第819話 ロスキート軍団
人とは鈍る生き物だよな。久しぶりにタボール7を使ったらなかなか当たらない。無駄に弾を消費しているよ。
まあ、ローダーが群れで現れてもビビらなくなったから精神的には成長してやをだろうな。
タボール7はエルガゴラさんに魔法をかけてもらってないので、マガジン交換をしなくちゃならない。ロスキートが多くてマガジンを何本か捨ててしまったよ。もったいない。
「ラダリオン! 一時ホームに入るぞ! 弾切れだ!」
7.62㎜弾はそんなに使わないからそんなに買ってないんだよ。弾も五百発あったかどうかだ。こんなことならセフティープライムデーに買っておくんだったぜ。
まったく、後悔先に立たずな人生だよ。予想が甘すぎるぜ。
「わかった!」
その場からホームに入った。
「ラダリオン、大丈夫か?」
「うん。大丈夫。でも、弾がいくらあっても足りない」
ラダリオンのSCARーHもエルガゴラさんの魔法はかかってない。マガジンもそんなに買ってなかったはずだから尽きる寸前だったはずだ。
「先にシャワーでも浴びるか」
そこまで必死ではなかったが、三十分くらいは激闘していた。少し汗かいたよ。
「うん。でも、ちょっとお腹空いたから食べる」
小さくなっちり元に戻ったりするとエネルギーを消費する。それはホームに入るときもかかっているようで、今も大量に食べないとならないのだ。
まあ、今はミサロがいるのですぐ食べられるようになっているので、ラダリオンとしては気にしていないようだ。
「じゃあ、先に入るな」
オレはまだ空腹でないのでシャワーを浴び、出たらアイスコーヒーを飲んで一息ついた。
「──あ、タカトさん。休憩ですか?」
ぼんやりしていたらミリエルが入ってきた。
「ああ。ロスキートの群れとちょっと戦ってな、マガジンが尽きたから一息することにしたんだよ」
「ロスキートですか。なら、魔石は土属性でしたね。こちらにもらえますか? 駆除員の遺産が魔石がないと動かないものなので」
「なんでもかんでも魔力だな。この世の魔物も駆除しようとしてるんだろうか?」
山崎さんところも魔力でセフティーホームを拡張できる。これってわざとじゃね? いや、オレんとこは報酬からだけどさ。
「昔はゴブリンの魔石でホームを拡張できたんじゃないですか?」
「かもしれんな」
一万円だった時期もあったみたいだが、魔石でやることが失敗したかで報酬制になったんだろうよ。
「わかった。魔石は集めて玄関の横にでも置いておくよ」
「お願いします。他に魔石ってありましたっけ?」
「手頃のはビシャに渡したから、ロースランのがあったはずだ」
どこに置いたっけ? ガレージを片付けたときに移した記憶はあるんだが、どこに置いたか忘れたわ。
「ガレージ三階にあったよ。段ボール5ってやつ」
「あー。そうだ。三階に移動させたんだったよ」
「わかりました。それ、持っていきますね」
「ああ。全部使って構わないよ。ロスキートはまだいっぱいいたからな」
魔石をとりだすのが大変だけど。
「すべてを動かすとなるとかなり必要となるのでお願いします。ロースランの魔石は持っていきますね」
「ああ、夜までにはいくらか置いておくよ」
ミリエルが中央ルームを出ていったらオレも動くとする。
万能インナーを着てなかったので今度は着込み、マルチシールド、魔力倍増腕輪、魔法をかけてもらったX95を使うとする。
「ラダリオンもLのほうを使うか?」
「そうする。Hを使うまでもなかった」
そりゃ巨大化させたら大抵のものには効果があるだろう。ロスキート、生命力は強そうだだが、そこまで硬くはない。数で押せば5.56㎜弾でも充分倒せるだろうよ。
「五百発くらいは入れておけな。なくなったらまたホームに入るとしよう」
「わかった」
5.56㎜弾はコンテナ二つ分あるので惜しみなくアイテムバッグに詰め込んだ。
たぶん、五百発を入れたらX95を構えて勘を取り戻した。
「よし。ラダリオンはどうだ?」
「問題ない」
ってことで、ラダリオンから先に出てもらい、外の様子を確認してから連射に切り換えてから外に出た。
ロスキートはラダリオンのほうに集まっていたので、射線がラダリオンに被らないようロスキートを撃っていった。
二、三十発撃ってやっとロスキートが倒れるか。アイテムバッグと連動してなからったら厳しい戦いだったかもな。
とは言え、五百発なんてあっと言う間になくなる。なくなったらホームに入って弾の補給を繰り返し、やっとこさロスキートを殲滅できた。
「ふー。巣にでも当たったか? 多すぎんだろう」
「タカト。ホームから大口のバケツを持ってくる」
「ああ、頼むよ」
ゴブリンを片付けるためにバケツに魔法をかけてもらい、アイテムバッグ化してもらった。
巨人サイズのバケツなので、解体したら充分入る。
解体はラダリオンに任せ、オレは魔石の取り出しをやった。
数が数なだけに時間がかかる。タワーライトを引っ張り出してきて十九時まで続けた。
「ラダリオン。続きは明日にしようか。オレは中継地に戻ったら入るよ」
ちょっとと言いながらかなり時間をかけてしまった。エレルダスさんに声をかけてからホームに入るとしよう。
少し疲れてはいるが、中継地まで一時間くらい。訓練だと思って走るとしよう。いざとなればホームに入ればいいんだしな。
よし。やるぞ! とプランデットをかけて駆け出した。
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