第2話

「200万円くらいなら」

「えっ」

「200万円くらいなら何とか

なるかもしれない」

宗像は耳を疑った。

「本当か」

「ええ」

「しかし、それじゃあ」

「いいのよ。二人の仲じゃない」

美並はニコニコ顔だ。

「すまない」


「ないのよ」

美並が狼狽えて頭を抱えた。

「何が」

「タンス預金」

「200万円か」

「うん」

「なんてこった」

宗像は絶望の谷に突き落とされた。

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