第159話 目の保養になった。別腹、別腹。(ひより談)
「ねぇ、お姉ちゃん。さっき診察してたとき、お姉ちゃんのおっぱい見たけど、、全然大きくなってないね。ひよりとどっこいどっこいだった。」
「あんた…ぶつ気力もないわ…。」
華恋の具合が悪いので、止む無くタクシーに乗った2人。ひよりは小さい声でぺちゃくちゃと話が止まらない。久しぶりに会った姉に遠慮がないのだ。
「さっきの看護師さん、見たでしょ?顔も可愛くて綺麗で、優しくて、そんでもっておっぱいが大きかったの。」
「それがなによ…。ほら、ついたわよ。降りるわよ。」ケホケホ
華恋の荷物を持って、支えながら華恋の家についていく頼りない妹、ぴより。ヨロリヨロリ
「愛加さん♡居るんだよね?」
「いるけど…家に入れないわよ。すぐ帰りなさいよね。。」ゼェゼェ…
「やだ。せめて顔は見させて。久しぶりのあの塩きんつばのような愛加さんを見たい。」
「まなちゃんはそんな、四角くない…。ああ、限界っ、寝たい…。」
ひよりは玄関のチャイムを鳴らした。ドキドキである。憧れの愛加さんに会える!
ガチャ。
「あれ?ひよりちゃん?華恋の病院について行ってくれたの?」
「愛加さんっ!♡ひゃー!やっぱりかわいい!きれい!しお!せつない!」
「ま、まなちゃん…。華恋、限界…。は、運んで…」ヘロヘロヘロ〜
「わ、大丈夫?ひよりちゃん、華恋を運ぶから玄関しめてもらえる?上がって?」
「はーい♡あ、お姉ちゃん、熱が8度5分でした!でも六浦家はバーっと熱が出てガーッと下がるんです!半日で熱が下がるので、寝てればすぐ治りますよ。夜には焼き肉も食べられます!」
「そ、そーなんだ?華恋が熱を出すなんて初めてだからさ。ありがとうね、ひよりちゃん。」
「えー、ひゃだー!そんなぁ!♡褒められちゃった−!!」
「もう黙ってちょうだい…。頭…いたい…。お願い、愛加…。ひよりを、追い出して…。」ドサッ…
力尽きた華恋。ベッドに沈む…。
「ふぅ…。華恋は寝たし、ひよりちゃん、駅まで送るよ。」
「はいっ!♡」
姉はいつもすぐ熱が下る。家族だからこそ、知り尽くしたひよりは、無情だった。そして愛加に会えたことでさらに姉のことはどうでも良かった。
「お姉ちゃん、今日はありがと!寝てなねー!バイバイ!」
そしてひよりは上機嫌で、愛加に駅まで送ってもらう。
「愛加さん、あのね?今日、お姉ちゃんと行ったクリニックの看護師さんがね、とーっても綺麗でかわいいんだけど、その人が由奈さんの前に好きだった人なの…。」
「え、それで華恋を連れて…。」カワイソウカレン…
「うん。でね、すっごく女の魅力で、ひよりは勝てないの。撃沈したの。」
「そっか、でもひよりちゃんはとってもかわいいよ?」
「あのね、由奈さんもそう言うの。ひよりが1番かわいいし、誰より好きだよって。だけどね、本当は、由奈さんってあんな感じの大人っぽくて奇麗な人が好きなのかもって…」
「そっか。不安になったんだね。でもね?華恋もひよりちゃんも、すごく似てるところがあってね?かわいくて、ころころ笑って元気で、こっちまで明るくなる。素直に愛情をぶつけるところも、、私はそんな華恋が好きで、放っておけなくて、、他の誰かを好きになるとか考えられない。きっと、由奈さんもそうだと思うな?」
「ホント?でもお姉ちゃんはひよりより大人っぽいもん。いや、そうでもないか?ほんの少しかな。ひより、早く大人っぽくなりたいな。」
「うーん。それは別に求められてないと思うなぁ?それよりも、こうやって不安にならないで、そばで安心していてほしいと思うよ?余計なことは考えないでほしいって。」*由奈の気持ちがわかりすぎる同志。
「わかった…。あのね、ひよりは愛加さんに憧れて恋をしようと思ってね?それで恋をしたの…由奈さんに。だけどね、愛加さんと浮気したいとかは思わないの。由奈さんが1番だから。」
「うん。由奈さんもきっと同じだよ。由奈さんって、すごくひよりちゃんのことを大事にしていて、愛しそうに見つめるよね?」
「…うん!そうだった!由奈さんはひよりのこと大好きだと思う!!」
「よし!じゃあ、帰ってたくさん、好きって伝えないとね!」
「はいっ!愛加さん、ありがとう!じゃ、ぴよりはここで平気だから!帰ります!」
「うん。華恋が心配だし、、じゃあここでね!」
ひよりは迷いから抜け出し、笑顔で走って行った。愛加は妹愛で悶えた。
「くっそかわいいな。。健気…。ああ、抱っこして撫で回したかった…!」
そして、珍しく振り回す側から振り回される側になっていた華恋のもとに走るのだった。
「晩ごはんは焼き肉だね、華恋…!!1番甘い焼き肉のタレを買って帰ろう!!」
続く。
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