第4話 レッドの俺は一体どうしたらいいんだ

「なんでそんな大事なこと黙ってたんスか!?」

「どうしてもっと早く言わないんだ!!」

 動物園が襲われた翌日。九条さんがアクージョだという話を黄島と青山に打ち明けたらめちゃくちゃに怒られた。

「だって、俺が正体わかる前に、桃のやつアクージョにすごく激しい悪口で罵ってただろ? 今更あれが九条さんだったなんて知ったらどんなにショック受けるか……」

「だからって俺達にまで隠してどうするんだ! それになんで昨日から一日置いたんだよ!」

「身内のことだし……俺はライトレンジャーのリーダーなんだから、二人には迷惑かけられないと思って……一日置いたのは俺も話を整理したかったから、なんだけど……」

「これは身内だけの話じゃ無いんスよ!! アタシたちが何も知らずにアクージョにとどめ刺しちゃったらどーすんスか!!」

「お前一人で問題抱え込んで黙って解決しようとするのやめろって前にも言っただろ!」

「ごめん…………」

 俺が落ち込んでしまうと、青山と黄島はそろってため息をついた。

「青山、黄島……レッドとして、桃の兄貴として、俺はどうすればいいと思う?」

「そんなの簡単っスよ。桃ちゃんに全部話して自分で決めてもらうんス」

 あっけらかんとした黄島の言葉。青山も腕組しながら頷いている。は?????

「え、俺の話聞いてた? 桃は結婚式場の事件のときにアクージョに……」

「その時は相手が九条さんだと知らなかったからだろ。これ以上二人が対立して拗れてからじゃ手遅れになる」

「それはそうかもしれないけど……でも、桃、きっとアクージョに言った自分の言葉に傷つく……」

「赤木さん過保護すぎッスよ。桃ちゃんならきっと大丈夫ッスよ」

「お、お前ら他人事だと思って……!」

「他人事じゃない。桃は俺たちの大事な仲間だ。だから俺も黄島も、すべて桃に話すべきだと言っている」

「でも……それで、桃と九条さんが別れることになったら……」

「その時はもうしょうがないッスね」

 黄島のドライな言葉に俺はびっくりした。

「え、でも、桃の気持ちは……」

「そりゃ落ち込むだろうが、その傷みも恋愛にはつきものだろう。九条さんと別れることになったとしても、桃ならきっと他にも素敵な人が見つかるさ」

「ひゅ〜さすが青山さんモテる男は説得力あるッスね!」

「からかうんじゃない、黄島……」

 その時、俺たちライトレンジャーの通信端末が一斉に鳴った。

『みんな!アクージョが出たわ!』

 管制室の冴子さんの声が聞こえてきた。

「すぐに向かいます! 場所はどこですか!」

『クジョウヒルズ美術館よ! 現場にいたピンクが先に戦ってるから、みんな応援に向かって!』

「「「えっ…………」」」

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