第3話 告白
//SE 屋上で小走りしてる音
遠くから近づく感じで
//SE 顔に触れる音
「だーれだ」//背筋をくすぐるような感じで
「当てれたらご褒美あげる」
「……くそーやっぱり当てられたかぁ」
「それにしてもどうして屋上に私を呼び出したの? 机の中に手紙を入れるなんてなかなか粋なことしてさ」
「どうしても伝えたいことがあった? なにそれ、すごく気になる。実はいじめられるのが好きとか、耳が弱いとか? ……それはもう知ってるけど」//ふざけた感じで
「全然違う? 今はおふざけなし? そっか、分かった。じゃあ真剣に話聞く。どうぞ、遠慮せずに何でも言って」//真顔で
「…………やっぱ今日はやめとく? ちょっと待って。腹くくったんじゃないの? 普段の君じゃ考えられない行動までしたのに、やめるの?」//戸惑い
「何か伝えたいから、何回も消した跡がある手紙を勇気だして机の中にいれたんでしょ? それをなかったことにして、明日言おう、また今度にしようとか先延ばしにするわけ?」//少し怒ってる感じで
「言うのが怖くなった? ……やっぱり甲斐性なしだね、君は。本当にダメダメで何にも分かってない大バカ者。何も怖くないのに怯えてるクソザコ男子」
「言い過ぎ? 今回は君が全面的に悪い。行動したのに最後までやり切らない君が悪い!」
「——私、君のことよーく知ってるんだから」/覗き込むような感じで
「君は普通の人よりも劣っているどうしようもないダメ人間だって思ってるかもしれないけど、私はそんな君と……ずっと関わっていたいと思ってるのに」//心の奥底から言葉を出す感じで
「本当に、本当に何も言ってくれないの? 今、この澄み切った大空は私たちのものなんだよ?」//期待
「…………何も言ってくれないんだ」//落胆
「——実は私、明日には遠いところに行ってしまうの。すっごい遠いところ。君が持ってる所持金じゃ到底行けないようなところ」
「じゃあ、これが最後の会話なのか? そうよ。悲しい? 寂しい? でも、決まったことだから」//突き放す感じで
「まぁ、最後におしゃべりできて良かった。ありがと。それじゃあ、私はお先に戻るから。一生さよなら」//淡白な感じで
//SE 屋上で小走りする音
//SE 抱きしめる音
「————ちょちょ、なんで後ろから抱きしめちゃってるの!? ……行かないでほしい? 無理だよ、だって——へ? 好きだ? 大好きだ? 愛してる?」//困惑
「ま、まさかダメダメな君がこんなに思い切ったことをするなんて……」//悔しそうに
「どうして悔しそうなのか? だって、私が君にドキドキさせられるなんて前代未聞なの!」
「だから、つまりね。こういうこと」
//SE キスの音
「————」
「ドキドキさせられたお返しとご褒美」
//SE 服がこすれる音
耳元で囁くように
「私も大好きだよ。よくできました」
//SE 抱きしめる音
「ぎゅーーーっう」
★ ★ ★
「本当は明日、お母さんの実家に行くだけなんだよね」
「ま、内緒だけど」
「……幸せだなぁ」
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