雨模様 ー 恋模様

ろくろわ

雨模様ー恋模様

良い天気

午後から雨が

降るからと

要らぬ小さな

傘持たされる


放課後の

玄関先で

立つキミが

雨止むを待ち

傘無いと知る


雨が降る

玄関先で

君探す

傘立てで待つ

透明な傘


帰ろうと

声かけ傘を

空に差し

うつむき入る

キミが愛しい


右隣 

君の肩だけ

濡れている

鞄に隠す

折りたたみ傘


濡らさない

隣で歩く

想いびと

キミに寄り添う

傘にヤキモチ


雨の

隠してくれるか

むねの音

傘にぽつぽつ

君にどきどき


右に傘

左はキミの

手を探す

近くて遠い

握れぬ想い


右の手を

絡ませたくて

手を伸ばす

指先触れて

行き場をなくす


雨あがる

雲の隙間に

射す光

もう少しだけ

気が付かぬふり


光射し

雨音ひとつ

きこえない

紅く染まるの

君の横顔


近道も

今は忘れた

送る道

キミと話せば

時間が早い


遠回り

している事に

気付いてる

二人の時間

雨降るあいだ


傘閉じて

空に浮かんだ

虹を見る

キミの姿に

想いが開く


雨が降る

二人で帰る

通学路

次はいつかと

虹みて願う


濡れた肩

今はなんだか

暖かい

濡れた地面の

香りが残る


別れ際

約束したよ

また今度

雨が織りなす

そら恋模様


部屋の中

折りたたみ傘

取り出して

役目がなくて

大役果たす


一人きり

帰る隣に

思い出す

小さなキミと

過ごした時間


水溜まり

飛び込み濡れる

それさえも

弾む気持ちを

止めてはくれぬ





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雨模様 ー 恋模様 ろくろわ @sakiyomiroku

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