第2話 保健室
//耳元で囁く感じで
「保健室で二人きりってドキドキするよね」
「あれ? 耳、赤くなってるよ。しかもちょっと震えてる。熱でもあるの? それとも―—」//覗き込むような感じで
「何しに来たのか? もちろんお見舞いよ」
「哀れな被害者である君の様子を見に来たの。なんかすごく痛そうだったね。他のところが試合しているときに飛んできたドッジボールが顔面に直撃したでしょ? 周りに誰もいない隅っこの方で体育座りしてるからそういうことが起きるんじゃない?」
「それは関係ない? そうね、君がボッチで周りを注意してくれる人やかばってくれる人が誰もいなかったこととは無関係。これは不運な事故。神様のいたずら。そういうことにしておく」//憐れむ感じで
「まぁみんなが笑ってくれたんだしそれはそれで良かったんじゃない? 犠牲笑い、みたいな感じで」
「全然良くない? そうかなぁ、だってそのおかげで——」
//SE 服がすれる音
耳元で囁くように
「私と二人きりなんだよ?」
「どうして二人きりなのに、この前から耳元で囁いてくるのか? それは君の反応が面白いから。男子に言うのもおかしいけど、君、結構可愛いんだよ?」//からかう感じで
「可愛いって言われても嬉しくない? ふーん、そうなんだ。一応褒めたつもりなんだけど」
//SE 廊下から足音
遠くから近づいてくる感じ
「……あっ、廊下から足音がする」
「もしかしてこっちに来てる? 先生や他の生徒に今の状況を見られたら、ちょっとめんどくさいかも」//考え込んでる感じで
「なんで? ってお見舞いに来たのがケガとは全く関係ない女子なんだよ!?」
「なんか、いろいろ言われそうというか思われちゃうというか……」//もじもじしている感じで
「とりあえず、あそこの掃除用具入れのロッカーに入って隠れよ! うん、それが良い!」//強引な感じで
「あんなにせまいところ二人じゃ入れない? 問題ないよ、私すごくスリムだから」//自信満々な感じで
//SE ロッカーの扉を開ける音
//SE 制服がこすれる音
//SE ロッカーの扉を閉める音
//顔の近くでひそひそ話をするように
「——絶対音、立てないでね。万が一見つかったらそれこそジ・エンドだから」
「あ、あと……やらしいこととか考えないで、よね」//ドキドキを隠すように
「まぁクソザコメンタルの君には何もできないと思うけど」//強がる感じで
「……ねぇ、息もうちょっと抑えられない? 前髪がちょっと揺れてくすぐったいの。もしかして、わざとじゃないよね?」//照れている感じで
「近すぎるだけ? もうちょっと我慢して、きっと書類を取りに来ただけだと思う」
「…………」//気まずい感じ
「……あの、さっきの続きなんだけど。その、なんていうか。見てたよ。ドッジ、やってたとこ。ボールなんて取れないくせに、女の子の方に飛んできたボールキャッチしようとしてたでしょ」
「全然とれてなかったけど」//つぶやくような感じで
「でも、私は……私はすごく―—」
//SE 服がこすれる音
耳元で囁くように
「カッコいいって思ったよ」
「あ、あのさ——って外に出たらダメ!」
「……あ、もう先生いなかったんだ。良かった」//安心
「もう、先生に見つかったらどうするつもりだったの?」//少し怒って
「もういろいろ限界だったから? ……あ、布団に隠れた。隠れるのは反則。君は完全に包囲されている! おとなしく布団から出てきなさい!」//警察官になりきった感じで
「……まぁ、今私の顔見られたら困るしいっか」
//耳元で囁くように
「君は可愛くて、カッコいいよ」
//SE 布団をめくる音
勢いよく
「囁くのはやめろ? 耳、本当に弱いんだね」//茶化すように
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