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お知らせ;私事になりますが、再就職先で色々と忙しく更新が難しい状態です。気晴らしになるので書くことは止めませんが、遅れたりします。申し訳ありません。
「ガキ一匹に何やってるんです?墨竜会の名に泥を塗って、そもそも女子高生に手を出すとは……最近の若いのは殺しもスマートに出来ないんですか?盛った挙句、まともに優秀な魔物カードすら回収出来ない猿は去勢でもします?イチモツが付いてるから盛ってしまうんですよねぇ?そうは思いませんか?」
「い、いや違うんでっ、すみませんでしたっ!や、やめっ…やめてぐれぇ…アァアアアアアア!!!!!」
―――――――ぐしゃ、ちゃぴ、ぶちゅ、ドロォ――――。
「ひぃ……!だれか、きてくれええええ!!!ここは警察署だろぉ?!!!!だれかぁあああああああああああああ!!!!!」
「叫んでも無駄ですよ。」
「うそだうそだうそd…ムグッ!?ウウウウウウッ!!!!!!」
協会から警察に引き渡された墨竜会の下っ端構成員は、警察署の留置所で性器をぐしゃぐしゃの挽肉と言っても過言ではないレベルで痛めつけられ、出血多量状態で発見――、痛みによるショック死と断定されて、この事件で捕まった犯人達は秘密裏に処理されてしまった。
この件は警察内部でも問題視されたが、足取りは掴めず。
犯行が行われていた時刻、全ての監視カメラは切られており、ハッカーと内通者の存在は巧妙に隠されていた。
公に出来ない理由は、警察署内が笊であったと証明してしまうだけでなく、警察内部に潜む内通者がいるという身内の恥を隠すように箝口令が敷かれた。
こればかりは墨竜会が一枚上手だったに過ぎない。
「千堂秋……ねぇ。この子、頭5つ位抜きんでた強さよ?大会映像見たでしょう?」
「ええ、見ましたよ?私も驚きました。正直、右腕であるトドロキといい勝負が出来そうな程ですね、彼。」
「それならあの部下達の粛清……どうにかならなかったの?せめて穏便にさぁ。」
「下っ端に荷が重すぎたのは分かりますよ?ですが、それは彼らがちゃんと情報収集していれば起きなかった事故です。敵を見誤らなければ、引き際や、殺しに時間を掛けたのが間違いでしょう?お楽しみ中に下っ端のまとめ役だった……なんでしたっけ?まあいいか猿の名前なんて。兎に角そいつが腰振ってなきゃこんな事にはならなかったんです。紀律の乱れが原因ですから、アレは避けられない粛清でしたよ。」
「はぁ…、見てるこっちの身にもなんなさいよね。」
「ああ、それは失礼しました。女性に見せるような綺麗な性器ではなかったですよね。今度からは迅速に罪には罰を与えることに致しますので、お許しください。」
「違う……んまあ、もういいわ。」
「はて?」
「いや、とぼけないでいいから。それじゃあね。」
「はい、では。」
紳士で真摯な殺人鬼との会話は彼女にとって持て余してしまうようで、頭痛を堪えるようにこめかみを押さえて会話を打ち切ると、二人は夜陰に溶け込み姿を晦ます。不気味なほどの静けさが余韻となって彼らが居た―――千堂家に不穏が漂うのだった。
ぞわっとして夜中に起きた。
退院して、久しぶりの家のように感じるベッドは心地よかったように思うのだが。見てみると寝巻きは汗でぐっしょりと濡れていた。何も覚えていないが、どうやら悪い夢でも見ていたのかもしれない。もしくは見て見ぬふりをしていた精神の傷がぱっくりと開いてしまったのか……少し憂鬱である。
大して関りがない人間でも、悲惨な目に遭ったのが間接的にでも自分のせいだと思うと、これほどまでに心にクるものがあるとは―――想定外の脆さ・軟さだ。
自分が脆く、道半ば壊れたとしても、それ以上に遥達の死の再現だけは避けなければならない。
それだけは受け入れられない。今もちょっと想像するだけで心臓が暴れ狂い、上手く呼吸が出来なくなる―――過呼吸だ。
対処法は袋か手で覆うこと。落ち着いて呼吸を整えること。分かってはいるが、上手くできない。手足が痺れ、対処もままならない。―――三十分程して、なんとか落ち着くと自室に三人分の姿を捉えた。
「マスター、大丈夫カ?」
「……心配。」
「………。」
どうやらピノキオ達が出てきていたらしい。
リリエルは泣きそうな顔でおろおろと空中を浮遊している。
鬼はただひたすら、座って此方を見つめるばかり。
「もう大丈夫だ。みんなも休みな。」
よく使う一軍達とは精神の繋がりが深い。ゆえに召喚していなくとも、思念のようなものが伝わることがある。
今回は例に漏れず、魔物達に俺自身の不安定な情緒が伝わってしまったのだろう。
墨竜会とやらに殴り込みに行こうと画策中の俺の意思とは裏腹に精神は付いてこれていないのかもしれない。
まあ、冷静に考えれば墨竜会はギルド特派員さんらが見張っている可能性が大いにあるので、殴り込みとか大それたことは出来ないのだが。
それでも場所は突き止めたがね?スマホ最強っす。一応、表向きはまともに輸入会社をしているっぽい。
どうやって乗り込もうか……、それが無理ならほかの手も考えないとなぁ……。
夜中に起きてしまったので、最優先事項案件について考え込んでしまうのだった。
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