第4話:勇気

「こいつは私がやっていいか?」赤髪の男が網切に銃口を向け、男に話している。「ええけど俺はお前が死んでも知らんぞ」パーカーの男は見下した態度を崩さず、横目で返答した。「なら私がやるお前はどっか観光しときな」男はそう言って手榴弾を取り出し、網切に向かって投げ捨てた。それを見た男は薄気味悪い笑みを浮かべ、どこかに立ち去っていった。「待ってくれ!まだ…」僕は声を出し止めようとするも、恐怖からか中々声が出せないままその様子を怯えて見ているだけだった。「おい博人!このままじゃ僕達死んでしまうぞ!」絞り出した声で博人を引っ叩きながら必死に起こそうとするも、博人は起きる気配が無く、むしろ永眠したんじゃないかと疑うほどぐっすり眠っている。「ちくしょう…おんぶして行くしかないか…」僕は起きない博人を見て、最終手段にこの校舎から博人をおんぶしながら窓から飛び降りる策に出ようとしていた。もちろん下手したら博人も僕もただじゃすまないしもしかしたらどっちもお陀仏かもしれない、でもそれでも僕は絶対に生き残るため覚悟を決める事にした。「フー…よし行くぞ」その時前で、網切と男の戦いが既に始まっていた。「おいそこから動こうとしたら死ぬぜ?どっちみちもうお前は地獄行きなんだからおとなしく諦めとけよGANさんよ」男はまるで人格が変化したかのように、キャラや口調が変わり戦闘を楽しんでいた。「あと10秒って所かな?」男はボーッと手榴弾の爆発時間を呑気に数えていた。それを聞いた僕は、博人を抱え葵に「絶対に復活させるからな…」と宣言し、窓から飛び降りる準備をしていた。恐怖と緊張が僕の喉を鳴らし、足が震え視界が一気にぼやけてしまった。「5 4 3」男が時間を数えている間に僕は覚悟を決め、葵を復活させる事を心に誓った。「2」網切は何かを察したかのように、突然甲高い声で「キィィィィ!!」と叫び始めた。「1」爆弾が煙をあげ、僕は叫びながら窓から飛び降りる。それと同時に置いていた爆弾が爆発し、網切と共に校舎の一部が破壊された。その後僕は地面に着地したが、その後すぐに痛みと共に意識を失ってしまった。

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