第22話 溺愛が跳ね返ってきた困惑中のぴよぴよ

「ねぇ、ひより?幽体離脱と脳イキ、どっちのほうが体験した人多いんだろうね??」


 いや、知らんがな。…と、初めて由奈に突っ込みかけたひより。

「まさか、自分がどっちも体験することになるとは…。」(え!?)


 冷凍の真いかを流水で解凍して、さらに中骨を指でぐぐっと抜くと、あとはすっかり身だけになりますね。そんな感じにぐにゃんぐにゃんに骨抜きにされたかわいいの塊、ぴより。

 やっと、就寝するために由奈のベッドに招かれた。一応、正式に付き合い始めた初夜なので、由奈が腕枕をしてくれることになった。それを提案されたときのひよりは、進学校である現在通う高校に合格したときの10倍の涙を流したとのちに語る。


 ぴと。

 かわいいの塊、ぴよりは恐る恐る由奈の細くて柔らかい二の腕に頭を乗せた。

「わ、わぁ…。あ、もう、意識が保てないかもしれないです…。」

「うん?気持ちいい?寝にくいことない??」

「ううん、、すっごい、幸せな感じがします。。」

「そ?良かった。もっと頭こっちにおいで?」


 由奈に招かれて、さらに身を寄せるひより。横向きで由奈が優しく体を引き寄せてくれた。鼻先には由奈の胸が、キャミソール越しに「さわりたいかい?」と悪魔のささやきをした。


「触りたいです。」

「え?」

「あ。いえ、別の人と話してました。。」

「え?もしかして私のおっぱいと話してた?」

「どどっどどどっどどどすてそなった!ど、どうして!そんな!濡れ衣をっ!!」

「触りたい?」

「さーわーりーたーいーーーーーーー!!泣」

「あはは、かわいいっ!じゃあ、ほら。」


 悪魔なのはおっぱいだけなわけがあるまい。本体は相当だぞ?由奈はキャミソールをめくると、自分の胸をひよりの顔に押し付けた。


 ぷちゅ。

「・・・・・・・・・・(ふごわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!)」

*わーわーわーわーわーわーわーわー、しか言えてない大パニック。


「あはは、めちゃくちゃパニックじゃん。あーひより、めちゃくちゃかわいいっ!」

 ぎゅぅぅぅぅ!!

「ほがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!もごーーーー♡♡♡」

*富士山頂ーーーーーーーーー!!という幻想を見かけている。


「どう?気持ちいいよね、おっぱいって。」

「ぷふぁはぁぁぁっ!!!あああっ!!!頭おかしくなるかと思ったっ!!うあぁぁぁ!」


「さわる?まぁ、舐めても吸ってもいいけど?」

「ももももうっ!今日は無理ですっ!頭が馬鹿になりそうっ!」

「そっか。じゃあ、もう寝ようね?」

「あ、で、でも、、由奈さんは、その、、(したいんじゃ??)」


「いや。こうして抱っこして寝るだけで、実は十分だったりして。」

「そ、そうなの?」

「うん。ここ1年くらいさ、親は転勤しちゃって、あといろいろあって(片思いしてて)、ちょっと寂しかったから。ひよりとこうして寝るだけでめちゃくちゃ幸せなんだよね。」


「う、う、嬉しい…。じゃ、じゃあ、私、迷惑じゃないんですね??こうしてて、由奈さんの心を癒して、、あげられてるんですか??」

「うん。かわいい、ひより。最高。大好き。ずっとそばにいてね?」

「は、はい!嫌がられても離れません・・・・・・。」


 珍しく、静かに泣きながら由奈の胸で眠りについたひよりだった。


 幸せ…。


 大人しいひよりは、翌朝、由奈にまた寝ぼけて乳首をつままれるまで。。

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