第3話・ダンジョン?×ゴブリン×再生
悪魔の気配のする方向へ走って向かい到着する。
道路から洞窟が生えていた。
何を言ってるんだと思われるかもしれないが、そのまんまである。道路から洞窟が生えていたのだ。
道路の真ん中に堂々と洞窟が生えている。
そして、その洞窟の中から悪魔の気配を感じる。
ゴゴゴゴゴゴゴ
また、大きな揺れが来た。
普通であれば立っていられない程の大きな揺れだ。
俺はそれなりに鍛えているので何とか立ってはいられるが、立って小走りするのが精一杯だった。
「また、地震かよって、え?」
俺の目の前で衝撃なことが起きた。
洞窟の中から階段が出て来たのだ。
まるで中に入れと、道路から生えた謎の洞窟が意思を持って、そう俺に問いかけているかのようだった。
「意思を持った洞窟・・・明らかに怪しい階段・・・」
罠の可能性が頭をよぎる。
というか罠の可能性は非常に高いだろう。
ただ、ここまで来て、罠の可能性があるからとおめおめと逃げ帰る俺ではない。
「行くしかないな」
足にグッと力を込めて立ち上がってから、俺は悪魔のいる洞窟に入っていった。
――――――――――――――――――――――
中は薄暗いかと思ったら割と明るかった。
外と遜色ないとは言わないが、充分人間の視力でよく見えると言える程度の明るさがあった。
辺りを警戒しながら歩いていた時だった。
グギャグギャ
少し進んだ先から聞きなれない声が聞こえた。
悪魔の気配はしないし、妖や物の怪のような気配もしない、ただ人間の気配もしなかった。
謎の生物だ。
未知の敵だ。
俺のみが使える異次元袋から俺の専用の剣・星落天霊剣を取り出し、臨戦態勢を取りながら進んでいく。
グギャグギャ
未知の敵が俺の前に姿を現した。
そいつは大きさは1メートル程度、全身緑色に少し出た腹、醜悪な見た目をしており、手にはこん棒を持っていた。
それはゲームに出てくるようなゴブリンそのものだった。
「ゴブリン?・・・初めてリアルで見たな」
思わずそう呟く。
グギャグギャ
ゴブリンは俺の驚きなんて無視して攻撃を仕掛けて来た。
こん棒を振り回す、何の技術もない攻撃。
しかし、当たり所が悪ければ死ぬないし大きな怪我を負いかねない攻撃であった。
「一閃」
剣を振ってゴブリンの首を切断した。
襲われたから殺す。敵だから殺す。
今まで何千・何万と繰り返して来たある意味での当たり前の日常のようなものであった。
霊格を失った俺であるがこの程度の敵に後れを取る程弱くはない。
「今のは何だったんだ」
ピコン
ダンジョン内で魔物を討伐しました。
ステータスが付与されます。
ピコン
この世界で初めてゴブリンを討伐しました。
称号【ファーストゴブリンキラー】を獲得しました。
称号効果によりスキル【ゴブリン特攻】を獲得しました。
ピコン
この世界で初めて身体に重度の傷を負った状態で魔物を討伐しました。
称号・・・・・・を獲得出来ませんでした。
介入が行われます。
・・・・・・・・・
介入が完了しました。
一度きりのスキル【強化完全再生】を獲得させられました。
ピコン
身体に重度の傷を負った状態で魔物を討伐しました。
称号【不屈者】を獲得しました。
称号効果によりスキル【不屈】を獲得しました。
変化は一瞬だった。
体に急に大きく力が湧いたと思うと、霊格のあるお腹の当たりに焼ける様な痛みを感じる。
「痛い。一体どういう・・・それに、今の謎のメッセージはぁぁぁ、痛えええええ」
ドクン
心臓が大きく鳴った。
ドクンドクンドクンドクン
心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
激しく心臓が鼓動を刻み、霊格の部分からより強い痛みが襲い掛かってくる。
「ぐああああああああああ」
思わず叫んでしまう。
叫んでいたら、強烈な飢餓感が襲い掛かって来た。
異次元袋から、美味しくはないが腹を満たす為に必要な栄養素が詰まった兵糧玉を取り出して貪るように喰らう。
喰らって喰らって、喰らいまくるが飢餓感は収まらない。
1粒でお腹いっぱいになる筈なのに、気が付いたら100粒以上はあったはずの異次元袋にある兵糧玉全てを胃の中に入れていた。
それでも強烈な飢餓感は収まらない。
何か食べれる物はないかと、異次元袋の中を漁る。
漁っていたら何かの生物の肉を見つけたので貪るように喰らう。
それが何の肉かは関係なかった。
ただ今はこの強烈過ぎる程の飢餓感から解放されたかったのだから。
ピコン
【厄災級悪魔・アスモデウス】の肉を喰らいました。
スキル【強化完全再生】の効果が働きました。
特定の条件を満たしています。
種族進化を開始します。
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