第19話 デートの誘い(神宮寺 焔)編

「空太、私とデートしないか?」

「えっ?」

 凛のデートの誘いの翌日、今度は焔からお誘いがかかった。

「えっ? とはなんだ? なにかあるのか?」

 すでに凜からデートの誘いを受けていることは内緒にしておこう。

「いいけど、どうしてまた? 学園祭デートしたばっかりでは?」

「その件についてはデートしたとは言えんな。邪魔が入ったことだし」

 邪魔、とは異界に迷い込んだ件のことを言っているのだろう。確かにあの一件で学園祭をほとんど楽しむことができていなかった。焔にも助けてもらったことだし、恩を返すという意味ではデートした方がいいだろう。

「そうだね、大変だったもんね。分かった、デートしよう」

「よし。決まりだな!」

 焔はオッドアイを輝かせながら返事をした。可愛い。

「それじゃあ、日にちは? 何曜日にする?」

「空太が決めてくれ。何曜日でもいいぞ」

 凜との約束は日曜日だ。そう考えれば、前日の土曜日がいいだろう。

「じゃあ、来週の土曜日はどうだ?」

「土曜日か、いいだろう」

「決まりだな」

 こうして焔とのデートが決まったのであった。


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