第164話 都心の一人暮らしの家賃くらい
放課後。
「ひよりー。図書室行こう~。」
朝に約束していたとおり、戸田っちがひよりを図書室に誘うと、、
「ごめーん、行くところがあるから帰るー!」シュタタタタタ‼
「え!うそ、行くって言ってたのに、、」
そんなことはすっかり忘れていたひより。それどころじゃないぴより。愛する人に指輪をあげたいJK、かわいいの塊ぴよりんちょ。
「とりあえず、由奈さんが買ってくれた指輪のブランド店に下見をしに行こう!」
ひよりは最初、指輪を自作しようかと考えた。だが、思ったより難しそうだったことから意外にもすんなり諦めたのだ。
ペアリングだから、ひよりがもらったものと同じものを買えば良いんだ!と安易に思いついたひよりは駅に向かう。
「まさか、、由奈さんの職場の近くとは、、」
そう。ひよりはブランド名を調べて、学校から一番近い店舗を探した。すると、由奈が勤めているデパート内にあったのだ。
「由奈さん、、仕事の合間に買ってくれたんだ、、、きゅん。」
ひよりはもう、由奈のいるデパートへは迷わずにいける。電車に揺られながら、スマホを開いて由奈の写真を眺めた。
「かわいい。ひよりと同じ指輪しよーね♡」
画面にぶっちゅぅぅぅっとキスをすると、ちょうど着いた目的の駅に着いた。ひよりは一目散にデパートへと向かう。幸いなことに、由奈が働いているフロアとは階が違う。バレずに見に行けそうだった。
「着いた。えっと、1階の、、化粧品売り場を通って、、あ!あった!このブランドだ!」
制服を着たちびっ子が、ジュエリー店の前でキョロキョロしている。そんなひよりを見て、スタッフが優しく声をかけてくれた。
「もしかして、お友達とはぐれたのかしら?」
「ひゃ!?い、いえ!指輪を見たくてきました!!」
「あら、そうですか。お父さんかお母さんは一緒?」
「いえ!私、18歳です!1人で来ました!」
「えっ!!あ、、ごめんなさい。どうぞ、ご案内します。」マジ?
綺麗な格好をした大人に紛れて、ひよりは勇気を出して店内へと入る。頭の中にはプリティーウーマンが流れていた。
「この辺が指輪です。ごゆっくりごらんくださいね。」
「あ、すみません。ハートの形のピンクのやつが見たいんです。」
「えっと、いくつかあります。この辺ですね。」
ひよりは案内されたブースに行くと、じっとショーケースの中を覗き込んだ。
「あれかな、、ちょっと違う、、んー、、あ。これだ!!」
さぁ。またしてもひよりは衝撃を受けることとなる。
「うん。これだぁ!あ、サイズがわからないからあとで聞いてこないと。ひよりよりちょっとだけ大きいサイズかなぁ~?」
るんるん気分でさっきの店員さんを呼ぶと、ひよりは買う気満々で質問した。
「すみません!この指輪に名前を入れるのは何日くらいかかりますか?」
「こちらですね。今、ショーケースからお出しします。」
ショーケースからガラスの上に出されたその指輪。いつも自分の左手に輝いているものと同じだ。同じだからこそ、余計に愛しく感じるぴより。
「ああ、かわいい。ふーん、銀色のもあるんだ、、ひよりはピンクが似合うからって由奈さんが言ってた♡あ、値札がひっくり返ってたから値段見ていこう。お小遣いあるからだいじょう、、、ぶごぉっ!!??」
「え、どうかしましたかっ!!??」
ひよりのぶごぉ!に驚く店員さん。
「え、えっと。んっと。ありがとうございました!またあとできます!!!」
ひよりは逃げた。一目散に逃げた。なぜなら、、
「うわーーーん!!びっくりしたぁーーー!!!0が1つ多かったよーーー!!」
そうです。ひよりの思っていた金額より、0が1つ多かったんです。さすが大人、由奈氏。妥協のないプレゼントであった。
「お、同じものなんて、、買えません。。バ、バイトしないと。。って言うかその前に、、あんなに高いものだったなんて・・・。」
由奈さん・・・。もう、ひよりのこと、お嫁にもらう気満々なのね。。
「好きぃーーーーー!!!!ゆなっさーーーーん!!!!」*一応小声
感極まったぴよりは、またしてもダメだと言われているのに、由奈の職場へと突したのだった。
エッ‼ナンデイルノー‼‼‼?
続く。
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