第17話 帰還

 ウイイイイイイイイン――


 空太と焔はカメレオンを倒した後、時間通りにエレベーターに乗った。エレベーターは正常に動作しているようだ。


「ねえ焔?」

「なんだ? 空太」

「さっきのカメレオンを倒した時のあれって、何だったの?」

 空太は焔がカメレオンを倒した場面を思い出す。一瞬にしてカメレオンに近づき、あっという間に倒してしまった、その技に。

「もう隠しても仕方ないか」

 焔は微笑むと、正体を教えてくれた。

「私は――だ」

「能力者?」

「そうだ、私はシュヴェアトマスターだ」

「シュヴェアトマスター?」

「簡単にいうと、剣を使って戦う者のことだ。まあ私は日本刀だがな」

 焔はそう言うと日本刀をポンポンと軽く叩いた。すると、日本刀が消えて無くなってしまった。

「え? どうなってるの? 消えたよ?」

「戦いが必要になった時にだけ日本刀を出すことができるんだ。普段から持ってたら色々まずいからな」

「そうなんだ。そうですよね~」

 空太は実際に見ても信じられなかったが、先のカメレオン戦でその能力を見たので、信じるしかない。

「私の能力では過去に活躍した、剣豪達の技を再現することができる。カメレオンに使ったのは沖田総司の技だ」

「なるほど。そうなのか」

「そうだ。謎の組織も気になるが、今は無事に戻れることを祈ろう」

「そうだね」

 エレベーターは順調に動いている。そして――


 チン


『お待たせしました。1階です』


 自動音声が流れ、エレベーターのドアが開く、そこに広がっていたのは――


 ガヤガヤガヤ――


 学園祭真っただ中の我らが母校だった。


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