人生スケッチ

@k0905f0905

第1話

「オレ、どうしたらいいんだ」

宗像(むなかた)晴彦が頭を抱えた。

日曜日のスタバは、しかし

あまり人影がなかった。

「どうしたの」

恋人の葦画(あしが)美並が

心配そうに宗像に声を掛けた。

「いや、いいんだ。オマエに迷惑かけたくない」

「なに、いってるのよ。わたしに隠し事なんて

水臭いじゃない。ねぇ、いってよ」

美並は宗像と婚約中で、今同棲していた。

「オレ、借金しちまったんだ」

「いくら」

「500万円」

「まあ」

美並は言葉を失った。

「三日後までに払わないと命が危ないんだ」

「それ、本当の話なの」

「オレを疑うのか」

「ううん、そんなこと」

美並が首を振った。

「よわったわねぇ」

「なあ、美並。少しでいい。いくらか

貸してくれないか」



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