第161話 彼女が完璧すぎてツラい、スコール女
いよいよ、ひよりの夏休みがあと数日で終わろうとしている、ある日の晩。
「ぴーよーちゃーん。」
「!?なぁに?由奈さん!いちゃいちゃタイム?♡」
ダダダダッ!!ピョーン!!ソシテドーンッ!!
イテーーー!!
「ううっ、、そろそろ夏休み終わるねー?」
「そうなの…。由奈さんとのバカンスはまた冬までお預け…。ショボンね〜。」
ソファで座っている由奈の横に飛んできたぴより。いちゃいちゃタイムかと思って勢いよく由奈の太ももの上に頭を乗せた。
「はい!定位置に着きました!」ドウゾアマヤカシテ!!サァホラ!!
「その前に、大学入学共通テストの出願が迫ってまいりましたね?」
「ぴゃー!!甘くなかったー!厳しいお話でしたかー!!」
膝枕をしたまま、目をつぶり耳を塞いだかわいいの全力抵抗ぴより。しかし、脇腹をくすぐられて呆気なく降参した。アンギャァァァーッハッハッハッ!!ムリムリムリムリ!!
「ハァ、ハァ、、や、やめて…くすぐるのは…。敏感なんだから…。」
「耳を塞いだからでしょ。そろそろ真剣に勉強しないとねーと思ってさ。」
「してるよぉ…。たしかに…勉強時間はちょっと、、サボり気味かもだけど…。」
「別に怒ってないよ。ひよりの学力なら行ける大学はたくさんあるし。大学に行くことだってひよりが他にやりたいことがあるなら無理にとは思わないし。」
ひよりのお腹を撫でながら、由奈は優しく微笑んだ。
「か、観音様…!な、なんて慈愛の微笑みっ!逆に大学行きたくないとか言えないっ!!」
「え、行きたくないの?」
「ううん!行きたい。由奈さんとの将来のために、ひよりは頑張るの!」
「そっか。じゃあ、2人で二人三脚でさ。思い切り頑張ろうよ。あと半年もないんだし、後悔しないように。ね?」
「はいっ!見ててね!ちょー頑張るから!」
「わかった!じゃ、これからはなるべくいちゃいちゃは勉強のあとにしようね!」
「えっ!そ、そんな…いや、、わかっ、嫌だ、わかりまし、、くっ、出てこないっ!決意の声が出てこないっ!」
「全くいちゃいちゃしないわけじゃないんだから、、」
「ほい…。我慢します…。」
「じゃ。ひよりの自主性に任せるね?やれやれって言う方も言われる方も、神経が削られるでしょ?」
「はい…。つまり、今すでにひよりは試されている。。この至福の膝枕から起きて勉強すると、、自分から言わなければならない…ということだな…!?」
「そーです、天才!100点です!」
「お、おお…嫌だと言う前に褒められた…。逃げ道がない…。。よいしょ、、勉強します。。1回だけぎゅーしても?」
「うん、いいよ。私だってひよりといちゃいちゃしたいんだよ?はい、おいでー!」
「わーい!ぎゅうーーーっ!!大好きー!♡」
「大好きー!♡」
「なんて抱かれ心地・・・意識が飛ぶ匂い・・・」
「なんて抱き心地・・・ぬいぐるみよりぬいぐるみ・・・」
「…………………ふぅ。やるか。」
「うん。ファイト!」
「ちぇ。問題集もってくりゅー。」ノソノソ・・・
ぴよりは頑張った。3時間、がむしゃらに頑張った。たまには真剣にやってるところを見せておかないとそのうち呆れられると思っていたからだった。
「むむむ、、どうしてもわからない、、。ねぇ、由奈さん。この問題、、ひょ?由奈さんも勉強してるの??」
ひよりが由奈に問題の解き方を聞こうと振り向くと、由奈は何かのテキストを読んでいた。
「あ、うん。ひよりが勉強している間に私も何か勉強しようと思って、資格をとろうかなって。」
「ふぁーーー!かっこいい!そういう所、激しくきゅん♡」
「一緒に頑張ろうね。」ニッコリ。
「はわわ・・・しゅき。。あの、、この問題がわからないので、教えてもらう間だけ懐に入らせて頂いても??」
「ちゃんと聞いてられるならいいよ?」
「では、飛び込ませて頂きます!!」チュドーン‼
ひよりは思った。
(もう、、頑張らない選択肢も、、勢いでエッチに持ち込むことも、、できやしないな。。)
諦めて、勉強する!!
続く。
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