第25話:新人戦大会⑨
第一闘技場ではM高校とO高校の戦いが始まろうとしている。
上治先生はM高校側だ。
O高校の情報はもちろん知らない。
知る意味もないだろう。
どうせ勝ち上がるのは上治先生率いるM高校なのだから。
「そろそろだね。上治くんとやらは先鋒なんだよね?」
「みたいだね。」
俺と遥はマッシュポテト揚げのコンソメピンチ味とキャラメルポップコーンの生クリームディップソース付きをプレートに、膝の上に置いて食べながらの観戦だ。
コンソメピンチ味はコンソメと辛み成分が合わさった商品で、俺は初めて食べたが、魅了された。
濃いめの味なのだが、マッシュポテト揚げ自体が、トロっとふわっとしっとりしているからか、そこまでしつこくない。
食べ進めると辛み成分が蓄積攻撃してきて中々に良い。
キャラメルポップコーンは安定感がある。
遥が好んで生クリームソースを購入して食べているが、中々に甘いので、甘党の方はオススメかもしれない。
因みに雪村女史はチョコクリームポップコーンとやらを買って食べている。これにもわざわざ生クリームソースをオプションで付けているので、JKには人気なのかもしれない。
板倉は俺と味違いだ。ノリ塩ならぬノリバター味というのを食べている。
有塩バターらしく、バター風味のするノリ塩だそうだ。
一つもらったが、安定感のある地味に美味しいやつである。
『—――――M高校先鋒—――上治大翔くん—――O高校先鋒—――村井一輝くん――――では、勝負始め―――!』
上治先生は、B級魔物:
対するO高校はE級魔物:ゴーレム、E級魔物:ハイエナウルフ、D級魔物;天使長。
上治先生の魔物は頭一つ、いや二つ抜けている。
「全部B級か……すごい。」
上治先生が凄いとは思っていたものの、これには度肝を抜かれる。
「な?戦力的にどっちが勝つか分からん程に強力な魔物達だろ?」
板倉も困惑を通り越して呆れ顔だ。
高校生がB級魔物を使役しているとかね?
市場価値にして数十億する魔物だぞ。
「むむ……。ずるい…。」
遥もそこそこ魔物に詳しくなったのか、将又ぱっと見ただけでも強さが分かったのか、眉間を寄せて睨んでいる。
前衛役の三ツ首熊は、試合開始と同時に三分裂する。
純粋に盾役が三枚になった。そして襲い掛かる。
遊撃役の次元怪蟲は空間移動しまくり、敵の隙を突いては物理魔法攻撃を巧みに繰り出している。
遠近両用タイプの魔物らしい。
後衛役が魔女三姉妹は敵後衛の天使長の妨害をしている。
回復はさせず、魔法攻撃もさせず。
完全に動きを封じている。
先鋒戦、魔物の質からして分かり切っていたことだが、上治先生が完勝して終わった。
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