第2話

ドンッッッッ!!!!という大きな音が響き渡った。



そう、私がどこかに落ちた。


「いっ……たぁ……」


まばゆい光の中、目を開く。

人々が私を囲み、物珍しそうに見下ろしているこの光景が異様に思えた。


その瞬間、誰かが声を上げた。


「せ、聖女様だ…!」


すると、周りの人物も大きな声を上げながら「聖女だ」「聖女様だ」と口にし、それは伝播していく。


まあ、聖女なのだが。


ゆっくりと立ち上がりあたりを見回すと、西洋風の建物が目に入った。

レンガの石畳、大きな噴水、ここが街の広場のような場所だとわかるまでそう時間はかからなかった。


「ここが…私の救う世界……」

かすれた声が湧き出る。そうか、ここが私の新しい生きる場所か…。


「あの、聖女様…」

古めかしい汚れたエプロン、何度か修復して着直しているであろう服に身を包んだ女性が、私に声をかけてきた。片手に大事そうに赤子を抱き、その子を私に向けて差し出した。

「あの……この子に、幸福をいただけませんか…?」

「幸福…」

うるんだ瞳を向けながら、彼女は私に跪いて懇願した。周囲の人々は私の挙動を見逃すまいと凝視している。断れる様子ではない。


…そういえば、女神が人の能力を上昇させる力をと言っていたな。

私は赤子に手を差し伸べ、頭に軽く触れながら口に出した。


「…君が、幸せでありますように…」


そうつぶやくと、私の手のひらから赤い光がパッと湧き出た。

「わああ……」

周りの人々は感嘆した声を上げる。


その時だった。



ドンッッッ!!!と、同じ音がしたのは__


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