私は百命木に行く!

みるもるの家

第1話「このッおっぱいがァー↑」

「私はとにかく可愛い女の子が好きなのですっ!」

「最近は2次元の女の子を視ていますっ!」

「そして、ずっと視ていると、体が大変なことに……」

「これはもう、病院に行った方がいいかも。」

「まぁ、そんなことはどうでもいい。」

私はパソコンを操作し、あるページを開いた。

「あぁ、ここに行きたいなぁ~」

それは、百命木ひゃくめいきをまとめたサイトだった。

「こんなに可愛い女の子がいっぱいいるのか百命木ひゃくめいきには。」

「私も行ってみたい……だけど。」

「このッおっぱいがァー↑ダメみたい↓」

行くための条件がサイトには書かれている。


・異性と付き合っていないこと。

「これは大丈夫。1人ぼっちだから。」


・同性異性どっちも好きであること。

「女の子の方が好きだけど、男の子も大丈夫……だと思う。」

「んで、最後が問題なんだよね。」

・胸のサイズがC以下であること。

と、そこには書かれている。

「うぐぐ、私、Dカップあるのに……」

「ど、どうしよう……せっかくのおっぱいが……」

「でも、女の子の楽園って言われている所に行きたいからなぁ。」

と、自室で独り言を言いながら格闘している。

「よし!こうなったら勢いでするしかない!」

そして私は、専用のおっぱいを小さくするところに行くのだった。


百命木関連の専用診療所なため、お金があまり掛からずに済んだ。

「まさか、人生でおっぱいを小さくするとは思ってもいなかった。」

「Cカップの方が良かったかな?Bカップにしちゃったけど……」

「でも、Cカップはそんなにいないらしいから、別に気にしなくていっか。」

そして私は、小さくなったおっぱいを触ってみる。

「小さい……こんな感じなんだ。Bカップの人は……」

小さい人の悩みをひしひしと感じた。

「それにしても、女の子多かったな。」

「みんな行くのかな?百命木に。」

「やっぱり人気なんだ。私も負けてられないね。」

謎の対抗心を宿して、自宅に帰るのだった。



「よし!これでいける!」

そう言って、インターネットで百命木旅行を予約する。

「へーえ、3パターンあるんだ。」

「うーん、ツアーもいいけど、自由に探検したいし、3番かなぁ。」

「ちょっと値段が高いけど。」

そして私は、ある項目に目が止まった。

「ん?審査?」

そこには、自由観光の場合は審査が必要と書かれていた。

「し、審査?まぁ、そうだよね。」

「変な人などは入れたくないからね。」

「えっと、審査の内容は……」

「うん、これなら大丈夫だね!」

そこには、こう書かれている。

【ツアーでは専用の機械に通るだけですが、観光バス(自由観光)の場合は担当の人が触って確認します。】

【女子の場合は、あなた様と同年代の女子が担当しますので安心してくださいね!】

「へーえ、同年代の女子ってどんな人なんだろ。」

と、ちょっぴり妄想しながら予約を進める。

「こ、細かいなぁ。」

「胸のサイズまで記入するのかぁ。しかも、Cまでしか選択肢用意されてないし。」

「まぁ、DからBになったんだけどね。」

「あぁ、これじゃあおっぱいから胸にジョブチェンジしちゃったよ。」

「ほら、弾力とか空気抵抗とか。それに、感度は上がっちゃったし。多分……」

「攻められたら終わりじゃん!」

と、また変なことを考えてしまった。

「はぁ、今は行くために手続きをしないと。」

そして私は、着々と手続きを進め、ついに百命

木に行くことができるところまできたのだった。


「やっとここまできた!あとは審査だけ!」

「そしたらそのままバスに乗ったら……」

「ああ、3泊4日かぁ。なんだか修学旅行以来だな。」

昔の記憶に少し浸りながら、荷物の確認をする。

「うん、大丈夫そう。」

私はスマートウォッチで時間を確認した。

「よし!そろそろ出発の時間だ。」

「……行ってきます!」

そう言って、誰もいない家を出発するのだった 。


「おぉー!これが審査する場所かぁ。」

