サムライダンジョン！

三幕までのキャラクター紹介 ＮＰＣ編（第一幕～第二幕）

★七海ヒバリ

配信名：マダム・ベル　（本名：七海・雲雀）

所属企業：アクセルコーポ

誕生日：５月９日

年齢：４０歳

身長：１６５・３センチ

趣味：勉強

特技：動作から相手の心理を探る

主要スキル：なし

チャンネル名：アクセルコーポ・法律チャンネル

　初出は第一幕の『弐：サムライガールはバズりを知る』から。

　アトリの叔母。アトリの保護者的役割。アトリの両親は探索者だったが迷宮で亡くなり、ヒバリが引き取った。姪であるツグミやアトリには危険な真似はしてほしくないが、行動を止める権利はないと思って口には出さない。

　職業は弁護士。雲雀の地方名である告天子から『告げる＝ＢＥＬＬ』という事でマダム・ベルという二つ名が企業からつけられた。アクセルコーポの法律チャンネルではその二つ名を使って配信している。

　法律チャンネル配信時はペストマスクをして顔を隠し、視聴者からの法的な質問に答える形式。名前を売る気などまるでなく、業務であることと法に対する特別感を消すために配信しているとか。無報酬なのでギリギリ非弁行為には抵触してないはず。教えて偉い人！

　物語的には学生であるアトリにはできない事をする大人の行動をするキャラ。保護者という立場もそうだけど、住所バレした時に備えて不動産を確保していたりと用意周到。タコやんや里亜とは違った形でのサポート役。

　若者のやることには深く干渉しない、とばかりに基本的には静観。アトリに友人ができたこともあり、二幕以降は一歩引いた形でアトリを見ている。

　好きな食べ物は納豆卵かけご飯。早くて栄養がバランスよく摂取できるという理由である。合理主義。

★中村しろふぁん

配信名：中村しろふぁん　（本名：中村・栄太）

所属企業：インフィニティック・グローバル

誕生日：１月１９日

年齢：４３歳

身長：１８４・３センチ

趣味：酒、ギャンブル、他人の失敗

特技：人の嫌がることをする

主要スキル：【魔弾】【誘導弾】【二重詠唱】

チャンネル名：しろふぁんチャンネル

　初出は第一幕の『序：サムライガールは過疎配信者』から。

　迷惑系配信者。ダンジョン法に抵触しない形で様々な嫌がらせを行い、それに驚く人たちを配信して数字を稼いでいた。

　若いころは真っ当なダンジョン探索配信者だったが、下層に踏み入ってテトラスケルトンウォーリアに惨敗。前衛を瞬殺され、仲間を見捨てて逃げかえった。なおその判断そのものは正しく、あそこでしろふぁんが踏みとどまって攻撃しても死体が一つ増えるだけだった。

　その件以降、しろふぁんは探索系配信を止めて迷惑系に移行する。魔物を誘導して配信中に割り込ませるトレイン行為。罠ではない所に意識を誘導する印を書く。解除した罠を隠蔽して再セットし、罠の脅威度を上げるなどだ。

　そしてそれは上手くいった。しろふぁんの配信は探索をしていた時よりも数字が取れ、一気に人気者になったのだ。しろふぁんの嫌がらせの才能が素晴らしいこともあったが、人が不幸になる様を見たい人が多数いるのも事実である。

　こういった配信を嫌悪する声もあったが、それもまた同接数として受け入れていた。炎上商法ともいえるが、そう言った声を『恨まれるのも人気の内だ！』『悔しかったら止めてみろよ！』などと煽ることでキャラを維持してきた。

　兎にも角にも、味を占めたしろふぁんはスパチャなどで得たクレジットを使って下層を探索する配信者から『召喚石』を購入。テトラスケルトンウォーリアを中層に召喚して脅かそうとかっ策していた……というのが第一幕の開始時点である。

　しろふぁんに一定数の配信者がおらず且つこんな性格でなければ、アトリは日の目を見ることはなかったのだから、皮肉な話である。

　物語の役割的にはヘイト役。アトリに絡み、真の黒幕にいいように使われる始末。でもラスボス覚醒したんだから、いいよね？

　現在はこれまでの罪も含めて服役中。汚名を配信されるわスキルシステムも没収されるわで、配信者としての再起は不可能である。

★スピノ

配信名：魔法少女スピノ　（本名：ローズマリー・Ｋ・若葉）

所属企業：アクセルコーポ

誕生日：４月１５日

年齢：１５歳

身長：１６１・９センチ

趣味：カラオケ、アニメ鑑賞、ボランティア

特技：料理

主要スキル：【光学迷彩】【鞭術】【制限呪力】

チャンネル名：鞭系魔法少女スピノチャンネル

　初出は第二幕の『陸：サムライガールは魔法少女に会う』から。

『世直し』系配信者。金髪碧眼の日系３世。中学生だけど年齢は１５歳以上なのでダンジョン探索資格を持っている。

　メインコンテンツはボランティアやゴミ拾いなど。チャリティコンサートなども行える程度には歌唱力もパフォーマンス力もある人気者。

【光学迷彩】を用いた変身バンク（要所要所をスキルで服に包み、スキル解除で変身している風に見せかける）や、レベルを上げた【鞭術】、そして相手に行動を強いる【制限呪力】。これらを用いて悪人を討つ魔法少女。

　……とはいうものの、戦闘能力が発揮されるのは基本ダンジョンのみである。そしてダンジョン内ではスキル構成上メインアタッカーではなく、【鞭術】【制限呪力】を用いた中距離デバッファーである。とはいえ探索配信はメインではないので、基本助っ人である。

