第277話 とうとうテンションがひより寄りに…

「よっし!靴はこのスニーカーで決まりでいいね?店員さんっ、これ履いていきます!」


「由奈さんっ、このスニーカー履くと3センチ背が高くなるって♡」キスシヤスイカモー!!


「よかったね~!ぴより〜♡さ、次は上着を買おう。スカートに合わせて、、インナーは見えないようにして…」


「ぴ、ピッチが早いでありますな…!あ、お腹すいたもんね♡」


「そうだよ♡お腹すいたから早く決めようね♡」


 歩く迷路を連れて、靴屋と服屋を足早に廻った由奈。ビニール袋にひよりが履いていたサンダルをぶらさげている、クール系塩顔美人。さすがにその格好は外では恥ずかしいとは本人には言えなかった。


「あ、これにしよ。大きめのフリース。制服の上からも着られるし。よし、決まり。着てみて?」


「よっしょ、よっしょ。はい、着たよ♡」


「似合うねー♡かわいいよ♡」


「かわいい?♡抱きしめたくなっちゃう?」


「なっちゃうなっちゃう♡よし、店員さん!このまま着て帰ります!」


 はいっ、終了〜!!あーつかれた。これでご飯食べに行ける!…と由奈がホッとしたとき、


「はぇ?由奈さん、今日はマフラー買うんじゃなかったっけ??おそろで。」


「あー、、そうだったぁ…。そっちがメインだった。。」


「ひよりをかわいくしようとして忘れちゃったの?由奈さんたら♡」


「ひより、、もう買い物デートは十分楽しんだから、ご飯食べに行こう。マフラーは明日買ってくる。ひよりにぴったりのを時間かけてちゃんと探したいから。」


「由奈さん…ひよりは大切にされすぎよ?うん、わかった。楽しみに待ってる♡」


 ひよりは由奈の腕にしがみつくと、由奈サービスでにっこりんちょ♡って顔をした。この顔に由奈は弱いことを知っている。


「ご飯食べに行こーね♡ぴよちゃん♡」


「うん♡」


 わくわく。念願の焼肉だ♡

 ひよりのエアしっぽは盛大に揺れていた。だって、ひよりはカルビさんと胃袋さんの、仲人なの。今日はお祝いなのよ♡


「由奈さん♡どこの焼肉やさんに行くの??」


「ふふふ、ひよりがずーっと我慢してたからね!なんとっ!食べ放題に行きまーす!それもちょっと良いところのでーす!」


「な、なんですってぇぇ!!食べ放題って!食べ放題ってことですか!?」*嬉しすぎておつむがパニック。


「好きなだけお食べ♡」

 

「うわーーーい!!やった、、、あ。」


「どした?すぐそこだよ。さ、行こう?」


 やべぇ。思い出しちった。。ひよりって今、、学校で一番ホットな女の子なんだった…。ダークホース的な…


「ゆ、由奈さん、、ひより…また体重増えるわけにいかないの…。」ジワッ。


「え、ひより!?なんで涙君がうるるんなの…??」


 ひよりはさっきまでの信号機みたいな服から、由奈によってかわいく変身してもらえていた。ヘーンシンッ!!

 かわいいかわいい、ピヨデレラは…0時

を過ぎても元に戻るわけには、いかないんだ…。


「ひより、、たくさん食べちゃダメ。せっかくかわいくなったのに、、由奈さんの隣で、かわいく歩きたいのにっ!!」


「ひより…。そんなに…」


 由奈は、健気なひよりにキュンした。珍しく、外ではしないと言っていた由奈が、自分からひよりの唇に、、そっと、キスを落とした…。チュッ。


「由奈さん…っ!!」


 なんてロマンチック。なんてファンタスティック。ヒロインぴより。だがしかし、これは焼肉食べ放題の話です。お忘れなく。


「ひより、、大丈夫。今日食べすぎても、脂肪になるのは48時間後なんだよ。」


「そ、それは、どういうこと??」ピヨ?


「明日明後日、食事制限すれば、太らないっ!」ウインクバチコーン!!(キャラ崩壊)


「じゃ、じゃあ!ひよりはっ…」


「ライスを食べても、良いんだよっ!!」


 ひしっ!しっかりと抱き合ったこのカップルの、近くを通った人は思った。


 何の話だよ、何の…。


「ひより、、サンチュから食べる!」


「うん、それがいい。」


 だから、何なんだよ…。


「由奈さんっ!今日のデートも素敵!♡」


「2人だからっ!さぁ!行こう!」


「「焼肉、食べ放題へっ!!」」ウフフー!!


 何なんだよ(笑)


 ひよりはライスとカルビクッパと冷麺もやっつけたそうだ。そしてこの日、お腹がパンパンすぎてエッチはお預けだった…。



 続く。

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