追放された陰陽師はダンジョンの出現した世界で有名配信者となる

第12話・神覚者になりたい～そうだ配信者になろう～

「その死後の世界に行けば、死んだ人に会えるってことか？」

「一応会えるには会えるのですが、絶対に会えるという訳じゃありませんし。今のご主人様では会いに行こうとすれば生命力を全て搾り取られて死んでしまうと思います。なので、ご主人様が死後の世界に行きたいというのでしたら私は全力で阻止します」

「・・・それはどういうことだ？」

　思わず霊力があふれ出てしまう。希望からの絶望。それは思いの外心にくるものがあった。

「ひ、あのう。ご、ごめんなさい」

　俺の霊力に当てられて怯えるフィーナ。

「ああ。ごめん。別にフィーナに怒ってる訳じゃなくて。そのちょっと落ち込んだだけだ」

「いえ、大丈夫です。そのう今のご主人様であれば死後の世界に行けないですが、可能性としてご主人様が神覚者になれば死後の世界に行けるようになれると思います」

「ほ、本当か？」

「はい。死後の世界。幾つもの呼ばれ方がありますが、地球の言葉を借りるならば地獄界は普通の生命体では存在することが不可能に近い領域であり、全ての生を否定します。ただ、神覚者はその生の否定を無効化するだけの膨大なエネルギーとそれに準ずる能力を持っています。神覚者になれば地獄界に問題なく行けるようになると思います」

「なるほど。神覚者か。正直目指すつもりはなかったが、目指してみるのもありかもしれないな」

　それで死んでしまってもう二度と会えないと思っていた皆に会えるのならばこれ程素晴らしいことはないからな。

「ご主人様ならきっと神覚者になれますよ。私信じていますから」

「そうか。ありがとう。まあ、何とかなって見るよ。因みに今の俺が神覚者になるのはどうすれば良いと思う？」

「そうですね。神覚者になるには幾つか方法があります。例えば、最上位種族が何かしらの偉業を成し遂げて神から認められるか、自力で信者を作って神へと至るか、何千年、何万年、何億年という鍛錬に継ぐ鍛錬の果てに生命体の限界を超えて最強に至るか。

　稀に神の落とし子や、別世界で同一存在が神覚者へと至っておりその因子が入って突然覚醒したりしますが、かなりレアケースだと思います。

　今のご主人様であれば、信者を作って神覚者になるのが一番早い道であるとは思います」

「なるほど。信者作りか。・・・ん？信者作り？今の日本のネット社会を考えれば配信者とかありじゃね？それこそせっかくダンジョンっていう俺が無双できそうで取れ高抜群なものがあるんだ。最高じゃん。それに配信者になれば俺の承認欲求も満たせそうだし、女性からもモテそうだし？

　あれあれ？最高の方法じゃね？」

「なるほど。配信者ですか。とってもご主人様にあっていると思います。私も全力でお手伝いさせていただきますね」

「ありがとうフィーナ。最高に可愛いフィーナと一緒にダンジョン配信。おお、更に人気が出そうだ。行けそうだぞこれは」

「本当ですね。流石ですご主人様」

「よし、決めたぞ。俺は神覚者になる為に配信者になってやる。そんでもって皆から認められてちやほやされてモテモテになって見せる」

「凄く良いと思いますご主人様」

「さて、これから楽しくなってくるぞ。よし頑張ろう」

「はい。頑張りましょう」

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　という訳で主人公は配信者になることを決意しました。

　尚、幼馴染に会えるのは多分大分先になりそう・・・。多分。