第2話 従者の色恋
▶ 登場人物
①メイド… 屋敷に使える二十代半ば
②商人娘… 看板娘、二十代前半
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商人娘:メイブル商店でーす。ご注文いただいた商品をお持ちしました。
メイド:ありがとう。…あら?林檎なんて頼んでいなかったと思うけど。
商人娘:いつもご贔屓にしていただいているので、オマケさせていただきました。アップルパイ、お好きでしたよね?
メイド:え。少し話しただけなのに覚えていてくれたの?
商人娘:アップルパイにしてお渡し出来ればいいんですけど、きっと貴女が焼いた方が美味しいと思って、林檎のままお持ちしました。
メイド:ありがとう。でも貴女が焼いてくれたアップルパイ、食べてみたかったわ。
商人娘:…実はわたし、作ったことがなくて。よろしければ今度作り方を教えていただけませんか?
メイド:ええ、もちろん。
商人娘:嬉しい。絶対ですよ?
メイド:レシピを用意しておくわね。
商人娘:あの、出来れば直接教えていただけたら、と。
メイド:そうね。でもごめんなさい、私はなかなかお休みが取れなくて。
商人娘:そう…ですよね。いつも忙しそうにしてらっしゃるから。
メイド:ごめんなさいね。でもあなただって忙しいでしょ?貴女に代替わりしたら品揃えが良くなって、お客様の数も増えたと聞いたわ。
商人娘:妹や弟も手伝ってくれているので。配達は主に弟が、店は妹が頑張ってくれています。
メイド:そうなの。でもここには弟さんじゃなく貴女が来てくれるのね。
商人娘:貴女に、会いたくて。
メイド:私に?あら、嬉しい…ふふ、私も貴女とこうしておしゃべりするのを毎回たのしみにしてるのよ。
商人娘:ほ、本当ですか?
メイド:こんなに可愛らしい人とお話出来るなんて…あ。ごめんなさい、つい本音が。
商人娘:わっ、わたしも。あなたのような素敵な方とお話できて…嬉しいです。
メイド:ふふ、なんだか私たち、両思いね。
商人娘:そ、そうですね。…うわぁ。
メイド:(頬に軽くキス)パイを焼くには時間がかかるけど、こんな風にお話するだけなら。私も貴女に、会いに行ってもいいかしら。
商人娘:もちろん!町にお出掛けの際は是非。美味しいお茶を用意して待っていますね。
✼✼✼ おわり ✼✼✼
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