第230話 この手のタイプは友達にもいなかったので新鮮ですと由奈は言う。
「隊長!!まずはどこから見るでありますか!?」ケロッ‼
「え、隊長??」
動物園の門をくぐると、ひよりの目はギラついていた。
「えっと、ひよりの好きなレッサーパンダは最後の方だから、、まずは、、象とかかな。」
「いやーっふぅー!行こう!あっ、由奈さん!フランクフルト売ってる!!あ、でもお弁当があるんだった!!」
「大丈夫。どうせつまみ食いはすると思ってたから、焼きそばパンだけ作って持ってきたんだ。それしかないからフランクフルトも食べて良いよ?」
「な、なんて先見の明・・・。由奈さんって、未来を見る力があるんじゃ、、そして焼きそばパン食べたい。」
「いや。ひよりの行動がわかるようになっただけだよ。わかりやすいの塊だからね、、パンはお昼になったら食べようね??」
ひよりは由奈を置いて、瞬く間に売店へと走る。シュダダダダー‼そして、自分のお財布でフランクフルトを2本買うと、得意顔で由奈の元へ。
「はい、由奈さんも!」ヒヨリノオゴリダヨ‼
「え、買ってくれたの?ありがとう。」
「半分こでも良かったんだけどね!でも、2人で食べながら写真撮るにした!」
「わかった。じゃあ、象と一緒に撮ろうか。」
「象のお鼻みたいだもんね!パオーン!」
ひよりはのしのしと歩き、象ダンスをしながら先を歩いて行った。日本一小さい象、ぴより。動きながら食べるからまたほっぺにケチャップをつけていたわんぱくの塊。
「うぉあぁぁぁぁーーー!!でっかっ!象だ!あ、待って!あっちにかわうそがいる!あ、あっちは熊っ!!」オロオロ‼
「あはは。ひより、ゆっくり見ようよ。時間あるからさ。」
「うん、ちょっと興奮しちった。お手々繋いでのんびり見ることにする~。」
「ねぇ、どうやって食べたらほっぺたにケチャップがつくの?拭くからこっち向いて?」
「ひよりもわかんないの。こないだは耳にもついてた。いつもお世話になってます!拭いて?」
ティッシュで顔についたケチャップを拭ってもらうと、ついでにキスしてもらえるかなーなんて考えたぴよりは、とりあえず目を閉じてみた。
「ん♡」( ˘ ³˘)ンニュ
「え、なに?キス?しないよ?」
「え、なんで。なんで急に塩??」
「人がたくさんいるから。こどもの教育に悪いでしょ。」
「・・・次、、ゴリラ見る!」
「ゴリラダンスはやめてね。かわいくない気がするから。」
「うっほっほ。ひよりゴリラはかわいいもん。」
ひよりがゴリラのいるガラス張りの部屋の前に行くと、なぜかゴリラが集まってきた。由奈は期待した。来る、、ピヨリンガルのショーが始まる!
「ウホ?」
「え、なんでお前だけそっち側に居るんだって?それはひよりがゴリラじゃないからだよ!」
「ゴホゴホ!ウホホ!」
「しつこいなぁ。ひよりは人間だよ!そんなこと言うならあっち行っちゃうよ!」
「すごい。本当にそういう会話をしているとしか思えない、、。」
*由奈はひよりと動物のやりとりが大好き。
「由奈さん、、奴らは由奈さんに欲情している。もうあっちに行こう。由奈さんを渡すわけにはいかないよ。」
「え、急にイケメン風味。好き。抱いて。」*ひよりに合わせた由奈。
「抱くよ。帰ったらね。今夜は寝かせない。さぁ、行くぞ由奈。」*調子に乗ったぴより。」
しかし、数分後にはイケメン風味は崩れていた。。
「ぴぎぃやぁぁーー!!嫌だぁ!行かないっ!!」
「ええ、ちょっとだけ行こうよ?」
「だだだだだめだっ!嫌だ嫌だ嫌だー!!!」
「触るわけじゃないんだから大丈夫だよ!」
爬虫類コーナーの前で、ひよりは全力で泣いた。
イーーーーーーヤァーーーーーーーー‼‼‼‼‼‼ダダダダダダッ‼
由奈が走って逃げたひよりをゆっくり追いかけてみると、ひよりは笑顔でソフトクリーム売り場に並んでいたのだった。
自由かっ!
続く。
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