第11話・割と便利なダンジョン
「フィーナ、俺の夢を手伝ってくれるとか一緒に付いてくとか言ってくれてたけど。さっきこのダンジョンを運営してるって言ってなかったけ?
ダンジョンはどうするの?もしダンジョンから離れられそうにないならそれでも俺は大丈夫だぞ」
よくライトノベルとかでダンジョン運営者はダンジョンコア=命みたいな設定があるからな。仮にそうじゃなくても何かしらのデメリットがあったりするし、そこまでの負担をフィーナにかけたくはない。
だってフィーナは絶望に打ちひしがれてた俺を救ってくれた恩人なのだから。
「それなら大丈夫です。人間界であれば近くにダンジョンさえなければどこでもダンジョンを作成することが出来ますから。サクッとダンジョン核を引き抜いてダンジョンを初期化させます」
「ダンジョンってそんな便利な物なんだな。凄いな」
「といっても便利なのは人間界だけですけどね」
「人間界だけ?」
「はい。魔力が地上に存在していない人間界だけです。そもそもダンジョンというのはダンジョン神様の加護を受けた高純度の魔力の塊なのです。その為に魔力が存在する場所でダンジョンを展開すると空気中の魔力に勝手に魔力が溶け込んで何もしなくても魔力が消費されてそのまま霧散してしまうのです。
ただ、人間界のような魔力の存在しない世界では魔力が霧散せずに存在をさせることが出来るのです。
人間界の言葉で分かりやすく言うならば水と油です。
水は魔力で油は人間界の空気です。
ダンジョンコアは水なので、水の中に入れれば水となって混ざり消えます。ただ、油である人間界の空気の場合は油ですので混じらずにその場にとどまり続けることが出来るのです」
「なるほど。何となくだけど納得した。というかナチュラルに出ているその魔力ってのは何?」
「魔力は魔力です。ご主人様のいうところの霊力のようなものです」
「ああ、なるほど。納得した」
「それなら良かったです。他に何か質問はありますか?」
「そうだな・・・あ。これは質問というか。分からないけど。俺戦ってる途中にレベルが上がったとか、称号を獲得したとか、聞こえたんだけど、あれって何?」
まあ、途中性欲で頭を支配されてほとんど聞き取れなかった&覚えてないけど。性欲怖い。
「それはステータスだと思います」
「ステータス?それってゲームとかにある?あれ?」
「はい。正にそれです」
「いや。何でそんなものがあるの?」
「それはそっちの方が分かりやすそうだからというダンジョン神様含む様々な神の配慮と遊び心です。
元々はステータスなんて存在していなかったのですが、様々な人間界にて存在している娯楽文化に触れた神様方がせっかくだしステータス作ろうぜみたいな動きとなり、実行。でステータスが生まれました」
「それは何というか凄いな。え?というか今ナチュラルに今人間界の娯楽物を神々が楽しんでるって言ってる?」
「はい。そうですよ。人間界の娯楽物は他の世界でも非常に人気で、生物を界渡りさせるのは膨大なエネルギーを消費しますが、物や情報を伝達する程度であれば、そこまで界渡りにエネルギーを消費しないので様々な世界でかなりの量流通してますよ」
「マジかよ。知らなかった」
「一応一部の出版社やアニメ会社、著名な漫画家やラノベ作家さんには神や君主が接触して直々に褒美を与えたりし、死後特別待遇で眷属に迎え入れられてたりというのはありますね」
「そんなのあるのかよ。それは、凄いな」
「この世界で言えばゼ〇の使い魔の作者様がとある神様に死後特別待遇で迎え入れられてましたね」
「ああ。あの有名な。俺も好きな作品だから嬉しいわ。そうか、じゃあ今は幸せに生きて?いるのか」
「はい。今は天界で執筆途中であった外伝小説を書かれてますね。あとがきを読むに幸せに暮らしていますね」
「そうか。それは良いな。本当に良いな」
俺の好きな小説家が死後も幸せに暮らしている。こんなに救いのある話ほとんど存在しないだろ。
いや本当に良いことを聞いたわ。
「ご主人様が嬉しそうで良かったです」
「まあな。しかし死後の世界ってのもあるのか・・・。死後の世界」
その瞬間、色欲との戦闘で死んでしまったイトに師匠に仲間達、そして幼い頃に悪魔に殺されてしまったお母さんが頭に過る。
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