第914話 CZ-BREN2 *115000匹突破*
投稿なんてなかった。いいね?
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なんて偉そうなことを言ったが、まずオレが鍛えろって話だ。
探索するマルゼとラグラスはマウンテンバイクで進み、マリルとマルダクは走ってあとを追っている。
オレはブラックリンで、とはせず、新たにセフティーブレットで採用するアサルトライフル、CZ-BREN2を持って駆けていた。
ゴブリンを駆除するなら9㎜弾のスコーピオンでもいいんだが、これからを考えたらアサルトライフルを配備させたほうがいいだろう。HK416より安いし、マガジンとグリップの箇所を交換すれば7.62✕39㎜弾が撃てるようになる。AKが使えなくなってもCZ-BREN2──ブレン2に交換しやすいってものだ。
オレとしてはブルパップ式のアサルトライフルが使いやすくていいのだが、ブルパップ式のアサルトライフルはあまり人気がない。ラダリオンも「う~ん」って顔で使おうとしないのだ。
不人気に合わせるわけにもいかず、HK416より安いと、ブレン2にしたのだ。5.56㎜弾、パレット買いしたからたくさんあんのよね。
「やっぱ慣れんな」
ずっとブルパップ式のアサルトライフルを使ってたから持ち方がしっくりこない。ちゃんと当てられっかなぁ?
まあ、今回はブレン2がどんなものかと体力向上を目的に走っているのだ、駆除は四人に任せるとしよう。
し、しかし、久しぶりに走るとキッついわ。やはり毎日やってないと鈍るのも早いもんだ。一キロも走ると息が上がってきたよ。
別に全力疾走ではなく、ランニングしているくらいの速さなのに、息を切らすとか鈍りすぎだろう。こんなんじゃ一人になったとき死ぬぞ。
息が上がったら休み、また走るを繰り返す。
「──タカト殿、ゴブリンを発見しました」
「よ、よし、マリルとマルダク、いけ。確実に駆除できるならやっていい」
ごめん。オレは間に合いそうもありません。
てか、貴族の息子なのによくあんなに長く走るもんだ。日頃から鍛えてんのか? ニキロは確実に引き離されたぞ。
──ピローン!
ん? 雷牙のほうか?
──十一万五千匹突破です。
今日はやけに静かだな? 嫌なことでもあったか? ザマー!
………………。
…………。
……。
え? 終わり? 本当にどうしたんだ? ってまあ、どうでもいっか。静かでなによりだ。
気持ちを切り替えて走り続け、なんとか四人に追いついた。フー。
「何匹駆除した?」
「五匹です」
道に出してくれたのでゴブリンを検分できることができた。
「肥えているな。マリル。マチェットを貸してくれ」
走るのに邪魔なので置いてきました。
マチェットを借りて心臓の辺りを切り、ゴリゴリと抉じ開けるようにして魔石があるかどうかを調べた。
「お、あった」
魔法で血を集めて遠くへポイ。ウエスを取り寄せて魔石を包んで取り出した。
「BB弾くらいか?」
二年くらい生きた感じだろうか? まだ若い個体だな。
他の四匹も心臓辺りを切り裂いて魔石を取り出した。
「オスばかりか。ってことは、どこかに巣があるな」
オレの推測が正しいなら出産間近のメスがいる。なら、どこかに巣があるはずだ。
周囲は麦畑で巣があるなら農民が気づいているはず。ってことは、こいつらは遠くからきているってことだ。
ついでに胃も切り裂くと、なにかの肉片が詰まっていた。
「ネズミか?」
マチェットで中身を広げると、木の実らしきものも入っていた。
「なんの実だ?」
「ククの実だな。あの山によく生っています」
マルダクが教えてくれ、その山を指差した。
平野部とは言え、百メートルほどの小山はあったりする。ここからだと五、六キロと言ったところか?
「……あそこか……」
察知範囲外なのでいるかどうかはわからんが、範囲内には四、五十匹はいる。転々と移動している様子もないところをみると、巣があるのかもしれないな……。
「マルゼ。次を探せ。まだ周辺にいるからな。これはオレが片付けるよ」
腹を裂いたゴブリンから血を吸い取り、間接部にマチェットを振り下ろした。
終わったらホームからスコップを持って穴を掘ってそこに埋めた。
「ふー。穴を掘るのもしんどいものだ」
水を飲んで一休み。四人はまだ一キロ以内にいる。あれを狙っているようだな。
あ、マルゼたちが駆除したか。
スコップを持ってそこに向かって走り出す。今日は走るだけで終わりそうだな。
その読みとおりその日は走るだけに終わったものの、小さな魔石は十六個は手に入れられた。これはどのくらいで売れるんだろうな?
青系の魔石は需要がある。魔力の感じからして大銅貨二、三枚にはなるんじゃないか? 細かいのが欲しかったし、伯爵んところで売れるかな?
「ラグラス、マルダク、今日はどうだった?」
さすがのラグラスも疲れている様子だった。
「タカト殿はこんなことを毎日やっているのですか?」
「こんな平和に駆除できるのは希だな。ほとんどはいつ命を落としても不思議じゃない状況ばかりだ。一日四十匹も駆除できたら豊かな暮らしを送れているだろうよ」
そんな暮らしがやってくるのはまだまだ先のことだろうよ。
「ゴブリン駆除なんて英雄とはほど遠い仕事さ。さあ、体が冷える前に帰るとするか」
四キロの道のりだが、これも訓練と走って帰る。今日もビールが美味そうだ。
気合いを入れ、飛行場まで走ることにした。
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