第853話 AK-47
思う以上に人が集まってしまった。
まあ、魚は海兵隊員が捕ってきてくれたし、肉はエクセリアさんからもらったものがある。ちなみに冷凍室を増設しました。
さすがにこれでは足りないので買い足し、酒は安いワインを出させてもらった。
ミサロが動きやすいようにとやったことだが、そんなことしなくてもミサロやリン・グーはコルトルスに受け入れられていた。
……オレがどうこうする必要もなかったな……。
それならオレは海兵隊員のことに集中するか。
まずは海兵隊員に酒を勧め、話を交わして心情を知るところから始めた。
やはり竜人への恨みからアルズライズの話に乗ったようで、金もいらないから家族の敵討ちをしたいそうだ。
アルズライズもそうだったが、海で生きるヤツは家族愛が強い故に恨みも強くなるようだ。
一歩間違えば自滅しそうな勢いをアルズライズが上手く去勢し、鍛え直したお陰で一致団結してあたる感じだ。あいつは本当に教官向きの男だよ。
団結式がただの飲み会になってしまったが、それでも海兵隊員の心情は聞くことができた。モチベーションを保ちつつ、海兵隊員として鍛えていくとしよう。
一夜開けてマルーバたちをクーズルースに連れていき、ライズさんにクーズルースの操船とルースミルガンの総司の教育をお願いした。
「よし。お前たち海兵隊の武器を渡す」
一丁二万円のAK-47を海兵隊員に渡した。
最初、これを買おうとしたが、値段にビビって止めたものだ。
実銃が二万円ってなに? さらに一万円ってのもあり、マガジンは三つで五百円とかふざけているとしか思えなかったよ。
怖くて使えないと、西側の武器を選んでしまい、弾が増えすぎると管理ができないと東側の武器には手を出さなかったのだ。
だが、海で使うならこっちのほうがいいだろう。雑な構造ながら頑丈にできており、整備も簡単。弾もアホみたいに安い。百万円で二十二人の装備を揃えられたよ。
VHS-2を四丁買える値段で二十二人分の装備が揃えられるとかイカれてるよな。元の世界、大丈夫か? これ、絶対に不味いだろう!
と心配しても今のオレにはどうしようもない。今は海兵隊員たちに教えることに専念しよう。
オレも初めて使うものだから学びながら教え、二日くらいで使えるようになってしまったので、訓練としてゴブリンの気配がするところへ向かうとする。
クーズルースの操船を覚えようと奮戦していたアルズライズもやってきて、歩いて向かった。
訓練なので食料はカロリーバーと水だけにし、引率はアルズライズに任せることにした。オレは海兵隊員のサポートとゴブリンレーダーをやらしてもらいます。
気配の感じ方からしてかなり遠い。一日中歩いてやっと察知範囲に入った。
「タカト。ここで夜を明かす」
「了解。オレはミーティングしてくるから頼むよ」
オレも付き合うべきだが、各地の情報を聞いたり決めることが多々ある。マスターとはやることがたくさんあるんだよ。
「ああ。なにかあれば移動するぞ」
「そのときは命を優先させろよ。こんなところで死なれたら困るからな」
そう言ってホームに入った。
十七時前に入ったので皆はまだ入っていなかったので、さっさとシャワーを浴びてガレージの整理を始めた。
皆忙しいからか、十八時を過ぎても入ってこず、十八時半になってミサロ、雷牙、ラダリオン、ミリエル、シエイラが入ってきた。
時間が時間なので、今日は某コングのハンバーグを買うことにした。
食べながら今日のことを語り合い、明日も忙しいからと早めに眠ることにした。
オレは五時くらいに起きてすぐに玄関に向かい、外の様子を見た。
灯りが見えるのでなにも起こってないようだ。
「タカト、今日はあちらに泊まるかもしれないから」
「了解。イチゴは連れていけよ」
最近、護衛にしか使ってないが、それだけ平和ってこと。実にいい使い方ってことだ。
「わかったわ」
用意を整えて外に出ていった。
オレも用意を整え、カロリーバーを食べて外に出た。
アルズライズを探すと起きており、スケッチブックを使ってゴブリンがいる場所を教えた。
「二手に別れたほうがいいな。おれは十五人を連れていく。タカトは七人を連れていけ」
「その七人を選んだ理由は?」
なにか思惑があって選んだはずだ。
「隊長に向いているヤツだ。指揮することはどういうか教えてくれ」
「オレの指揮でいいのか? 言っちゃなんだが、オレの指揮は臆病者の指揮だ。ダメと判断したらすぐに退くぞ」
「お前は自分で思うより指揮向きだ。全体を見て隊員を動かすからな。それを七人に見せたらいい」
オレ、そんなに指揮向きか? 確実に勝てる命令しかしてないぞ。
「まあ、指揮を学ばせるのはまた今度で構わない。今は実戦を経験させろ。あいつらに足りないのは実戦だ。死なないていどに追い込め」
「お前は鬼軍曹だな」
「軍曹がなんなのかわからんが、なんかいい響きだ」
「いや、お前は大尉がよく似合うよ。海兵隊を率いるのがよく似合う」
将軍とかよりは最前線で戦うのが性分だろうよ、こいつはな。
「とりあえず、七人を指揮してこっちの少ないほうを駆除する。アルズライズは多いほうをやってくれ」
「全体的に何匹なんだ?」
「二千匹いるかいないかだな。ただ、多いほうにぽっかり空いた場所がある。たぶん、なんかいる。気をつけろよ」
「それならバレットを出してくれ」
ホームに入り、バレットM82と弾を持ってきた。
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