人殺し
ガシャンと強い衝撃が走った。彼にはいったい何が起こったのか分からなかった。ただ、右の窓ガラスに光る2つのヘッドライトが見えて、全てを悟ったのだ。
あぁ、俺は撥ねられたのか。
彼と彼のセダンは宙を舞い、一回転した。そして地面にガシャンと落ちて、周りからは大きな悲鳴が聞こえた。
「人殺し、人殺しよ!」
そんな声が聞こえてきたので、彼は多少の違和感を感じながら、この裏返しになった海亀から外に出た。
「いや、私は生きています!」そう彼は叫んだ。
辺りは一瞬静かになった。そして何故か、みんなが彼のことを強く睨みつけた。その視線 はどうやら侮茂やら軽蔑やらという感情がいくらか含まれているようだった。
あれ、おかしいぞ、彼はだんだん混乱ししてきた。なんで俺がこんな目で見ているんだ?「このっ、人でなし!」ある1人が叫んだ。「この、人でなしが!」
そうだ、そうだ、と周りの人も囃し立てた。
いや、まてよ?彼は顔を青くさせた。まさか。
彼は恐る恐る腰を下ろし、車の下を覗いた。そこには……
これについて書くのはやめておこう。ただ一つ言えるのは、その光景がこれからずっと、 少なくとも鰐になるまでは、彼の頭から離れなかった、ということだ。さぁ、この話はもうやめる。 次のステップへ行こう。
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