　ＴＮＧＫの配下に騙される形でアトリを襲う。だがスキルで強化されているとはいえ、戦闘力はアトリに遠く及ばない。情けで【制限呪力】を受けてもらった形で勝利する。不幸なことにこれがバズり、思い悩むことになる。

　里亜の説得でどうにか心を取り戻し、自宅特攻する迷惑系配信者から守るために一役買う。これにより自信を取りもしたとか。

　良くも悪くも純真すぎる正義の味方。

★ロマン

配信名：ロマン・ヴァレ　（本名：佐藤・岩男）

所属企業：アクセルコーポ

誕生日：１０月１５日

年齢：４８歳

身長：２０１・１センチ

趣味：フィールドワーク、キノコ料理、フランス語習得

特技：キノコ研究

主要スキル：【アイテム効果増幅】【テイマー】

チャンネル名：キノコノコノコチャンネル

　初出は第二幕の『捌：サムライガールは足を引っ張られる』から。

　キノコ系配信者。キノコ系ってなんだよ？　と思う人も一度見れば納得するぐらいにキノコに傾倒したチャンネル。キノコ料理やキノコ雑学、ダンジョン内ではキノコアイテムで味方にバフを駆け、テイムしたキノコ系魔物に戦わせるほどである。

　一人称は『ジャ』。フランス語の単数一人称である『Ｊｅ』から。その他にもユヌゲリエール（女性の戦士）やユニアミィ（友人）など、所々がフランス語。でもキノコはそのままである。

　フランスから日本にやってきたキノコ研究者……という設定。生まれも育ちも日本である。フランスに強い思い入れがあるわけではなく、ロマンがフランス語だからという事でそう言うキャラにしたとか。

　アンチアトリの空気とアトリと戦いバズったスピノの流れに乗るようにアトリに襲い掛かる。巨大チャンネルの利点を生かして多人数で襲い掛かるが、見事に瞬殺される。いや生きてるけどな。キノコすげぇ。

　アトリに一蹴されたとはいえ、ロマン含めたキノコノコノコが弱いわけではない。数少ない下層探索が可能な企業配信チームで、レアレティの高いキノコアイテムを【アイテム効果増幅】で増幅させて味方全体を大幅強化する戦闘スタイルは堅実且つ隙が無い戦法。単純に相手が強すぎただけである。

　戦場が地上だから控えていたが、ダンジョン内では【テイマー】で使役したキノコ系魔物も戦列に加わる。胞子によるバッドステータスも加わり、堅実度は増す。それでもアトリに一閃されて終わっただろうが。パーティの強さ的には『万全ならテトラスケルトンウォーリア３体に勝てる』程度。

　キノコ至上主義。キノコの知識を広めるために配信をしており、アトリを倒すのもチャンネルの宣伝以上の意図はなかった。あのアトリもキノコを食べれば倒せるという流れにしたかったが、無様を晒した結果である。

　怪我を治したあとは新たに配信を開始。汚名を雪ぐために地道にキノコ配信を続けているという。

★ＴＮＧＫ（タニグク）

配信名：ＴＮＧＫ　（本名：谷川・幸太郎）

所属企業：アクセルコーポ

誕生日：１月１日

年齢：３２歳

身長：１６５・３センチ

趣味：土いじり

特技：魔術

主要スキル：なし

チャンネル名：ヒキガエルチャンネル

　初出は第二幕『▼▽▼　正義を為す者達　▼▽▼』から。

　第二幕における黒幕的存在。ダンジョンがない世界を正常と思っており、ダンジョンやダンジョンから利を得ている人間を憎む。そう言う意味では配信者は全て憎む対象である。

　配信名のＴＮＧＫ（タニグク）は日本神話に登場するヒキガエルの神様『多邇具久（タニグク）』から。ヒキガエルは地上のどこにでも生息しているので『国土の隅々まで知り尽くした存在』『地上を這い回る支配者』と言われていた。

　祖父世代からダンジョンに対する嫌悪を植え付けられてきたこともあり、その憎悪は魂レベル。その怒りがアトリに向いて、当時最高峰の人気を持つアトリを排他しようという流れを産み出した。

　スキルなどを一切用いないが、先祖代々から伝わる『土魔術』を扱うことができる。自身の生命力を削って『土』に関することに干渉する魔術で、１０年ほど寿命を削れば『大地に足をつけている者を好きな場所に移す』ということもできる。

　アトリ以外にも人気の配信者へのアンチ活動を行っていた。そう言った活動に手慣れており、その影響で心折れた配信者も少なくない。曰く『承認欲求で動くものなど、認められねば心が折れる弱き心の持ち主』とのこと。

　表向きはアクセルコーポの大御所配信者。農業系配信を行っており、農業に関する知識の披露やスキルを使った開墾（【土操作】のスキルを使っていると言いながら魔術で派手に魅せている）などで数字を稼いで、配信者としての地位を会得している。

　その地盤を使い、裏では多くの配信者への嫌がらせをしていた。芽が出そうな配信者の秘密を探り、その心おおるように仕向ける。自分で動くことはせず、また自分が命令した証拠も残さない。自分の為に動いてくれる手駒を優遇し、そう言った『弾丸』を解き放つ黒幕。

　アトリの場合はあまりに急すぎたため、気付くのが遅れたという。それほど異常なバズりかただったとか。

　タコやんの策略にハマる形で里亜の目前で本音を吐露し、それが晒される形で信頼を失う。その後寿命を捧げてアトリを『ダンジョンのない世界の夢』に誘うが、『戦闘がない世界とかあり得ぬ』とばかりに一刀両断。魔術を切り裂かれたリバウンドで完全に轟沈した。

　現在、見た目も体力も９０歳近くの老人となって療養中。