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 大須通りF級迷宮。

 一階層には殆ど人がいない。

 大多数の迷宮探索者……の初心者は大会に足を運んでいるのだろう。そういや回帰前もそんな感じだったか?

 いつも俺には関係ないと思って迷宮に潜ったりしてたっけ。

 

 一階層がガラガラなら、二階層、三階層と進めばどんどん人が少なくなるのは自明だ。

 思いのほか、簡単に済みそうだと思いながら、手持ちの魔物を召喚する。

 

「なあ、大会一回戦で戦った高校生達覚えてるか?」


「オイラ、覚エテル!ザコ!」

「あい。」

「……(コク)」


 ピノキオ、リリエル、鬼の三体はどうやら覚えてるらしい。

 頷いて肯定した寡黙系イケメン道を行くか、貴様。

 ビジュがいいと様になるのぅ……。

 くやしくないんだから!


「そいつらを探してくれ。もし困ってそうなら助けてあげて。いなかったら二階層に続く場所で集合ね。」


「オッケー!!」

「あい。」

「…承知。」


 一線級の魔物達に指示を出し、飛び出していく。

 護衛に出払ってしまって俺自身が裸同然なので、控えを召喚しておく。


「スケさんよろしく。」


「カタカタカタ。」


 任せてって、言ってる気がする。

 しゃべれない魔物とも精神が繋がっているので、このような問答で意思疎通は簡単にとることができる。


 取り合えず、俺自身はまっすぐ二階層を目指す。

 あいつらの全力には人間である俺はついていけないから。

 まっすぐ向かう頃には、俺の魔物達なら探索しきれる。

 F級は一番規模が小さいしね。



「イナカッタ!!!」

「うん、いない。」

「いませぬ。」


 到着するころには既に二階層の前に集まっていた。

 見つからないか。

 この調子で二階、三階と進んでいく。

 二階層になると、ばったり人がいなくなったらしい。

 もしかしたらF級には潜らなかったか……。

 まあ、大会に出る強さがあればF級には来ないか……。

 本命はE級の栄だろうと思っていた。栄のFと大須のFは近いけど弱い。安全マージンを取るブレーンでもいない限りね。

 まあ主戦力が使えない状況で安全マージンは取ってるのか取ってないのか、よく分からないけど。


 俺ならどうしてただろうか……うん、潜ったな……。迷宮合宿したかもしれん。

 F級の強さはスケさんと呼んでいるスケルトンソルジャーで十二分に蹴散らせる。


 そんなことを考えながら、四階へ。


 そしてそこで彼等を見つけることになるのだった。

 

 

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