そこは、百命木の地方管理支店だった。

なんでも、百命木に入るための手続きや荷物の検査とかをしているらしい。

「おっきいなぁ、さすが百命木だね。」

「さて、サクッと審査を受けに行こう。」

そして私は、その中入って行く。

「ひ、広い……どこに行けば。」

エントランスはとても広くて、迷子になりそうなぐらい広い。

「あ、あれかも?」

そこには「審査場」と書かれた板があった。

「確か番号は、K-3……よし、行ってみよう!」

私は意を決して、指定された審査場に入った。


そこには、私と同年代の女の子がいた。

「こんにちは。お待ちしておりました。」

「では、早速審査してもよろしいでしょうか?」

「(おお、とても可愛いんだけど。)」

「(もしかして、百命木から来たのかな?)」

と、思いながら審査を受ける。

「うん、持ち物は大丈夫ですね。」

「次は身体検査です。触りますね。」

「……は、はい。」

するとその女の子は、足から背中を通って首をなぞるように触った。

「うっ……くすぐったい。」

「すぐ終わるので、我慢してくださいね。」

「次は前を検査します。胸も触るので構えておいてくださいね。」

「か、構える?」

どういう意味は分からなかったが、気付いた時には既に遅かった。

「きゃ!さ、触られるのは苦手なのぉ。」

「我慢してください。審査に必要なことですから。」

そう言って、さらに胸を触る。

同年代の女の子に胸を触られるのは嫌じゃない。むしろ嬉しいのだが、上手なのか、何も考えられなくなってきた。

「もう……いいんじゃない?そろそろヤバいのだけど……」

すると、お触りは止まった。

「ごめんなさい。私の好みの胸だったのでついやり過ぎてしまったわ。」

そう言い終わると、突然腕に激痛が走る。

「痛っ!な、何が起きたの?」

すると女の子が悲しい声で「ごめんなさい」と言った。

「仕方ないことなんだよ……これは。」

「マクロチップを埋め込まないといけなの。」

「これがあれば、もし何かあっても助けてくれる。そんな装置だよ。」

まだよく理解していないけど、自分を守ってくれる物だと分かった。

「分かった。大丈夫。ルールなんでしょ。君が謝る必要なんてないよ。」

私は笑顔でそう言った。

「……ありがとう。本当に。」

そう言ってその子は、私の頬っぺにキスをした。

「へ?」

私は固まってしまった。一体何が起きたのか、自問自答している。しばらくして分かった。

「なな、私の頬っぺに!?」

「……あなたはとても優しい方です。」

「いつもなら散々なことを言われるのに、あなたは本当に……」

その子は、とても嬉しい顔をしていて目尻に少し涙が見えた。

「(キスは嫌いじゃない。もっとして欲しいぐらい。)」

「(でも、ここにいても出発できない。)」

私は少し考えて、あるものを渡すことにした。

「あのね、連絡先……あげるよ。」

するとその子は、目を大きくし、目尻に溜まった涙が流れた。

「本当に、貰っていいの?」

「うん、いいよ!」

「最初の番号、違うけど大丈夫なの?」

「大丈夫、互換性はあるから。ちょっと通話料が高いけどね。」

「するとその子は、腕についている端末を操作し始めた。」

「なにそれ?」

私は首を傾げながら質問した。

「ふふ、これは私だけ操作できる端末だよ。」

「詳細は秘密だよ。ちなみにこれは私物だよ。」

「ほへー、凄い技術だね。」

「おっ、通知来た。」

「名前、愛紗魅あさみっていうんだ。」

「そうだよ。あなたは、絵南えみなだね。」

「うん!よろしくね!」

「こちらこそ!」

「……もっと話したいのだけど、そろそろ時間だから、ま別の機会に!」

「もう、そんな時間になっていたんだ。」

「ありがと!」

「バス乗り場まで、案内するよ。」

そして私は、愛紗魅に案内されて、バス乗り場まで行き、百命木行きの専用バスに乗って、念願の都市に向けて出発するのだった。

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