第15話 河童に嫁入り
「このまま、いい匂いのする女の子を川に連れて帰ってボクのお
「お嫁って、あたしらまだ小学生だよ。このロリコン
澪は言い返す。
シャリン。シャリン。
怒った
「
河童は洗い場の水道水を使って神楽鈴が鳴らないように霧のような水をかけてきた。すると澪が振っても鳴らなくなった。
「ちょっとぉ、何するの! 凪咲さんを返しなさい」
「ふん、こいつは
「ヤダヤダ。河童の嫁なんて絶対ヤダ。誰か助けて!」
「ヒョーヒョー。あきらめな。お前は川で幸せになるぞ。ぽりぽり」
河童がきゅうりを食べながら、洗い場の
「シャァァ――――ッ!!!」
「いててっ!」
突然、猫の鳴き声が聞こえ、河童は何者かに皿を
「????」
「間に合った……危険な目に
心配そうな
「ノアム。わたし……助かった?」
「はい。けがはありませんか?」
「……うん。大丈夫。それはいいんだけど、今、河童と戦ったのは誰?」
凪咲がくるりと振り向くと、雪のような真白い猫が
「ボス
「ええ――霜雪さんには、何かあった時のために
ノアムがそう言って、凪咲を立ち上がらせた。
「ありがとう、霜雪さん!」
凪咲が駆け寄ると霜雪は「ミャオ」と言って一度床に下りてからぴょんと飛んで肩に乗った。
「なぁに、お姫様を守るのがワシのつとめじゃにゃ」
***
ボス
「ヒョーヒョー(訳:もう悪いことしない。縄ゆるめて~)」
「いいえ。異界に戻って
ギラギラとした猫目のノアムは怖い顔をして冷たく言い放つ。
「ヒョーヒョー(訳:うえ~ん)」
「シャー!」
「そうよ。反省してください」
凪咲や
「ちょっと―――! うるさいなぁ! 静かにして。あーあ。廊下も水浸しだし、掃除しておいてね」
「だ、誰……?」
「誰って、わたし花子じゃん」
凪咲はびっくりした。トイレの中から現れたのは、かわいいおかっぱ頭に花をつけた赤いワンピースの女の子。
「トイレの花子さんて実在したんですか?」
「きゃあああああああ。
澪は
「いいわよ。そのかわりにかわいく撮ってね」
トイレの花子さん、撮られるのまんざらでもなさそう。きゃっきゃと女の子三人で自撮りした。花子さんは写ってはいたがボヤっとしていてホラー風味ではあった。満足してトイレに帰っていった。
「俺だけ、あやかし語がわからないのか……。なにげに凪咲さんもすごいとか?」
まったく役に立たなかった
「快斗殿。わたくしは凪咲さんの騎士だったのに、思ったより河童が強くて守りきれなかった。あいつは
「ノアムは騎士だったのか。しかも凪咲さんではなく、調査していたのはノアム王子の方……。いやノアム騎士。俺も協力するし、教えてほしい。力になるぞ」
「快斗殿ありがとうございます……。実はわたくし、妖怪です」
「ノアム騎士。そうか……ん? えええええー? 嘘だろう」
――こうして、オカルト研究部は、密偵活動の正式に仲間になって、調査を
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