第3話 従者の愛
▶ 登場人物
①メイド …働き者
②坊ちゃま…メイドが大好き
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メイド:あら坊っちゃま。どうされましたか?
坊っちゃま:主治医の息子に言い寄られたそうだな?
メイド:ふふふ、あれは社交辞令ですよ。あの方、会えばいつもあんな感じで…え(メイド、坊っちゃまに襲われる)
坊っちゃま:お前は主人である僕だけを見ていればいいんだ。僕だけを愛せばいいんだ。
メイド:坊っちゃま、困ります、おやめください!
坊っちゃま:子供の頃からずっと一緒だったじゃないか…。お前だって僕のことを愛しているだろう?
メイド:お仕えするお方として、守るべき存在とは思っていますが、坊っちゃまが仰るような感情はありません!
坊っちゃま:…わかるよ、父様や母様に遠慮しているんだろう?お前が僕の事をどう思っているかは僕が一番知っている。
メイド:はぁ?
坊っちゃま:…お前はこういうプレイが好きなんだよな。無理矢理されるのが…普段自制しているから、きっと淫らな姿を見せてくれるだろう。
メイド:官能小説の読み過ぎですね…ってちょ、どこに手を入れているんですかっ!
坊っちゃま:この身体、好きにしたくてたまらなかっ(殴られる)ぐぉはっ…!
メイド:…いい加減にしろ!誰がテメェなんかに屈するかってんだ!こちとら男にゃ興味ねぇんだよ!
坊っちゃま:な、なんだって?どういう事だ。
メイド:小さい頃は天使のようにお可愛かったのに…すっかり『男』になってしまいましたわね(泣く)…おいたわしや。こんな権力を盾にとるような傲慢な方になってしまうなんて…。
坊っちゃま:泣いて誤魔化すな!どういう事だよ。
メイド:この事は坊っちゃまとわたくしの秘密に致しましょう。わかりますね?無かったことにするのです。わたくしも犬に飛びかかられたと思う事にいたします。
坊っちゃま:お前、男に興味がないって…。
メイド:なんの事でしょう。
坊っちゃま:…あ!お前が好きなのはまさか。
メイド:わたくしにそんな相手はおりません。
坊っちゃま:ふん…なんだ、そういう事か。ははは…。僕をコケにしたこと、後悔させてやるからな!
メイド:はぁ…小悪党みたいなセリフですね。勘違いも程々にしてください。変な小説の読み過ぎですよ。奥様に報告しなくては。
坊っちゃま:え!お母様に!?
メイド:坊っちゃまに何かあればすぐに知らせるようにと。
坊っちゃま:わ、わかった。忘れる、忘れるよ。でもバレたら困るのはお前も一緒だよな?
メイド:わたくしは構いません。その時は正直に包み隠さず申し上げます。
坊っちゃま:そうしたらお前なんて直ぐに解雇だ!
メイド:だとしても、あなたがこの先間違った方向に進まない為なら、それでもかまいません。
坊っちゃま:なんだと?
メイド:これがわたくしの、貴方に対する愛でございます。
✼✼✼ おわり ✼✼✼
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