一緒にやって!」

「わかったよ、、」


 2人は寝室に行くと、ベッドの上に踏み台を置いた。

「由奈さん、やって」

「まぁ、そうだよね。支えててね、、よいしょっと。」


 由奈でぎりぎり手が届く天井に、とりあえずガムテープで宿り木を無理矢理つけることができた。寝ている時に落ちてきそうでこわい。

「よっと、、これが限界だよ、、。これでいい?」

「はい。ばっちりんこです♡あとは??」

「え、あとは??」

「ほら、お忘れでは??( ˘ ³˘)ンニュ」

「ああ、(。•з•)♡(•ε•。)チュ。これでいい?」


 それで終わりなわけがないだろがーい!!とひよりは頭の中で叫んだ。そして、由奈が踏み台から降りようとした刹那、ひよりは苦し紛れの領域を展開。


「せい、やぁっ!」

「え、うわっ!!」


 ひよりは足払いからの下段突きを由奈にキメると、ベッドに倒して羽交い締めした。ぴより最強説、健在っ!!


「1回だけ、1回だけぇ!!!」*ひどいセリフ

「ええっ、、約束がっ、ちがうっ!あっ♡」

「うぉぉぉ!スイッチはいったぁ!もう止められない!!ゆなっさーーーんっす!」

「ひどいっ!そんなむりやぁぁぁぁん♡」

「これがプレゼントで良いからぁぁぁ!!!むしろこれが良いからぁぁ!!」*身体目当て感


 これが受験生ぴよりのストレス爆発による、抱かせろ覚醒モード展開であった。


 ウォォォ‼オッパイー‼エロイー‼

 オチツケー‼

 ムリィ‼‼

 キモチィー‼

 ギャワイイー‼


 ぴよりはムードよりパワー。貴金属よりエロ。怒られても本願…。


 続く。

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