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 どうやら行方不明というか連絡が付かない生徒は俺が倒した生徒らしい。

 

 ここは俺も志願した方がよさそうだと判断して名乗り出た。


「あの、捜索なら俺も手伝います。人手は多いに越したことないでしょう?」


「生徒に危険な真似はって言いたいところですが、千堂君は少々…いやかなり強いですからね。いいでしょう。」


「二次被害者にだけならないようにお願いします。」


「それはもちろん。それでどの辺りの迷宮に行ったか目星はついてるんです?」


 これは物凄く大事な事だ。


「大須と栄の三迷宮が一番近いので、そこが濃厚だと思うのですが……迷宮協会に問い合わせるか、目撃情報があれば確実ですが、照会も一時間から二時間は掛かるでしょう。」


「何かあったのだとしたら、それだと間に合わないでしょう。此処は我々が栄の二迷宮、千堂君に大須へ急行してもらうのはどうです?」


「それなら同時に三箇所探せますけど、本当に宜しいので?他校の生徒なのに千堂君もいいんですか?」


「ええ、いいですよ。彼等が魔物に襲われてピンチになってたらそれは主力撃破した僕にも責任はありますから。」


 まあ責任を感じないと言えばウソになる。

 主力が居ればここらの迷宮で後れを取るとしたらボス戦かイレギュラーエンカウントしたか。色違い個体の最上位に出くわしたのならどのみちご愁傷さまだが。

 今の俺でも最上位個体は勝つか負けるかの戦いになる。

 大須F級でもね。


 ま、そんなのは天文学的確率なわけで100年に一度とかそのレベルよ。現実的ではないし、大量死者が出ても可笑しくない。

 それこそもう事件になってるんじゃないか?

 初戦でぶっ飛ばしたから、彼等も潜って時間がそこそこ経ってる筈だし。



 俺がやることは迷宮内を隈なく探してボス部屋確認すればいい。

 

 現在時刻は14時50分。

 まあ夕方までにはどんな形であれ、身柄は保護出来るのではないかと楽観的に考えながら大須F級に転移石でひとっとびするのだった。


「あ。」


 転移してから気づいたのだが、先生ら運んであげれば良かった。行きはよいよいだが、帰りは自力なもんで。

 心の中で先生らに謝って、大須通りF級迷宮に入るのだった。

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