第25話 決着
『……痛い』
そこに勢いよく地面を
「
「ミオミオに快斗さん! 来てくれたのね」
凪咲はほっとして笑顔になった。
「やっと見つけた。
「快斗さん、よくここが分かりましたね」
快斗はスマホを見せた。
「おう。
「さあ、観念してあたしの凪咲様を返しなさい」
澪が化蛇に向かって叫ぶ。
『返しはしない。このままいてもらう』
「
シャリン。シャリン。
「まって、わたし化蛇と話がしたい」
「凪咲さん……」
凪咲は化蛇に訴える。
「化蛇さんの気持ちがわかりました。どのくらいかかるかわからないけど、この池を再生させてみせます。だからお願い。悪い神にならないで!」
『もう遅い……』
「そんなことない」
「――いいえ、凪咲さん。化蛇はもう悪霊に取り込まれて、自分の意志では無理です」
黄金色の髪をなびかせ、妖騎士ノアムが剣を持って立っていた。
「そんなぁ。ノアム。倒さないで、このままじゃ化蛇がかわいそうだよ」
「やさしいですね。ええ、承知しております。ですから、この剣で
「……わかった。ノアムを信じる」
『ヴォオオオオ……!』
化蛇が黒い翼を広げ空に飛ぶ。そしてけたたましく鳴いた。すると山が
「危ないこっちだ!」
快斗は凪咲と澪を
「よし、
「ありがとう。快斗さん」
快斗は
「二人ともこのまま結界に入っていて。俺はノアムをサポートしてくる」
「わかった。がんばれ兄ちゃん」
「おう」
***
「
空に浮かんでいる化蛇。剣をかまえたノアムが地上から叫ぶ。
『もう、遅い。川の水があふれ、
「――それはどうだろう」
『何?』
「雨もやみました。あなたは力を使いすぎて、霊力が残っていないのか、
『!!』
「悪さしようものならきゅうりとお皿の水を没収されるから、真面目に働くと思いますよ」
『くそぅ。もう一度……』
「させません!」
ノアムが
『うわああああああ』
化蛇に
蛇姿になった化蛇がにょろにょろと草木の陰に隠れようとした。
「ノアム。これ受けとれ」
快斗がうしろから走って、投げた。
『
「今回は、上手くいきました! 凪咲さんは見てくれましたか?」
ノアムは
「はあ……。いいところをお見せできなくて、残念です」
そう言って、力を使い果たしたノアムは、モフモフ猫騎士に戻った。
「俺は見ていたぞ! 今度こそノアムかっこよかったぜ。それに、猫姿のノアムを初めて見た」
「快斗さんも、何もかも助けてもらってありがとうございます。さすが
「へへ……。もうスマホがなくてもあやかし語がわかる」
快斗が
ノアムは思う。
(男の友情もいいものだな……)
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