第3話告白
キャプテンの藤岡は、家庭菜園に水をまき部室のカギを開けた。一番乗りだ。
そのすぐあとに、巨乳の水間がやってきた。
「キャプテン、コーヒー牛乳飲む?」
「飲む飲む」
「はい」
「ありがとう」
2人は実は付き合っていたのだ。中学校時代からの知り合いで、一年前、水間の希望で藤岡と付き合い始めた。周りは、知らない。
しかし、まだ、エッチはしていない。
プラトニックなのだ。2人はこの先、結婚することになるのだが気付いていない。
「ねぇ、藤岡。わたしの後輩が森田君の事をスッゴく気に入って、告白したいらしいんだけど、どうしようか?」
藤岡はコーヒー牛乳のパックにストローを刺して、チューチュー吸いながら、
「いいんじゃない?森田はお前の事を狙ってる馬鹿だし。かわいいの?その子」
水間はにこやかに、
「かわいい子だよ」
「いつ、会わせる気?」
「今日」
「今日?」
「実は、今、森田君待ちなの。彼女、近くのベンチに座って待ってるの」
すると、噂をすれば、
「な、何やってんだよぅ。水間ちゃん。キャプテンと話すと妊娠するよ!」
怒る森田と、久保塚、園山が部室に現れた。
「あっ、森田君。話しがちょっと……」
「な、なぁに?」
森田はドキドキした。
「実は、森田君が好きなかわいい女の子がいるんだけど、会ってみない?」
「か、かわいい。女の子……」
「も、森田!俺たちの事は忘れてくれ!」
「久保塚、お前ってヤツは……なんて、仲間思いなんだ」
「オラ、寂しくないぞ!アンちゃんが幸せなら」
「そ、園山~」
「たまに、彼女のおっぱい触らせてくれ!」
「わ、分かった。久保塚。オレのまだ見ぬ彼女よ!水間ちゃん。ゴメン。やっぱ、君とは付き合えない!さぁ、ここに呼んでおくれ。僕のフィアンセを!」
水間は外に合図して、女の子の名を呼んだ!
「ナツキちゃん。こっちこっち!」
森田は、はやる気持ちを抑えて、目を閉じた。
気配を感じ、つむった目を開いた。
「せ、先輩の事が好きです」
森田の目の前にたった、1年女子は武蔵丸にそっくりだった。はたまた、上野の西郷隆盛像か?
久保塚と園山は笑いをこらえるのが、やっとだった。
「早く答えてやれよ!森田」
藤岡は森田の背中を押した。
森田は少し震えていた。悲しみとも怒りとも感じられない表情だ。
「君、何でモテモテの小宮を選らばないんだ?」
ナツキはモジモジしながら、
「だって、先輩、わたしと一緒で顔がブスじゃないですか!だから、共鳴しちゃって、好きなんです」
「あれかい?こりゃ、ドッキリかい?」
「いえ、先輩を愛してるんです」
久保塚と園山は爆笑した。
「良かったな、幸せになれよ!森田」
久保塚がにこやかに言った。
「アンちゃん、早く返事の言葉いってやんないと、ナツキちゃんに」
園山が促す。
「な、ナツキちゃん。お、オレも好き!付き合っていいよ!」
「あ、ありがとうございます。森田先輩」
「良かったな、念願の彼女が出来て」
藤岡は森田の肩を叩いた。
森田とナツキはベンチに座り、何かしゃべっていた。
久保塚と園山は、部室を去り、周りに森田に彼女が出来た事を言い広めた。
翌日から、森田は学校の噂の人間になった。
「衝撃!森田、武蔵丸と結婚」
と、印字された紙が掲示板に画ビョウで止められていた。
もちろん、久保塚の仕業だ。
ナツキはシンデレラガールとして有名人になった。
さて、この先2人はどうなるのか?
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