第164話
「どうも」
「どうも!」
:真似してて草
:おは
:【¥30,000】ご祝儀代
:【¥30,000】結婚祝い
:【¥30,000】ご祝儀の相場定期
:結婚したのか……俺以外の奴と
:お前は誰だよ
おぉ……思ったよりコメント欄荒れてないな。もっと喧嘩腰の奴らが大量にやってくるものだと思ってたんだが……実は俺の放送は結構民度良かったりするのか? まだ一度も法的措置なんてしたことないけど……この先もしないで済むといいな。
「ふふふ……ご祝儀はもっと先に取っておいてね」
「なに言ってんですか」
「いいじゃん。実際にそうなるかもしれないんだから」
:完全に浮かれてて草
:これはバカップル
:そんなイチャイチャしまくってるとすぐに別れちゃうぞ
:昔から無駄にイチャつく奴らは別れるって言うだろ?
:【¥10,000】別れないでね
:まぁ、これからでしょ
:【¥50,000】色々と頑張れ
:【¥5,000】
:【¥6,000】アサガオちゃんが幸せならオッケーです
「別にこれからカップルとして売り出していく訳じゃないんで、別にあんまり配信の意味はないんですけど……一応、ご報告と言うことで」
「まぁ、あんまり黙ってるのも悪いかなーって思ったので」
「いや、そもそも貴女が交際したその日にSNSで大騒ぎするから悪いのでは?」
「反省はしてるよ?」
後悔はしてないってか?
まぁ、俺だって全てを隠すことに賛成な訳じゃないけど、流石にもうちょっとタイミングを考えて欲しかったな。惚れた弱みってことで気にしないことにしておくけど。
「それにしても、司君が思ったより私のこと好きになってくれてね? 皆には色々と自慢したくてしょうがないの!」
「それは個人の配信で勝手にやってください。今日は挨拶と騒がせたことに対するちょっとした謝罪、それから色々と説明する場所なので」
「だって。次の配信は私が飽きるまで司君の話題で喋るからみんな期待しててね」
:草
:暴走特急アサガオ
:【¥5,000】惚気が聞けるってマジですか?
:おいおい
:絶対見るわ
:【¥120】
:謝罪とかいる?
:【¥10,000】謝罪より先にもっと惚気話聞かせろ
:【¥30,000】ご祝儀でちょっと財布が……
俺は別にご祝儀渡せなんて言ってないけどな?
これほど多くの人に受け入れてもらえるのはとても嬉しいことではあるけど、別に金が欲しいとは口にしてないからな。思ってはいるけどさ。
「謝罪は別にいいから、色々と説明するってなにを? 馴れ初め?」
「えー、ダンジョン配信者の二期生をそろそろ募集するとの広報をSNSに出していたと思いますが、本当にやるので募集する予定の人は今からでもちゃんと準備しておいてください」
無視だ無視。
「簡単に募集内容を纏めると、ダンジョン探索者の資格を持っていること、企業に所属していないこと、それからダンジョン配信を継続してできる状態であることです。具体的に言うと週に2回か3回はダンジョン配信をして欲しいです。質問あればどうぞ」
:【¥50,000】結婚式はいつ?
:話聞いてなくて草
:企業に所属してないってのは、単純にダンジョン配信者としてってこと?
:ダンジョン配信を継続してかぁ
:探索者資格持ってればランクがGでもいいのか?
:【¥1,000】新たな配信者が生まれるのか
「えー、面接に合格した時に他の企業に所属している場合は、合格を辞退するかその企業を辞めてもらうことになります。サラリーマンをしながら配信している人も同様です。形式としてはearly birdの社員として雇って、その業務として配信をしてもらうからです」
ちなみに、みんなは大体週に4回ぐらい配信してくれている。宮本さん七海さんは他の人よりも多くて、下手すると1週間毎日配信していたこともあった。普通に働き過ぎなので週7配信は流石に辞めさせたけど。普通の配信と違って、ダンジョン配信はかなりの体力を使うので、毎日配信は身体に悪すぎる。
「探索者資格に関しては持っていれば誰でもいいので、別にGでも構いません。というか、美美香さんと岸谷さんはランクGで入ってます」
:マジか
:じゃあいいか
:【¥50,000】俺を受からせてくれ
:【¥10,000】合格祈願
:だから如月君の配信で合格祈願するなwww
:頼む
:俺も楽しくダンジョン配信しながら生きていきてぇなぁ
:別に東京に住んでなくてもいいのか? 俺、大阪住みなんだけど
「リモートで面接して、そのまま合格になった場合は別に大丈夫です。ただ、年に何回かは渋谷まで来てもらうことになります。交通費は出しますけど」
「私、実はアイリスちゃんに会ったことないんだよね」
「他県住みですから」
柄付きさんは完全リモートで仕事をしている社員第一号だぞ。俺も直接顔を合わせたのは、一ヶ月で最初の1回だけだ。後は基本的にメールとSNS、それから電話とwebでの会議だけだな。
:完全リモートありか
:ちょっと俺も興味あるな
:配信者じゃななくて普通に社員として雇ってくれ
:完全リモートで事務員できる?
「事務員は……ちょっと難しいですかね。流石にそこまで大きな企業って訳でもないですし」
週に半分以上は出社しなくてもいいように調整してはいるが、どうしても出社してこないとできないこともまだまだ沢山あるからな。毎日出社してるのは、不知火さんぐらいじゃないかな? 一応俺のマネージャー業務をしているって扱いになっている、不知火さん。いつも俺の突拍子もない話に振り回されている可哀そうな人。俺が言うのもなんだけどね。
「社員寮も色々と考えているので、来年ぐらいには……なんとかなるかもしれないです」
:社員寮からリモートワークや
:社宅の計画はあるのか
:そりゃあ、金はあるからな
:アリバってそんなに黒字なのか(唖然)
まぁ……ダンジョンの収益も大きいし、そもそも最近は七海さんと宮本さんの投げ銭収益が滅茶苦茶デカい。俺が出した動画の広告料もちょっとずつ増えてはいるけど、まだ始めたばかりだからそこは期待していない。
取り敢えず、社員に高めの給料を払いながら、色んなことに投資できるぐらいの黒字ではあると言っておこう。まぁ……俺の個人資産からちょこっと出している分があるから、そこは返済してかないといけないんだけど。
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