第8話 二人の寝室 夜ver
「あっ、もー遅いよ。私ダーリンの部屋でずっと待ってたんだからー。早くこっちのベッドに来てよー。一緒にゴロゴロしよ~」
「もしかして酔ってる? 私が酔うわけないじゃーん。ていうかダーリンは全然酔ってないよね。私と同じぐらい飲んでたのに」
「ずるいずるいずるーい」//子どものような感じで
「ほっぺがほんのり赤い? ……ダーリンのエッチ。女の子の頬を見るなんて下手したら犯罪だよ。だ・か・ら」
//SE 電気のスイッチを押す音
「暗くした部屋でダーリンを押し倒しても、文句は言えないよね?」
「あれ? やっぱり酔っぱらってる? ほっぺた真っ赤だよー。へへへ、本当に私のダーリンは可愛いなー」
「——ちゅっ」
「あぁもう可愛すぎる。ぎゅーって抱きしめちゃうから! 私にもっと豊満な大胸筋があればダーリンをもっと照れさせることができるのに」
「これ以上照れたら、爆発してしまう? そ、そうだよね。私がそんなわがままボディ手に入れちゃったら世の中の女性が私を殺しに来て、世の中の男性が私の体を求めて第一次私大戦が始まっちゃうよね。あぁ、なんて罪な女なの。私は一生ダーリンのものだから! 安心してこのスリムなボディに抱き着いて良いんだよ?」
「すごい饒舌になってる? ダーリンは、もっとおとなしくて物静かな女の子が好きなの? 私みたいな口先だけで生きているような人は嫌? 私はね、ダーリンが望むならなんだってするつもりなの。私、ダーリンがいないと生きていけないから。だから私にとなりでちょこんと座ってずっと微笑んでるお人形になれって言われたら喜んでそうする」
「……そんなことしなくていい? 自分が好きなのは君自身だから? ……ダーリン、本当に? 信じていい? 私、捨てられない? ダーリン、——私を愛してるって言ってくれる?」
「君を、愛してる? ……」
「なんでちょっと泣いてるのか? んー、なんでだろうね。やっぱり酔ってるのかも。だから、今日はダーリンのパジャマを涙でぐしゃしゃにしても良い?」
「僕の胸でおやすみ? お、どこかで聞いたことのあるセリフだ。ふふっ、それじゃあ遠慮なく」
「ねぇ、鼻かんでも良い? ……」
「あっそうだ、言うの忘れてた」
「今日もお疲れ、ダーリン。いつも私のために頑張って働いてくれてありがと」
「ダーリンってなんでも頑張りすぎるよね。高校生の時、私と付き合ってからずっと勉強してたし、いい会社に入って理想の暮らしを手に入れたいって気合めっちゃ入ってた。出会ってた時からずっと心配してるんだよ? 私のために無理してないかなって」
「君の笑顔で疲れが吹っ飛ぶから大丈夫? ……じゃあ、私は笑顔でダーリンに『おかえり』って言うね」
「私は、ダーリンの理想の生活の一部になれてるかな?」
「理想の生活を過ごしてる? じゃあ私がそばを離れたらダメだね。 ——ちょっと苦しいよ。そんなに抱きしめなくても私はどこにも行かないから」
「ダーリンは昔から変わってないね。もちろん良い意味だよ。ずっと私のことを大切に考えてくれるし、いつも可愛いって言ってくれる」
「初めてダーリンの家にお邪魔したこと覚えてる? あの時に言った、二人でダブルサイズのベッドに寝るって話、ちゃんと覚えててくれてたし」
「ダーリンと出会ってからずっと幸せなんだよ」
「生まれ変わってもずっと一生一緒にいようね」
「大好きだよ」
「……あ、先に寝ちゃったんだ。じゃあ、私のものだって証明するために——ちゅっ。首筋にキスマーク。ダーリンはずっと私のもの。ふふっ」
僕のことが大好きな彼女は小悪魔クーデレを演じきれない! 智代固令糖 @midori3101
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます