第5話 恋してお熱のスコール女と風邪でお熱なドライ女

 ああ、寝てたみたいだ・・・。

 今日は最悪だったな。みちるさんには恋人がいて、告白する前から撃沈だったし。


 仮病に近かった風邪も、ショックのせいかひどくなって、、あ、そうだ、変な女にも絡まれて、、あ。


 ようやく気づいた由奈。慌てて目を開けると上半身を起こした。


「わ、気づいたんですね!あ、顔が近いっ!ブツカルー。」

 んちゅ。


 ってまたキスしてるんですけど。。セリフ棒読みだし。。

「ハァ・・・。あの、なんでキスするの。良くないよ?こういうのは、」

「大丈夫です!貴方の風邪なら、喜んで移って欲しいくらいだから!!」


「そういう意味じゃなくって・・・。」

「でも、、由奈さんは外国の方だから、キスは挨拶のようなものでしょう?なら、、」

「いや。私、日本生まれ日本育ちの日本国籍ですけど。大阪育ちなのでお好み焼きで育ちました。」

「え、かわいい・・・。お好み焼きでライス食べるやんちゃさん?♡」


「ああ、もう・・・会話にならない。。それより、初めて会ったんだからキスするなってこと。」

「でも由奈さん、私たち今日初めて話したのに、もう3回もキスを。これが運命でなくてなんだと・・・。」

「ああ、もう、、全部無作為じゃなかったでしょ!えっと、私倒れましたよね、、ここまで運んでくれた?」

「はい♡ 服も着替えてますよ。ベッドの上にパジャマ、ありましたから・・・。ポっ・・・♡」

「え、なんで恥ずかしがってる?」

「あ、良い匂いだったなって。やぁん、なんでもないですっ!♡」イヤンイヤン

「匂いかいだの、、?えっと、着替えたってことは、裸も見たってこと?」

「そ、それは、、女性同士だし、気にしないかと思って・・・。でも、肝心なところは見てません!見ていたら今、私は固形ではなくなっている。。」*顆粒か液体に


「そ、そう。。こわいんだけど。。えっと、なんで好きなの?私、会ったことあるっけ?」


「しょ、正直に話したら、、つ、付き合ってもらえますか??」

「え、正直に話して初めて考慮できるけど?嘘つかれたら間違いなく二度とはなしかけないでほし、」

「全てお話しします!!!!」遮る遮る。


 ひより、イキます。


 六浦ひよりと申します。高校三年生です。来年は調理師の専門学校で花嫁修業をする予定の18歳。貴方とお付き合いできる年齢です。


 私はずっと、勉強ばかりの陰キャで、恋などしたことがありませんでした。男の子なんて、騒がしくて嫌い。だけどあるとき、姉の華恋が、、それは美しい女性と恋に落ちました。写真でしか見たことがないけど、、私はその人を見て今までに感じたことのない胸のざわめきを・・・。姉は現在その人と同棲しています。


 私は、、それからずっと、恋をしてみたいと思っていました。素敵な女性と。そう、貴方みたいな。


 そして、3週間前、私はマンションのエントランスで貴方を見かけ、恋に落ちました。そのまま貴方が家に入っていくまでを追跡し、私の家の下の階だと知った。それ以来、私は家で歩くときは足に「愛してる」を込めて歩いています。届いていましたでしょうか。。


 そして、たまたま郵便物から名前を知り、由奈さんと毎日呼び続けました。届きましたでしょうか?そしてそして、今日は貴方が外出するところを見たので、ずっとエントランスに戻ってくるのを待っていたんです。


 そしたら、なぜか貴方はエレベーターに乗ってこなかった。見失っては困ると慌てて非常階段へと走り、そして足を滑らせて貴方の胸に飛び込みました。あの瞬間、私たちの心電図がシンクロしたのを、由奈さんは気づいていましたか?


「え、全部届いてないしシンクロしてないし。あと階段わざと落ちたでしょ?セリフが棒読み過ぎると思った。」


「えーと。えーっと?♡」


「かわいくしてもダメ。」


「かっ、かわ、かわいいと今?」


「じゃなくてさ。そんなやり方したら不審者だし、ストーカーだよ?だからもう、こんなことをしたらダメだよ?」


「あ、ああ・・・」

「あ、ごめん、何も泣かなくても、、」

「今の、、ダメだよ?のところ、、もう一度お願いしても・・・?さっきみたいに首をかしげて頂いて・・・。あ、涙が止まらない・・・。」


「はぁ・・・。えっと。とにかく。そんなに好きなの?なんでかわからないけど。」

「はい・・・。理屈などないんです。一目見てそれで。」

「ふぅん。まぁ、恋をしたいって思ってたから偶然タイミングが良かったのかもしれないしね。」

「そんなことありません。。貴方の姿を見たとき、私の全DNDは波打って、あらゆる関節はその意義を失いました。その場にしゃがみ込み動けなくなってしまったほどです。その日、夢枕には女性の姉妹神が現れて、ファビュラスですわ♡と私に微笑みました。」


「ふぅん。えっとさ。とりあえず、私熱があるのね?今日は帰ってくれる?」

「あの、私、朝まで看病を・・・。どうか、、」

「うーん。看病したい?」

「は、はい。貴方が苦しむなら私は共に苦しみたい。」

「えっと、付き合いたいの?」

「はい、、対等などとは思っていません。抱き潰して頂けたら・・・。」

「え、経験あり?」

「いえ、処女ですが。だ、ダメでしたか・・・。」


「うーん。わかりました。では合否は明日お知らせします。自宅で待機していてください。」


「面接終了!!覆面面接官っ!!!?」

「まじで今日は帰ってね。ではお休み。」


「わ、わかりました、、。ご縁があることを祈り続けます・・・。」


 ふう。。やっと帰ってくれた。


 ふーん。ひよりちゃんか。


 まぁ、フラれたばかりだし。あれだけど、、




「けなげ。付き合っちゃおうかな?」


 

 由奈。高熱による神判断。



 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る