第5話 ノアム留学生
「ただいまー」
「むふふ。記念すべきおさわり第一号は、スコティッシュフォールドにしようかな? やっぱり王道の
ちょうど部屋に来ていた、モフモフ猫姿のノアム猫騎士に声をかけた。
「
「マドモアゼルって言われるのなんかヤダ。もうさ、凪咲でいいよぉ。ねぇノアム。そういえば
「早速、やる気になっていただき感謝します。ところで
「ううっ。
凪咲は、その場で倒れ込む。おふざけでごまかそうとしたが、ノアムは冷ややかな眼差しだ。
「……凪咲さんの
ノアムは猫騎士姿で目はくりくりと大きくてかわいいのに圧が強かった。
「ぐっ……。可もなく不可もなく。でも気を抜くと一気に下降します。今の成績は〇多め、◎が少なくて、△がある。特に算数と英語がまったく無理ゲー」
「ダメじゃないですか!」
「あー
「にゃふぅ……。
「?」
親指と中指でパチンと指を鳴らし、気がつけば猫ノアムから人型ノアムに
「ノアム! なんで人型に
「凪咲さん家にホームステイしている
「はあ……」
「猫姿でも教えられますが、シャーペンがもてませぬ……。それにこのシチュエーション
ノアムは髪をかきあげる。サラサラ髪の金髪で
「あ……まーね」
(でも、イケメンに教えてもらうなんて、このままじゃあドキドキして勉強どころじゃないよ!)
「早く仕事を依頼したいので、勉強はスパルタ式でいきますね。理解するまで寝かせませんよ」
ノアムの
「イケメンだけど目がこわーい! そんなぁ~~!」
人型ノアム留学生のおかげで、苦手な算数をみっちり教えてもらった。
***
「ミーン、ミンミンミーン」
セミが鳴きはじめジリジリと暑さが増して汗ばむようになってきた夏休み前。凪咲のテスト結果は百点こそないが、ひどく悪い点数はなかった。
「成績アップ、おめでとうございます。他にも生活面で
凪咲の部屋のベッド下に階段を勝手に作り、異世界の入り口から
「いやあ。ノアム猫先生のおかげっす」
ペロッと舌をだす猫風味の凪咲。
「猫はいらないです。しいて言うなら
「キャー。ついにキター! 妖怪スパイ活動っ! イヤイヤ引き受けたけど、わくわくしてきました」
「やる気になって何よりです。猫も妖怪も夜活動します。
「知ってるー。鬼や妖怪が深夜に目的もなくぶらぶら
「近からず遠からず、です……。はい。その猫だけのバージョンです。夜に出かけましょう」
「えー夜に仕事するの? ダリィ」
「凪咲さん。そんな
「あ……はい」
(お母さんにもあまり注意されないからびっくりした)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます