【第三回 その2】 正義の門
パート2です。よろしくお願いします!
【六話目】⌘第6話 過去のミックとフィラン
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先にこのエピソードを読んだ感想を書きます。とても読みやすく、映像がはっきりと、それはもう鮮明に浮かんできました!
大変な失礼を承知で言いますが、作者が変わったのかと思うぐらい読みやすかったです。五話目までは内容や描写を理解するのに時間がかかり、何度も何度も読み直しました。ですが今回の第6話は、一度読んだだけで頭にバシッと刺さり、感情移入してしまいました。
以上を踏まえて、今までのエピソードと何が違っていたのかを含めて再度読んでいきたいと思います。
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まず、母の「すぐに戻ってくるから、ここでいい子にして待っていらっしゃい。」という地の文でのセリフに惹き付けられました。
今までの文章構成なら「~した」で終わることがほとんどだったのですが、この母の地の文でのセリフは、それだけで母がこの場を離れたということがわかる表現になっています。しかもこれが段落の最後にきているので、自然な流れかつ、場面の切り替えがスムーズに行われていると思いました。これは私にはできない表現なので、すげえ! となり、一気に引き込まれました。
次に、単純に文章が読みやすかったです。おそらくですが、五話目までは回りくどい表現が多く、読者のイメージ力に頼りすぎた描写が多かったのではないでしょうか。
普通の表現を避けることに力を注ぎすぎて、それが空回りしているように感じました。私の読解力の問題もあるかもしれませんが、今回のエピソードは整理された流れるような描写で読むのが心地よかったです。
そして、このエピソードはミックの主観強めの三人称視点になっています。この手法が正しいのかはわかりませんが、私は楽しく読めました。
一つ気になった点として、「フィランはミックと気が合ったし~」の文で最後に再び「フィランは~」となっているので、文を二つに分けるか、二回目の「フィラン」を別の言葉に置き変えると良いと思います。
ルクス教とユス教の対立の元凶ですが、些細な事ことから大ごとに発展したというのがリアルで面白いと思いました。
「名前しか知らない遊び友達」という表現も、ミックがまだ宗教のことについて理解が及んでなかったことを暗示していて素敵だと思います。
早く次に行きたい!
【七話目】⌘第7話 ユス教に改宗するか 死ぬか
「さっき彼らを~冷や汗がつうと伝った」、この部分、とても素敵な表現ですね。
特に「ミックの額から銃へ」から、銃を突きつけられているという緊迫感が伝わってきます。
ミックの心理描写も丁寧で、激しい葛藤の中でミックはどのような選択をするのだろうと思わず入り込んでしまいます。
それでもルクス教を信じるミック。えらいなあ……
ですが、絶対的な信頼はもはや消えかけてしまっていますね。
いまだにユス教に改宗させようとするフィラン。今まで何人がこのように蹂躙されてきたのでしょうか。
ミックのルクス教に対する不信感が強まってきましたね。
最後もしかしなくても撃たれた!? いったいどうなるんだ!?
正しい選択はあったのでしょうか。
この第7話もとても読みやすかったです。ラストの読者に問いかけるような心の声と展開の盛り上がりで、次が気になる! と思いました。
【八話目】⌘第8話 ルクスさまからの試練だ 戦え!
ミック生きてたか……!
痛々しい姿がはっきりとイメージできます。
ミックよりも父の方が重傷ですね……
さらにはルクス像も破壊され、信者たちはユス教に立ち向かう気満々ですね。
ミックと父は最後までルクス教徒としての使命を全うすることが出来るのでしょうか。
「片腕だけで神殿を封鎖」するミックから、意気消沈している映像が浮かんできました。
そして、父の含みのある発言。過去になにかしらの事件があったのでしょうか。
今回のエピソードで、物語にさらに広がりが出てきましたね。
現在・過去・対立する人々。これらが線でつながったときに、今まで以上に考えさせられる物語になっていきそうです。
【九話目】⌘第9話 そのまた次の日曜日
昨日の出来事を簡単に振り返っていますね。個人的に、こういう風におさらいを挟んでくれるととても助かります。しかも、セリフと体言止めを用いて簡潔かつ平坦な文章にならないように綴られているので、良いと思います。
「自分の心の傷をさするように」、良い表現ですね。この部分に限ったことではありませんが、昨日のことでミックが心に深い傷を負ってしまったことを読者に強く印象付けます。
「彼に一昨日の凄惨な出来事を思い起こさせた」の、「一昨日」で日が進んだことがさらっとわかりますね。私の好みの表現方法です。
片手で包帯巻くのって絶対大変ですよね……
手からポロっと落ちてトイレットペーパーみたいに転がっていきそうです。
四日目の「そのひとつひとつに誰かの命が散らされているという実感」。実際に銃を目の当たりにし、その恐怖を撃ち込まれたミック。彼の知識面での変化が読み取れる素晴らしい表現ですね。
母はすでに亡くなっているんですね。ますます過去のことに考えを巡らせてしまいます。
「そうやってしか名前を聞くことのなくなってしまった信者たち」、悲しい……
救いはあるんですか……?
ルクス教信者たちがなかなか来ない。この展開は……、どうやら信者ではなく、不穏な空気が扉をノックしたようですね。
【十話目】⌘第10話 新王即位の日
ミック、喜んでるけど、たぶんそれ違うよ!
「アイロンのかかったワイシャツ」ですが、“シワ一つなく綺麗”ということですよね? すごい表現ですね。感心しました。
やってきたのは警吏の人たちでしたね。私はてっきりユス教徒がまた攻めてきたのかと思いましたが、いい意味で予想を裏切られました。
囚われてしまったミックと父。結局最後まで二人が武器を手に取ることはありませんでしたね。第一章はここで終わりですが、第二章ではどのような展開が待っているのでしょうか。
【十一話目】☆第11話 母の死
エピソード名の頭の記号が変わりましたね。何か意味がありそうです。
主語で察しました。主役(?)が代わりましたね。
「母は静かに立ち上がり」とありますが、もともと座っていたということがわからなかったので、そこの描写がほしいと思いました。
ユス教の凶暴っぷりが半端ないですね。
ユス教にも感情移入する展開もあるのかなと思っていましたが、ここまでくると完全な悪にしか見えません。
「やがて泣き疲れた妹は泣き止んだ」ですが、“泣く”が連続しているので別の表現を用いると良いかもしれません。
展開がつらすぎる……
「空っぽになった心」に入ってきたのが「喪失感」というのは良い表現だと思います。どこまでいっても虚無という感じが伝わりました。
「まずは自分と妹が生きていく方のが大事だった」は、“の”が余計だと思います。
「レイヤはそれがどこにあるのか知らないし」と、「母がどこに埋められたのかも分からない」はどちらも同じような意味なので、「母がどこに埋められたのかも分からない」はいらないと思います。
レイヤの妹はミナだったんですね。この兄妹のルクス教に対する思いの違いの理由が見えてきましたね。
【十二話目】☆第12話 めぐんでください!
孤児となった兄妹のきつい生活。
そしてこの国の格差社会が如実に表れています。
レイヤはミナのことをとても大切にしていますが、第一章で見た彼らの関係は少し違っていましたよね。これからレイヤがどう変化していくか楽しみです。
今回のエピソードは特に大きな展開はありませんでしたね。
【十三話目】☆第13話 薄汚い盗人の孤児なんぞ
ミナのために泥棒に入ろうとするレイヤ。
一度目は失敗しましたが、二度目はなんとか盗みに成功しました。その代わりに体がぼろぼろになっている様子。ですが、傷ついたのは身体的な部分だけでなく、レイヤの良心も同時に、という感じがしました。
「彼女の頭を撫ぜてやる」とありますが、“撫ぜる”というのはあえての表現でしょうか? 初めて見たので調べたのですが、“撫でる”の方言みたいですね。勉強になりました。
展開が緩やかなうえに暗いストーリーが続きますが、文字数が少なめなので気持ちの整理が適度にできて良いのかな?
【十四話目】☆第14話 母さんの名を呼ぶな!
「レイヤの目に映る世界は、母が命を賭して守り抜こうとしたルクス教の理想とはほど遠いところにあった」。これが大きな答えの一つだなと思いました。
過去のことはまだはっきりとはわかりませんが、この国はルクス教に相応しくない環境です。その中でルクス教徒たちがどう生き抜くのか。とても興味深いテーマですよね。(今更ですが)
レイヤが一人で市場にやってきた場面ですが、硬貨の数え方が「枚」のときと「つ」のときがあるのは何か意味があるのでしょうか。それほど気にすることでもないかもしれませんが……
レイヤ常習犯になりつつあるな……? いつか大変なことになりそうですね。
言ってるそばからやってしまいましたね。レイヤの性格がひねくれていくのが悲しい……
急に紹介された「レイヤは左利き」という情報。あまりに浮いた文で伏線かな? なんて勘繰りました。
「朝彼女の下を離れた~」ですが、「下」というと“部下”や“目下の者”というイメージを持つのですが、どうなんでしょうか。意味的にはあっているかもしれませんが、個人的な印象として違和感がありました。
レイヤの感情のやり場に困る様子が容易に読み取れます。
「翌朝、熱も下がった妹は、久方ぶりに目を開け」とありますが、“久方ぶり”というと、日数がそれなりにあいたように感じられるので、別の表現の方が適切な気がします。
盗みで生計を立てるレイヤは周りの孤児たちを見て何を思ったのか。その意思が砕かれないことを祈るばかりです。
パート2はここまでです! ありがとうございました!
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