第24話 溺愛スコールでずぶぬれ過ぎて笑うノンドライ女

 土曜日に由奈にダイブして恋の捕獲作戦に出たひより。

 日曜日に仮彼女になって、月曜日には正彼女になっていた。


 由奈がチョロインっぽく感じるけど、、ひよりは陰キャの地味子から必死に自分を磨いていたので、とってもかわいらしく変貌していた。そこへ輪をかけて初めてする恋に全力でピュアッピュアだったので、そういう輝きに久しい由奈にとって、この上なくかわいらしく見えたのだった。


 結局、由奈が仕事から自宅に帰れば、自分がひよりに会いたくてしかたなかった。だけどさすがに親御さんの目がある。それなりに体裁を保たなければならないと思っていた。


「はぁ、、毎日お泊りはさすがにまずいよなぁ、、」

 毎日ひよりを抱き枕にして寝たい由奈。もう一人で寝られる気がしないまでなっていた。

 とりあえず、『今日はいつ行っていいですか?』というひよりからのメッセージにきゅんとしながら、『今日は17時半ころには帰ってるよ。』と返した。


「一回会って、ちょっといちゃいちゃして、、そしたらお家に帰そう。あ、でもそれだとお泊りはできないよな。でも、毎日はさすがに…。」


 仕事中、そんなことばかりを考えていた由奈。すっかり恋する乙女状態だった。

「はぁ・・・早く会いたい・・・ひより。」

 出会って4日目の恋煩い。由奈、一年かけた片思いをすっかり忘れていた。救世主ぴより。


 仕事が終わり、自宅に着くと、玄関にはひよりがちょこんと座って待っていた。

「え、ひより、待ってたの?」とくん。きゅん。あ、無理。好き。

「あ、由奈さん。おかえりなさい♡あのね、今日はうちでご飯食べませんかってお母さんが、」

「え、そうなんだ。それは是非お受けしないと。って思うんだけど、ちょっとあまりにひよりが可愛すぎるので一旦うち入ってもらっていい?」

「えっ!も、もしかして、、恋人の嗜みを・・・??♡」

「うん。いいかな?」

「い、いいに決まってますぅ!!♡」


 由奈。思わずひよりを家に招き入れると、すぐさまベッドに連れ込んで、ねっとり30分かけてキスをしながらすでにスイッチと化したひよりの胸をゲーマーのごとく連打した。


「ゆ、由奈さん、、そろそろ、、」ボロボロ

「あ、うん。ごめんつい。仕事しててもひよりにキスしたくてしょうがなかったから。。」

「由奈さん、、い、いつのまにそんな、、デレしかないじゃないですか♡」

「今日、キスマークバレなかった?」

「あ、それなんですけど。ちょっと大変でした。今日、体育があって、着替えるときにすっごい隠して着替えたんですけど、、バレーボールだったんですね。アタックするときに体操着がめくれて、、最近できた恋人に殴られてるんじゃないかって噂に・・・。」

「え、ごめん。確かにあざだらけに見えたかも。。」

「なので、これはキスマークをつけてくれたんだと、今朝の話を少ししてしまいました。惚気ちゃった♡」

「そっかぁ。かわいいね!好き!」デレデレ

「そろそろご飯食べに行きましょう、由奈さん♡」


 ということで、愛されて艶っぽくなったひよりを何とか整えたあと、二人は六浦家の食卓へと移動した。


「おじゃまします、。お誘いありがとうございます。」

「あ!由奈さん!今日は髪をおろしているのね!それも素敵♡」

 母、陽菜子。佐々木由奈ファンクラブ会員。

「わぁ、美味しそう。こないだ頂いたお惣菜もとっても美味しかったです。」

「由奈さん、ひよりね、お母さんがお料理上手だから、全然作れないの。だから、調理師の専門学校に通って上達するからね!♡」

「そうなんだ?楽しみだね。」


 母、陽菜子。急にご飯をよそるしゃもじを止めた。

「そ、それなんだけど、、ひより?愛する人のためにお料理が上手になるのは素晴らしいわ?だけど、せっかく貴方、、Aランクの大学も行けると先生が仰っているのに、、もう少し考えて、」

「え?もしかしてひより、大学行くのやめて専門学校に行くってこと?」

 察しの良い由奈。ひよりが恋にのめり込んで学業を手放したかもしれないと不安に。


「え、あ。ちがうの。私、由奈さんに会う前から、、愛する人のためにお料理が上手になりたいって、、それで、、」

「でも、その愛する人は私なんだよね?」

「はぃぃ。。由奈さんのこと、、愛してます・・・♡」


 由奈、説得いきます。


 かわいいひより。そしてお母さんも(ついでに)聞いてください。私、ひよりに出会って、毎日がすごく楽しいんです。まるで、枯れていた心にいきいき剤をぶっこまれたみたいに、、足から頭に向けて、エネルギーがこみ上げてくるような、そんな感じなんです。


 もちろん、これからひよりが大人になっていって、もっと他に良い人がいたら、その時は身を引こうと思います。ひよりの人生に私が邪魔になる日が来たら、それも潔く身を引こうと思います。

 でも、でも、、そうならないように、、私はひよりとずっと一緒にいたい。何ならもう同棲したい。毎日一緒に寝たい。大人としての分別が、何とかその渇望を押し止めています。


 ひより。もしひよりが本当にその進路を望むなら、私は応援するけど、それがもし、私たち二人のためなら、もう一度考え直してみてくれないかな?

 ひよりは、これからずっと私といるとしても、社会に出ていろんな経験をして、そしてそれを私に楽しそうに話してほしい。

 

 ひよりは、将来何をしたかったの?何になりたかったの?これから、私に聞かせてほしいな?ひよりが大人になってやりたいことをやっているのを、横で見せてほしいな。ひよりが、本当に好きだから。本当に大切だから。あと、毎日一緒に寝たいのは本当なので、お母様、どうかご一考を・・・。


「ゆ、由奈さん、、ひより、そんなに大切に思ってもらえているなんて・・・。」

「由奈さん、、うちの娘をそこまで・・・。」

 六浦家号泣。*アキラはまだ帰ってない小さな幸い


「お母様。今日はご飯を頂いたら、そのままひよりさんをお預かりしても?二人で、ひよりの将来の話をじっくりしたいと思います。」

「ああ、ぜひ。。是非、よろしくお願いしますっ!!」


 やった。今日はこの後、ずっとひよりといられる♡


「ごはん、美味しいです。お母様。」モグモグキラキラ


六浦家「ま、まぶしい・・・♡」


 由奈、ひよりとの同棲を模索中。

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